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眞匏祗’  作者: ノノギ
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第七十八話 了承を得るために

「騒がしいのはいつものことか?」


響き渡る声に震えたのは何も薪たちだけではない。


「・・・簾乃神様。お姿をお見せにならないのは此方を気遣ってのことでしょうか?」

「ふふ。いや別に。なにぶんそちらに死神の子がいるからねぇ」


悠長なその声に綺邑はひどく機嫌を悪くしているようだった。


 簾乃神は薪のやろうとしていることにどうやら賛同するらしい。しかしやはりどう考えても力が足りない。無論、それは薪だってわかっていること。だから綺邑へ頭を下げているわけだ。


「まぁ、よいわ。諒冥神の審判が下ったのでそれの伝令にと、ここまで来させてもらっただけよ。もとより我らの過ち、謝罪の意味も込めて、な」

「わざわざ申し訳ありません」

「ふふ」


簾乃神はどうにもおかしそうに笑ってその場からその気配を断った。


「今の・・・簾乃神様なんだよね?どうして姿を出してくれなかったんだろう?いつもは出してくれるのに・・・」

「ん~・・・。さっき言っていたんだけどな~。まぁいいさ。さてさて、綺邑様サマ。神の耳にも触れたことですしぃ?」


薪は何かを窺うように綺邑へ視線を投げる。いつも以上にさらに不機嫌そうに綺邑は鼻を鳴らした。


 そんな様子を儒楠はなんとも言えない尊敬のまなざしで見る。綺邑はあくまで死神であって神の末端とも言える存在。それがどれだけ凄まじい存在かは子供でも知っていること。いや、眞匏祗に限るが。そんな存在とこんな悠長な会話を出来る現愨夸は一体なんだと。


 薪は綺邑へ回答の催促を求める。


「・・・・」


薪を睥睨して綺邑はその場から消えてしまった。


「あれ!?返しちゃうの?!」

「さっきあんな必死で止めていたのに?!」


穂琥と儒楠が総突っ込み。薪は一瞬だけきょとんとした顔をして納得したように頷いた。


「いや、返事はしたよ。あれは了承だよ」

「「え・・・・」」


どう考えても無視でしょ、と思うのはどうやら一般の考えらしい。


「さてさて。じゃぁ、ちょっと計画を話しますわ」


薪が仕切りなおすように声を張った。


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