安奈編 第八通 オレンジ色の海と空
雅之とメールのやり取りを再開した私は、今日、雅之と一緒に海に来ていた。蒼い海の中には沢山の人の頭が見え、砂浜にはビーチパラソルが複数差してある。潮の香りが風に乗り私と雅之の居る所まで届く。
「やっぱり、人が多いね」
海を真っ直ぐ見据えながら雅之に言った。しかし、雅之からの返事は無い。振り返ってみると、雅之がボーッとしたまま動かずに居る。少し心配になった私は、雅之の顔を覗き込んだ。すると、雅之はビックリしたのか、後ろに仰け反りそのまま尻餅をついた。
「どうしたの? もしかして、眠れなかったとか?」
「まぁ、そんな感じかな」
立ち上がりながらズボンに付いた砂を払いながら、雅之は微笑む。微笑む雅之の姿にホッとした私も、雅之に微笑み返し雅之に聞こえる程度の声で言った。
「それじゃあ……。私は着替えてくるね」
そんな私の言葉に、少々慌てる雅之は私に問う。
「着替えるって?」
その言葉に、私は少し恥ずかしかったが、答えた。
「水着よ! み・ず・ぎ!」
「み、水着!」
驚き大声を上げる雅之。少し大げさだよと、思いながら、私は更衣室に向った。案外、空いている更衣室で水着に着替える。水着を着てみると、何だか急に恥ずかしくなった。それでも、勇気を出しバスタオルを巻いたまま更衣室を後にした。
日差しで暑くなった砂浜をサンダルで歩く私は、雅之の姿を探した。人が多いため、雅之を探すのは大変だったが、何とか発見する事が出来た。
そして、ゆっくり雅之の背後に迫り声を掛けた。
「着替えてきたよ」
その言葉で振り返る雅之の顔に、私は巻いていたバスタオルを投げた。バスタオルは見事に雅之の顔を覆う。急いでバスタオルを取った雅之は、私を見たまま暫く黙り込んでしまった。長い間続く沈黙に私は恥ずかしくなり、体中がカッと暑くなってくる。そして、小さな声で呟く。
「ジロジロみないで……。恥ずかしいから……」
「ご、ごめん」
慌てて謝る雅之は、すぐに目を逸らす。
その後、私と雅之はビーチバレーをする事に……。まぁ、二人でやるのはどうかと思ったけど、何だか結構盛り上がっていた。結果は私の圧勝だった。結構雅之も頑張っていたみたいだけど、やっぱり私の方が体力があったみたいで、最終的に体力の残った私が、疲れ切った雅之を攻め立てた感じだ。
ビーチバレーの後、砂浜に座り込み私と雅之は色々な話をした。海に来て泳がないのは変だと思う人も居るだろうけど、私も雅之も泳げないため、砂浜で話をしているだけでも楽しかった。
沢山話し、時間の過ぎるのも忘れ、気付いた時には海の向こうに、オレンジ色の太陽が沈もうとしていた。私は急いで更衣室で水着を着替えた。着替えを済まし更衣室から出ると、オレンジ色に染まる海と空を見据える雅之の後ろ姿に、私は何故か心がジーンと熱くなる。これが、恋なのかな、何て思いながら私は雅之の隣に並んだ。
海も空もオレンジ色に染まり、とても綺麗だった。きっと雅之も、今同じ事を思ってるんだと、私は感じていた。そして、ゆっくり雅之の前に移動し微笑みながら言った。
「楽しかったね。また、メールするね」
またまた、更新が遅れてしまいました。ご愛読してくださる皆さん、すいませんでした。
あと、評価をくださった皆さん、ありがとうございました。いい作品といってくださる方がいて、書いている僕としては、とても嬉しいです。
頑張ろうと言う評価もありましたが、何処をどう頑張ればいいのか、未熟な僕ではイマイチ分からないので、何処をどう頑張ればいいかと言うのも、聞かせてもらえると、今後に生かせるかと思います。評価してもらってるのに、失礼だと思いますが教えてください。
何だか、一方的に失礼な作者ですが、皆さんも何か治して欲しい事があればメッセージください。お待ちしております。
次回は早めに更新出来る様にします。長々と失礼しました。