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第11話~『SSR』と『LR』~

 休日の昼下がり――。


 1人を除き、皆がソファーへ座る。

 長くなりそうなので着席を促したが、クガイには『護衛』を理由に断られた。



 そこから約20分強。

 反省というよりほぼ私へのダメ出しを終えた後、()の分析に入る。


「これがフロレンヌ嬢だ! 誰か彼女の詳細を知らないか? 忙しくて調査ができなかった」


 妖精仕様のヤプが、対象人物の顔写真を出した。 


『うっっ!』


 単色ですら、眩しく感じる……。


 カードゲームやガチャでいうところの『SSR(スーパースペシャル・レア)』もしくは『UR(アルティメット・レア)』だ。


「ユーセはどう? 何か知ってる?」


 貴族の情報に一番強いのは、おそらく彼女だろう。


「はい。ごく一般的な内容程度ですが……」


「構わないから教えて!」


 ユーセから得た、ライバルのステータスはこうだ。



『フロレンヌ・ベイロッサ (17)』


 顔面 絶世レベル――負け

 身分 伯爵令嬢――分け

 頭脳(教養) 超優秀――大差で負け

 スタイル 良き――ギリで分け

 性格 すこぶる良き――負け



「……無理ね」


 ネムが判定結果を伝える。


「まっ、まだ『決まってない』し! 勝負はこれからよっ!」


 昨夜の舞踏会では、王子とライバル令嬢にあれ以上の進展はなかったらしい。

 フロレンヌ嬢が家の事情とやらで離脱をしたからだ。


 ともあれ、結果は私の惨敗。

 計画(物語)をより忠実に再現させたのも、残念ながら彼女の方だった。


「だったら教えて。何処か1つでも勝てる所があるの?」


「あるっ! ()()()()なら、きっと負けないわ!」


 舞踏会の一件から、それだけは確信していた。


「……」


 黙る一同。


 私のシュートを『素敵です!』と言っていたユーセまで同じ反応な事を踏まえると、どうやら伯爵令嬢の恋にはまったくもって必要の無いスキルらしい。


「ヤプ、何とかしてっ!」


「また凄い丸投げっぷりだな……まあとりあえず復学でもして、フロレンヌ嬢の詳細な情報でも集めたらどうだ? ()を知らないと動けまい」


「復学? 『学校に行け』って事? 何の?」


「歴史や芸術、文法に数学や礼儀作法等を学ぶ場所だ。前のライリーは体調不良を理由に、1ヶ月間休学をしていた。本当のところは転生の準備で、学校へ行く暇が無いだけだったが……」


「……」


 下を向くネム。


「貴族って、家庭教師を雇うわけではないのね」 


「その教師の数が昔から足りないんだよ。学校があれば解決するだろ?」


「それはそうだけど……呑気に学校なんて通っている場合かしら? それこそ時間の無駄にならない?」


 せめてフロレンヌ嬢に『裏の顔(悪役令嬢を希望)』とか? 『彼氏あり』とか? そんな嬉しいサプライズがあればいいのだが。


「行けば? 礼儀作法や教養は令嬢どころか、一般国民よりも全然足りていないし、王子やフロレンヌも通っているだろうから、屋敷に籠っていればいるほど、()()()()が開くだけよ」


 デレなしツンツンな、少女(ネム)の助言(半分八つ当たり)。


『でも鋭い』


 言葉に無数の刺はあるが、的確な意見だ。

 それに……。


「王子も学生なの!?」


 お茶を淹れたばかりのユーセが答える。


「はい。この国の貴族には、6才から20才まで『学びの義務』があります。王家も対象なので、()()になるブレイム殿下も、まだ学生です」


「学校へ行くわ! クガイ、手続きをお願い!」


「はい。承知しました」


 幼・小・中・高・大――学生マスター(前世ではごく普通)の私。


「やるわよっ! 最高のスクール()()! 敵が『SSR』なら、こっちは『LR(レジェンド・レア)』になってやる!」


「……よく分からんが、()()が早くてなによりだ」


 ヤプの感想を聞いたところで、第1回・反省会&作戦会議は、幕を閉じた――。

次回、【第二章】罪深き学園の過去と魔法研究クラブ

   第12話~再会~

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