表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/97

第78話~つまり文化祭での勝負(前編その2)~

 まほ研で30分程時間を()()()後――次に私は、生徒会長執務室のドアをノックした。


「……何をしに来たの?」


 氷よりも冷たい、親友の対応。

 本日のアケビは、普段の数百倍は忙しいそうだ。


「いやぁ。午前中は暇なもんだから、生徒会長様のお手伝いでもしようかと思って……」


「気持ちは嬉しいけれど、貴女に頼める仕事はないわ。家畜小屋にでも行ってみたらどう? あそこの()()()なら、何時でも話し相手になってくれるじゃない?」


「『今は清掃中だ!』と、飼育クラブの先輩に追い出されたわ。小屋掃除なら私も頻繁にしているし、加勢するをつもりだったけれど『汚れをつけて、フロレンヌには返せない!』そうよ?」


 飼育クラブの副長とフロレンヌがお友達なので、私は動物達との会話を楽しむ事なく、校舎へ戻っていたのだ。


「あら、そうなの? でしたら教室……には、()()()()わよね」


 アケビの言う通り、そもそも自分の教室に『居場所がない』から、暇を持て余していた。


 フロレンヌが在籍するクラスの催し物は必ず『花』関係と決まっていて、フラワーアートの会が『展示会(私のドレスも含む)』で使用する草花を、ブーケやリース等に加工して販売している。

 クラブ賞(受賞確実)との相乗効果もあって、毎年のように売り上げがトップクラスだと聞いた。よって今頃、私のクラスは多忙を極めているだろう。


 だからこそ……フロレンヌや私が教室に居ると余計に客を集め、現場に混乱を招くらしい。


 フロレンヌはフラワーアートの準備があるので問題ないが、何もない私は暇人となった。



「……失礼しますっ! 会長、追加搬入の確認をっ!」


 執務室の外から、生徒会員の声が聞こえる。


「ええ。直ぐに向かいます」


「……邪魔をしたわ。頑張ってねっ!」


 私は空気を読んで、撤退するしかなかった。


「貴女もあまり無理をしないで、()()()()()()小まめに摂りなさいよ?」


「うん、ありがとう」



 (さて……これから、どうしよう?)


 これといった策が浮かばないので、とりあえず校内を散歩してみる。


 去年の『使用人サロン』を期に、今年は各クラスが催し物にかなり力を入れていた。

 様々な形態の喫茶店や、ダンスレッスン、模擬カジノ? まである。


 活気に溢れる校内。

 私の気分も自然と上がる。


 (……でもなぁー)


『午後に向けての()()調()()で、みんな忙しいのよ!? くれぐれも、他のクラスやクラブの邪魔をしないでね!』


 生徒会長からの()()を思い出す。


 既に『文化的交流会=文化祭』は開催中――勿論お客も迎えているが、本番は他校の生徒や王族が訪れる午後だ。


 ()()()人気者のライリー・キュラス(私)が各クラスに顔を出せば、それだけで『商売の妨げになり得る=午後にもそれが影響する』ので、遠慮しなければならない。


 因みに……王族からの来賓は、ブレイムとエデル。

 一応手紙でオブジュ王太子もお誘いしたが、見事に既読スルーされた。


 

 

「失礼しまーす」


 返事のない医務室。

 悩んだ挙げ句、私はあえての『静寂』を求めた。


 学院専任の医師や看護師は不在。


「……うーん、こんな時は少し寝るかな?」


 話し相手がいない(妖刀(せつな)は寝ている)為、仕方なしにベッドへダイブする。



 (清潔な匂い……)


 それは遥か昔に、病院で嗅いだものと同じだった。


 懐かしいけれど……『死ぬ直前』を思い出す。

 ()()()()()()の前世で、私は交通事故に遭った。

 重体でもギリギリまで生きようと粘ったが、1ヶ月後に『帰らぬ人』となってしまう。



「まあ……あの時の『選択(行動)』に、()()はないけどっ! ふぁぁぁ、おやすみなさい」


 窓から流れる乾いた風に、主張を抑えた柔らかい日差し……私は、少し遅めの二度寝を堪能する事にした。

次回、第79話~つまり文化祭(中編その1)~

14か15日に投稿予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ