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現場。「透明人間」

長くなりそうだったので先に一部を投稿します。


日村進が学校に来たのに直接的な考えがあったわけでは無い。


そもそもこの常識はずれな事態に常識的な対応、答えが存在するわけが無いのだ。


よって日村進が学校に来たのはただ単に気まぐれ的な要素が大きかった。


しかし、


「どぅしよう?」


学校に来たからといって、何か答えが存在するわけが無いのだ。


よって日村進は寂しく人気の無い校内をブラブラ歩き回っていた。


そのまま『今日』が終わりまた新しい『今日』が来るのか?と考えていた進は足を止めた。


『今日』は核心があって行動していた訳では無い彼が核心を持って行動するのは実に久しぶりな事だった。


彼が足を止めた理由。


それは人の声だった。


話し声では無い。


それは叫び声。


腹の底からでるような、まるでそう。


悲鳴のような声だった。











ちくしょう!!


なんだよ!!


何が起きてんだ!?


いつものようにアイツをいじめるつもりが、何でこうなった!?


「おい」


「ひぃっ!?」


ヤバい!!


他のやつらはどうなった!?


体が持ち上がる。


まるで何者かが俺の体を持ち上げているようだ。


何が居る!?


俺とアイツの他に目に見えない透明人間がいるようだ!?


「あ、が……熱い!」


何者かが何かを体に押し付けている。


接触した場所が異様に熱い!


服が焦げ、皮膚を破り、肉を燃やしていく!?


そこで意識が途切れた。


途切れる寸前、教室に誰かが飛び込んで来るのが見えた。











日村進は何も正義の味方という訳では無い。


争い事に首を突っ込むタイプでは無いし、喧嘩も得意では無い。


しかし彼は今悲鳴の上がる場所に向かっている。


これはただ単に日村進の興味本意から来る、自己満足によるものだった。


そして興味本意は時に災厄な事態を呼び込む。


日村進が目にしたのは教室で、行われていた残虐な現場だった。


数人の生徒が倒れこんでいる。


彼らは皆、体の一部が焼け爛れ気を失っていた。


(なんだあれ!?)


さらに異様なのはこの現状を作り出したであろう人間がまさに最後の一人に何かをしていた。


問題はその人間の特長だ。


後ろに控えている人間は特に変わった特長はない。


しかし、もう一人、今まさに一人の生徒を持ち上げている人間は違った。


服装は学生服を着崩し、表情はニヒルに笑っている。


そして何よりも印象的なのはその両手だ。


その人間の両手は手の甲に水晶が嵌め込まれ、十本の指先には赤々と灯りが灯っている。


まるで火を付けた煙草が指になっているようだ。


異様なそいつは持ち上げている生徒に、その指先の一つを押し当てた。


「あ、が……熱い!」


ジュウ、と何かを焼く音が聞こえ指先が触れた箇所から煙が上がる。


その行為はまるで煙草の火を押し当てる根性焼きによく似ていた。


しばらくして、身を震わせていた生徒はあまりの熱さに気を失ったようだ。


糸が切れた人形のように動かない生徒を異様な人間はただニヒルな笑みを浮かべて眺めているだけだった。


しかし


「お前……誰だ?」


後ろに控えていたもう一人の人間がこちらを見た。


その時初めて日村進は気がついた。


彼等の顔が瓜二つであることに。


自分が教室に入っていた事に。


自身の身に危険が迫っている事に。







次回からバトルが始まります。


では!

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