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幻想郷で、バスケの頂点目指します  作者: local
第1Q ~全ての始まり~
5/13

Episode-3. ようこそ

閲覧ありがとうございます、Episode-3です!


そして、大分たちましたが、やはりこの言葉から始めたいと思います。


皆さま、明けましておめでとうございます!

今年初投稿でございます!

今年一年、東方バスケ物語と僕をよろしくお願い致します!


遅すぎる新年の挨拶を終えた所で、本題に入りましょう。



『Episode-3 ようこそ』、やっと書き終わりました!!!


今回は幻想入りがメインとなっております。とうとうですね。

この話で一章も終わります。これからどんどんヒートアップしていきますよー!!


そして最後に、重大なお知らせがございます。

この『東方バスケ物語』PV1500、ユニーク900を突破致しました!


この作品をこれだけの方が見てくれている事実、とても嬉しく感じております!!皆さま、本当にありがとうございます!!


では、本編をご覧ください!どうぞ!


 


  バスケットコートを包む冷たい風の感覚と共に、俺は生まれて初めて『自分の目を疑う』という感覚を味わっていた。その感覚に陥った原因は、少女の真の実力を見たことにあった。



  俺は今まで、少女の事を『雰囲気だけの選手プレーヤー』だと思い込んでいたらしい。


  バスケの実力はそこまでだが、雰囲気だけ達者という奴もざらに存在しているし、実際に手合わせしたこともある。

少女はそいつらに該当すると思っていた、いや、『そうであってほしかった』のかもしれない。


  そんな俺の願いも儚く、少女はその恐ろしい程の雰囲気と同等、下手したらそれ以上の実力を持っている事が分かった。

ポテンシャル、技術スキル、どれを取っても一流としか言いようがないほど、素晴らしく見事な腕前だった。



「全然ね、貴方。もう少し抗えると思ったのだけど……私の思い過ごしかしら?」



  負けたショックと疲れでコートに座り込んだ和成に、少女は微笑みかけている。和成は少女の表情を見たとたん、顔にあった絶望の表情を更に険しくさせた。



「……こ、んな……圧倒的に?……ま、まさか……そんな……」



  俺がやっとの思いで捻り出した声が、途切れ途切れの聞き取りづらい言葉となって出てくる。


  和成のここまでの大敗はインターハイ後、いや、高校に上がってから初めてではないだろうか。


  今までの試合や練習の中でも、負けること自体は何度かあった。だが、その時は『後1本の差で、惜しくも惜敗』という形だけ。1本も取れないで負けるなど一度もなかったはずなのに……


 

「私の勝ちよ。当然だけど、貴方も賭けに従って貰うわ」



  少女が俺に向かって言う。少女から微笑みは消え去り、真面目な表情に変わっている。

  俺は絶望の念を振り払い、何とか頭を落ち着かせる。そして、出来るだけ冷静に見えるように無表情を心がけた。



「……分かった。従うから、賭けの内容を言ってくれ」



  最初は演技のつもりでいたのだが、この一言を発しただけで自分が本当に冷静になっていることに気づいた。頭が冷え、自分が今何をすべきか、対策案があれこれと出てくる様になった。

  これが吹っ切れた、というやつだろうか。今ならどんな答えでも導き出せそうだ。



「じゃあ言わせてもらうわね。……貴方達は今日から……」



  俺と和成は思わず息を呑み込む。そんな俺たちを見て多少情が移るのか、少女は躊躇う様な表情を見せた。


  俺達の頭に?と疑問符が浮かぶ。何故躊躇う必要があるんだ?

 俺達が答えを思いつくよりも早く、元の表情に戻った少女は、一呼吸置いてから俺達にこう告げた。





「……幻想郷げんそうきょうへ来てもらいます」




  ……は?


  ……げんそう…きょう……?



  俺には、少女が何を言っているのか全く理解できなかった。

 幻想郷?来てもらいます?……一体どういうことなんだ?



「……な、なんだよ……その、幻想郷って……?」



  俺が聞きたかったことを和成が代弁する。だが、その姿からは先程までの迫力が感じられず、1on1の時の余裕が嘘だったかのように、薄志弱行としていた。



「あ……うーん……ごめんなさい。それ、あっちに着いてからじゃ駄目かしら?もう本当に長居は出来なくて……」



  話をしている姿を見るかぎり、少女が俺達に嘘を言っているようには見えない。かといって、少女の話は簡単に信じられる程、信憑性のある話ではなかった。

 

  ここからの俺のすべきことは……


  俺は抵抗しないということを表すために、両手を上に掲げ、降参のポーズを作った。

 

 

「どんな話を聞いても、逃げたりはしない。……だからさ、少しだけでもいいから、説明してくれないか?今の話だけじゃ、流石に……」



  まず現時点で一番必要なのは、安全確認だ。

 抵抗せずに相手を安心させ、『情報』を出来るだけ集める。安全なのか、危険なのかの情報を手に入れてから『行動』に出る。そこからでも遅くはないはずだ。



「だ、だから、もう時間がないの。後で詳しく話すから……ダメ?」



「少しだけならいいだろ?」



「……いや、だから……」



「それとも、そんな長時間も説明しなくちゃならないことを、俺達にさせようとしているのか?」



「……」



  少女が曖昧な言い訳で説明を逃れようとするが、俺は少女の痛いところを突き、諦めずに鎌を掛け続ける。


  人の心理やら本心を探り出すのは、前々から趣味でやっていた。

  嫌な趣味だと思われるかもしれないが、そのお陰で今は有利(本当にそうなのかは分からないが)な立場にあるのだから、誇ってもいいだろう。


  そんなことを考えていると、しばらく黙って俯いていた少女が、不意に顔を上げた。少女は目の笑っていない笑顔を俺達に向けると、ドスの利いた声でこう返してきた。



「……拒否権は無しと言ったはずよ?何を今更怖がっているのかしら……?黙って着いてきなさい……いいわね?」


 

  ……あ、脅し作戦に入った……めっちゃ怖い……


  笑ってばかりいた時とは比べ物にならない。思わず反射的に頷いてしまいそうな程……うん、ヤバいな。絶対にヤバい。

  こういうタイプの女子というものは、悪化させたらどうなるか……分かったもんじゃないぞ……(経験済み)



「ちょ、調子のんなよ……な、なんだよ、それ……」



  和成がもどりながら反論する。

  強気に見せているようだが、言葉がもどってしまっている。お世辞にも強気には見えていなかった。



「『貴方達の安全なんかどうでもいいから、とにかく着いて来なさい』って言ってんのか?……マジでふざけんのも大概にしろよ……」



 ……何か負け犬の遠吠えっぽくなっているな……

  勝負に負けた悔しさの感情が後押ししているのか、発言の一つ一つに熱がこもっている。和成の反論はもうもどることすらなく、どんどんヒートアップしていく。



「そんな一般常識でさえ持ち合わせていない奴に、一本も取れずに負けるなんてな……思い返すだけで自分に腹が立って仕方がねぇよ!」



「……何ですって……?」



 ……おいおい、あの娘もキレ気味じゃないか?


  何だかとても嫌な予感がしてきた。俺が経験した事よりも、もっと酷いことになりそうな……そんな予感が、今背中を……


 そして、和成はこれが最後だとでも言うように、大声で叫んだ。



「拒否権無しだろうか何だろうが関係ねぇ!!俺は俺の言いたいことを言う!!俺達は絶対着いていかないぞ、この性悪女ぁっ!!!」



  辺り一面に、またもや冷たい風が吹く。まるで少女の怒りを表しているような、不思議な風だった。


  その頃、俺の悪い予感はピークに達していた。何故かは俺にも分からない。分からないのだが、予感は今まで以上に膨れ上がり、本能までもが『逃げろ』と連呼している。

 

  そりゃ逃げたいのも山々だが……

 先程の勝負、正確に言えば、少女の凄まじい程の走力スピードを見てしまった。それに、今は憔悴しきった和成がいる。逃げ切ることは不可能だろう。


 ならどうするか、答えは1つだ。

 


「ごめん!……こいつ馬鹿だから、有ること無いこと全部口に出しちゃうんだよ……俺が代わりに謝る!本当に悪かった、この通りだ!」



  俺はガバッと勢いよく、頭を下げた。和成が「誰が馬鹿だ!」と叫んでいるが、そんなことは気にしない。


  そう、素直に謝る、これだ。日本人の武器とも言える『礼儀正しさ』『和の心』、今はこれに頼るしかない。

 実際問題殆どこっちが悪いんだし、ここで謝るのはむしろ普通だ。

  相手がどう出るかは、感じ方次第だけど……大丈夫な筈……だよな?



「……」



  あまりの沈黙に思わず顔を上げてしまう。

  少女は一向に項垂れたままだった。顔が見えないので、少女がどう思っているのか、全く分からない。


  ……ん?ちょっと待て……?女の子が項垂れて動かない。ってことは……もしかして、泣いてんじゃないのか!?だとしたら、事が事でも俺達のやり過ぎということになってしまう。


  俺は事の真実を確かめるため、少女に近づいていく。俺が近づいても、少女は顔を上げようとはしなかった。



「な、なぁ、君?大丈夫k」



  [いつも通り]に発していた言葉が、不自然なタイミングで途切れる。

 その事を疑問に思ったその時には、







  まるでジャンプシュートによって放たれたボールの様に……俺の体が宙を舞っていた。







  …………え?……何で……浮い、て……?



  言葉が何故不自然に途切れたのか、自分が何故宙にいるのか、全く理解できないまま、俺の体は冷たいコートに打ち付けられた。



「うぐぁっ!!」



  体全体を激痛が走った。視界が眩み、段々と暗くなっていく。このままでは俺の意識が……

  俺は着々と狭まってくる視界の中で、体を起こそうと右手をつく。が、その直後に襲う激痛によって、すぐに力が抜けてしまう。

 

  何度やっても結果は同じ、痛みに打ち勝つことはできなかった。



 ……駄目だ………もう………………



  俺は身体中に刺すような痛みを感じながら、自分の視界が暗転していく様をぼうっと眺めていた。



  思えばここからだったのだ、俺達の人生から[いつも通り]が無くなったのは……




 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




  コートに打ちつけられて、痛みに襲われている少年二人を見ながら、私、八雲紫は痛みとは違ったにものに襲われていた。



「……やっちゃった……」



  そう、後悔の念に……


  先程の二人が飛んでしまった現象、それは他でもない、この私が引き起こしてしまったのだ。


  和成君の反論に怒りを抑えることができず、気がついたときにはもう遅かった。

 私は『中威力型弾幕ちゅういりょくがただんまく』を二人に放ってしまっていたのだ。


  痛い目に遭わせるつもりなど、なかったのになぁ……


  私はう~んと唸りながら、コートの端まで飛んでいった二人目指して歩き出す。


  二人とも気を失ってはいるが、幸いにも大きな外傷は無さそうだ。



「ふぅ、良かった……何とか無事ね」



  無事を確認した私は、コートに手を向け、『あるもの』を出すために念じる。すると、手を向けたコート一帯に裂け目が現れた。

  その裂け目の両端にはリボンが結ばれていて、その開けている空間の中からは多数の目が私達を覗いている。


  そう、二人を飛ばした『弾幕』、今出した『スキマ』これは全て私の『能力』。私は人間ではない、《妖怪》なのだ。本来、人間二人位なら何も言わさず連れ去ることは容易な筈なのだが……時間を無駄にしてしまったな。


  だが、時間をかけたおかげで、やっと念願の3人を手に入れる事ができた。

 

  あっちについて『大会』の話をすれば、少なくとも和成君は必ず乗ってくれる筈。そうしたら、これから始まる幻想祭がヒートアップしていくに違いない。


 

  「ふふふ……これから楽しくなりそうね……」



  思わず笑みがこぼれてしまう。大敗した1on1から、どこまで這い上がって、どこまで強くなってくれるのか、本当に楽しみだ。



「秀君、和成君、そして、光君……




  幻想郷へようこそ……」





 この時、私はまだ知らなかった。



 この3人が私に、不幸をもたらすことを……



 

いかがだったでしょうか?


今回もバスケはしていませんが、これからの展開にとって重大な話になりましたね。(幻想入りしないと東方では無くなりますからね)


そして、最後の一行、見事なフラグが立ちましたね。

一体どんな不幸をもたらすというのか、それは案外早く来るかもしれませんよ?(また更にフラグが建設されました)


そして、Twitterのお話です。

フォロワー様が250人を突破し、もう少しで260人を越えるところまでやって来ました!

こちらのTwitterで宣伝活動をしているのですが、僕に直接「読みました!」と送ってくださる方がいらっしゃったりと、数々の嬉しい事がTwitterで起こりました。


Twitterで知ってくれた方々、元から知って下さっていた方々、本当にありがとうございます。

改めて、これからもこの作品をよろしくお願い致します!


次回

ついに光が登場!!

秀達の幻想入りの経緯が、八雲家の口から語られる……




是非ご覧ください!!

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