表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

違和感。「今日は何日ですか?」

第1話です。こんな感じで書いていこうと思っています。

日村進は一般的に言えば普通の男子高校生だった。


7月19日までの話だが。


違和感を覚えたのは朝のニュースを見た時だった。


「月見町では本日、運転が開始する近未来型の電車『ネクスト』の式典の準備で駅前は大変な賑わいを見せています」


進は視線を一瞬テレビに向けた。


テレビには見慣れた駅が生放送で写っておりキャスターの言うようにいつもの落ち着いた駅前と違い人でごった返している。


「……ありゃ?」


どこか見覚えがある。


それが彼の感想だった。


画面の端から端に歩く人の服が昨日と似ている様に見えたのだ。











「行ってきまぁす」


彼は靴を履き振り返った。


「行ってらっしゃい~」


そこには眠たそうな目を擦りながら自分を見送る母の姿が。


進には父親が居ない。


死んだわけではない、詳しくは話してくれなかったが進が幼い頃に行方不明になったらしい。


何でも常にトラブルに巻き込まれる体質らしく、母曰く


「どこかで人助けをしているんでしょ」


らしい。


進の母は強い人で女手1つで幼い進を育て今でも仕事で帰りは夜遅くなる。


しかしいくら帰りが遅くても、睡眠を十分にとっていなくとも進の出迎えは欠かさず行うのだ。


これは日村家の家訓の1つで出かける時の挨拶は必ず行うようになっていた。


今現在は学校に行く進が、行ってきます。それを母が行ってらっしゃい。と言うのが定番になっている。


「また残業?」


「まぁねえ~」


気の抜け過ぎている母を見かねて進は声をかけた。


「気を付けてね、昨日も残業だったんだから」


「何を言っているの?」


「ん?」


「昨日は早番で一緒に夕飯食べたじゃない」


「それ一昨日の話だろが」


「ありゃ?そうだっけ?」


「たくっ…」


この時進は母が寝惚けているのだと思っていたのだった。










進が違和感を核心したのは登校中の出来事だった。


目の前で事故が起きた。


信号機を無視した車が反対側からくる車と衝突したのだ。


幸いスピードが出ていなかったのと、打つかり所がよかったのか死者が出る事はなかったが、進には衝撃が走った。


(僕はこの事故を知っている!!)












目の前で事故が起きた!!


赤い車が白い車と衝突したのだ!!


問題はそこじゃない!!


僕はこの事故を昨日も見たのだ!!


偶然か!?


偶然に赤い車が白い車と衝突したのか!?


そうだ!!そうに違いない!!


「だ、大丈夫ですか!?」


サラリーマンが車に駆け寄る…


昨日と同じ人だ!!


確か昨日は近寄る途中で転んだ人だ!!


「うわっ!?」


転んだ!?


昨日と同じ様に!


次は赤い車からおばさんが出てくる!!


白い車からは若い女の人が出てくる!!


なんだ?!


なぜだ!?


一体どうなっているんだ!?


昨日と同じ場所で、昨日と同じ車が、昨日と同じようにぶつかる事があるのか?!


『昨日は早番で一緒に夕飯食べたじゃない』


衝撃!!


今朝の母の話が頭を駆け巡る!!


それが起爆剤のように次々に出来事が爆発する。


なぜ母は昨日と同じように玄関に立っていたのか?


なぜ母の寝癖は昨日と同じように乱れていたのか?


なぜ朝のニュースは昨日と同じように流れていたのか?


なぜキャスターは昨日と同じように原稿を読んでいたのか?


それだけじゃない、家からここまですれ違う人が一人一人昨日と同じ場所で昨日と同じ服装で、昨日と同じようにすれ違うのだ!?


なぜ!?


なぜ?!


まさか…


脳裏に馬鹿げた考えが浮かぶ。


あり得ない!!


そんなことあるはずがない!!


「あ、あの……」


僕は昨日と同じように隣に立ち事故を見ていた通行人に声をかけた。


「はい?」


「今日は何日ですか?」


昨日は7月20日。


ならば今日は7月21日だ。


明日から楽しい夏休みが始まって、


幼なじみと海に行ったり、


花火を見たり、


最後の方は宿題をやって慌てたり、


夏の思い出が沢山できるはずだ。


「はぁ…?今日は7月20日ですよ」











こうして僕は2度目のこれから何度も繰り返し訪れる7月20日『今日』を迎えたのだ。




信じられないと思いますが実はこれ、バトル物になるんですよ?


ご意見ご質問ご感想お待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ