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IN THE PARK

作者: 夢野ありか
掲載日:2025/12/21

 桜の木たちは、広大な県営公園の特等席から、日々の出来事を静かに観察している。彼女たちは風に揺れ、太陽の光を浴びながら、テレパシーを使っておしゃべりを楽しむ。まるで熟練のジャーナリストのように、通りすがる人々や、時折訪れる家族連れやカップルを興味深く見守っている。


「見て、あの騒がしい学生たち」と、一番古い桜が言った。「彼らは毎年、この公園で試験のストレスを忘れようとしているのよ」


「ほんと、彼らの笑顔はいいけど、ふざけすぎよ」と、少し控えめな隣の桜が返した。


 柳の木が流れる風に触れ、葉がささやく音が心地よい中、桜たちは日々いろいろな人々と出会う。老夫婦が手をつないで散歩する姿は、今まで見た中で一番の愛らしさだ。カップルが新しい恋を育む光景も見逃すまい。


 ある春の日、桜たちの心が踊る瞬間が訪れた。彼女たちがいつも注目していたカップルが、公園の一番美しい景色を背景に、ついに結婚を決心したのだ。「やった!」と一斉に枝を揺らした桜たち。「花びらの雨を降らせよう!」


 満開の花びらが舞い降る中、カップルはその瞬間の美しさに目を輝かせ、まるで桜たちからの祝福を受けているかのようだった。桜たちは命をかけて咲いた花を誇り、そして彼らの幸せを心から望んでいた。


「こんな瞬間に立ち会えるなんて、私たちは本当に幸運ね」と古い桜が微笑み、周りの桜たちも相槌を打つ。


 そして再び、風が公園を通り抜け、桜たちは新たな物語の訪れを待ちながら、温かい心でそれを享受していくのだった。公園に集まる人々の笑顔や喜びは、桜たちにとってまるで春の風のようなもの。彼女たちはこれからも、訪れる全ての人々を、見守り続けるのだろう。

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