第14話~教室の怪~
(づがれだぁぁぁぁぁー!)
歴史、薬草学、初見の数式、詩の解釈、フラワーアレンジメント等々……慣れ親しみ皆無な講義内容に、脳が沸騰寸前まで追い込まれた。
「ライリー……ライリーッ!」
「……へっ!?」
「ちょっと、大丈夫!? 貴女今、白目を剥いていたわよ!?」
アケビの言葉(小声)で、我に返る。
いつの間にかホームルームも終盤に差し掛かっていた――。
「……私からは以上です。では委員長、どうぞ」
丸眼鏡を掛けた少し気難しそうな担任が、委員長を呼ぶ。
それに反応をしたのは『アケビ』だった。
意外でも何でもない――。
彼女以上の適役は他にいないだろう。
「はい。ありがとうございます、先生」
勢い良く立ち上がり、スタスタと歩く委員長。
(アケビ? 何だかやたらと気合いが入っている様な気が……)
教壇に立った彼女は、クラスメイト(私達)を見据えた。
「本日は来月末に行われる『文化的交流会』の出し物を決めたいと思います。どなたか提案はありませんか?」
(文化的交流会? 前世でいうところの文化祭みたいなイベントかしら?)
「……」
アケビの問い掛けに、誰からも返答はない。
教室内は不気味なほど静まり返っていた。
聞こえていないのか? それとも興味が無いのか? は知らないが、ほんのちょっと腹が立つ。
「委員長! 昨年は各クラスで何を行いましたっけ? すっかり忘れてしまいましたわ」
わざとらしく質問(参加)をしてみる。
するとようやく声が聞こえ始めた。
(これで少しは『話し合い』になるかな……)
「確か昨年は『菓子作り教室』に『骨董品の品評会』……後は『流行ドレスの展示』と『花を題材とした詩の朗読会』でした」
(うーん……地味っっ!)
いかにも貴族のお嬢様方が考えそうな内容だ。
特別な縛りでもあるのだろうか?
ちっとも心が動かない。
前世の文化祭の方がまだましだ。
「前回の内容とはまた違う催し物を今回こそは、皆さんで決めて欲しいと思います」
明らかに表情が固い、委員長のアケビ。
(『今回こそは』? 前回は何があったの?)
その答えは直ぐ明らかになった。
クラスメイト達が教えてくれたのだ。
「……でもやはり私達より優秀なアケビさんの方が、素晴らしい案を出せるのではないかしら?」
「そうですわ! 前回の合唱コンクールでもそれで賞を頂きましたし、委員長にお任せをすれば安心です」
「私も同感ですわ!」
「私も!」
他人任せで、中身の無い意見ばかり。
『あぁ、この感じ……嫌いなヤツだ』
そう思いつつも『時間ロス』を懸念した私は、黙って成り行きを見守る事にした――。
次回、第15話~家庭内格差(アケビ・モンドリリーの野心その1)~
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