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眞匏祗’  作者: ノノギ
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第四十九話 封鎖された道

 薪が急にソファから立ち上がってひらめいたような表情をしている。


「いや、全然閃いていないから・・・。それじゃ駄目だろう・・・」


それに呆れたように儒楠が苦笑いをする。しかし薪はそれでいいと言い切る。


「よし。じゃぁお前を送るから」

「? なんだ、痲臨はまだ回収できていないのか?」


ず――――――ん。


「え・・・・?」


なにやら重たい空気が薪と穂琥の頭の上に流れる。それに一瞬身を引く儒楠。


「まだ・・・・手に入れていない・・・・」

「え・・・・?お前が?まだ見つけられていないのか?」

「しくじった・・・」

「はぁ!?しくじ・・・?!何してんの!?」


儒楠の大声に少し驚いた穂琥だったが、まぁ、当然かと思う穂琥だった。


 基本、薪は与えられた仕事は完璧にこなす。高校に通っていたときだって記憶が穂琥にはなくて薪を特別に意識することはなかったけど試験は満点であったし、その他の事だって完璧に終える。無論、眞匏祗での仕事も完璧にこなしている。それなのにこの期間があったにもかかわらずいまだに手に入れていないことを知り、儒楠は驚いたのだ。それに痲臨を回収するということでしくじるなど、本来ならやってはならないミスだ。それを犯した。


「おいおい・・・勘弁しろよ・・・?痲臨が相手だぞ?地球にどれだけ有害かわからないわけじゃないだろう・・・。何ミスしているのさ・・・」

「悪い・・・。偽物をつかまされた」

「全く・・・」


薪の少し萎れたその様子に流石の儒楠もそれ以上を言うつもりはなかったようだ。


「回復したら、ちゃんと探すつもりだったから・・・」

「・・・その『回復』って言うのも気になるけどな。お前ほどの奴が一体何があってそんなに酷い扱いを受けることになったんだよ。愨夸だろ?しっかりしろよ」


儒楠の言葉は最もだ。愨夸は眞匏祗の中で頂点に達する存在。決して引け劣ってはならない。


「あ・・・それは私が・・・」

「お前は黙っていろ。オレのミスだ」


穂琥が言おうとした事はもうわかりきっている。だから薪はそれを言う前に否定した。でも穂琥としてはそれも辛かった。いくら、何度もそういわれても。


「・・・なんとなく事情はわかったけど・・・・。さて、どうするかな」

「ま、いい。ひとまず帰れ」


薪の言葉に儒楠はどこか納得がいかないなりに頷いた。


 薪の家の地下。階段を14段下りたところに小さな部屋がある。というかこの家の構造は穂琥には全く想像ができない。普通の家ではないことは確かだと思う。


 そこにある仭狛へつながるゲート。


「さて。じゃぁ、帰るわ。無理すんなよ」

「おう」


儒楠が白く光の集まった中心に立つ。そして帰る為に眞稀を練る・・・その瞬間、光が暴発したかのようにぱっと閃光を逸して儒楠が後ろに飛ぶ。それを素早く薪が受け止める。


「悪い・・・」

「いや」


体制を立て直した儒楠がゲートへと目を向ける。先ほどの白い光は消えている。


「あれ・・・?ちゃんとあけたか?」

「・・・・開けた・・・はずだが・・・」


儒楠の言葉に薪が自信なさげに答えた。


「何故だ・・・?李湖南が原因じゃなかったのか・・・?」


てっきり、あの李湖南が原因だと思っていたこのゲートの封鎖。しかし今もなお、ゲートは閉じたまま。


「な、なんで・・・・?オレは普通にこっちに来られたぞ?」

「・・・おそらく地球から仭狛へ行くゲートが閉じられているんだろうな」

「そんな事出来る奴がいるのか!?」


薪は酷く苦い顔をしていた。それから仕方ないようにため息をついて何とか長夸と連絡を取るといった。


「先に部屋に戻っていろ。状況を解析させる」

「わかった」


薪の言葉を得て、儒楠は穂琥を連れて部屋を出て行く。薪は地面に手を突くと、ふっと眞稀を篭める。そして指先に集まった眞稀を額に当てる。


―ツツツツ・・・・


眞稀が仭狛へ繋がる音がする。


《・・・薪様ですか?》


通常通りの声が聞こえる。薪はそれに是と答える。通信は、つまり称報は出来る。


《すまないな、問題が起きた》

《何でしょう?》

《ゲートが閉じられた》


薪の言葉に役夸は酷く驚いた声を上げていた。そちらのほうでそれの解析が出来るか尋ねたところ、仭狛から地球への解析をしても何も異常が見つけられないと答える。


《・・・・そうか。わかった。まだしばらくそちらには戻る事が出来ない状況になってしまっているが、何とする。だからそっちでも少し調査を進めて欲しい。何かわかったら直ぐに連絡を頼む》

《了承いたしました。くれぐれもお気をつけて》


薪は称報を切る。仭狛からは此方の地球は普通。通常通り。ならおかしいのは一体何か。わからないものだ。薪は頭を抱えてしばらくその場で悩んでいた。


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