第2話 迷走
目が覚めたとき
私は布団の上にいた
「なんだ…夢か…」
しかし周りを見渡すとやけに古ぼけた部屋にいることがわかった
(…?ここはどこ?)
「おやまあ、気付いたみたいだね。良かった良かった。」
奥から着物を来て綺麗な化粧をした女の人がやってきた
「あの…ここは?」
「あんたなんにも覚えてないのかい?うちの前で倒れてたんだよ。見慣れない変な服装して…うちで働くためにはそんな格好許さないよ」
働く?
変な服装?
普通のセーラー服の何が変な服装なの?
何を言ってるんだろう
今時着物来て化粧してるこの人のほうがよっぽど変なのに
…
私は嫌な予感がして外へ飛び出した
そこには見慣れた高い高層ビルはなく
時代劇で見た建物が並んでいた
「ウソ…」
それ以外言葉が出なかった
目を閉じて
必死に記憶をたどる
図書館の屋上で陽太郎の持ってきたレプリカの刀を見ていたら
まばゆい光に襲われて…
ん?
陽太郎…
「陽太郎!」
彼の姿は近くにはなかった
もしも彼も私と同じようにここに来てるなら彼はどこに?
信じられないけど
ここはついさっきまでいた現代日本でない
少なくとも…
タイムスリップって言う洋画は観たことあるけど
これは現実みたいだ
何回 頬をひっぱたいても痛みしか感じない
怖くなって
私は無我夢中に走り出した