夢で神のお告げを聞くために!
外は寒くて、今日は木枯らしが吹き荒れていた。
こんな日は、私は目を輝かせて、いつもより早く晩御飯を済ませる。
そして長めにバスタブに浸かる。
もちろん、入浴剤は必須!
こんな日は、ハーブの香りよりも、温泉の匂いの方がいいので、温泉の素を入れて温まった後、
ワクワクしながら部屋へ向かう。
そこには私に反発する、敷布団 様
と
私を優しく包む、掛け布団 様
がいた。
2人の愛は強く、いつも一緒だけど、嫉妬深い私は、2人の間に入る!
敷布団様の少しだけ反発する所に身を委ね、掛け布団様の優しさに包まれると、すぐに夢の中。
目が覚めた。
いつもなら、夢の中でお告げがあるのに…
今日は何のお告げもなかった…
と思ったら!
掛け布団様が私の足元で小さくなっていた…
敷布団様との仲を嫉妬して私から離れたのかしら?
2人の力がないと、お告げが聞けないのよ!
私は掛け布団様を優しくたぐり寄せると、もう一度、その優しさに包まれた…が、掛け布団様は冷たかった。私の熱が冷めて冷たくなっていた…。
私の力でもう一度、掛け布団様の熱を取り戻す!
そう誓って、しばらくで私への熱を取り戻せた。
その事に安堵して、また神のお告げを聞くために目を閉じた。
神のお告げは、来年の五穀豊穣を願う内容だった…
だってお告げの最後の方には、パンの香ばしいにおいがしたもの!
そう言って聖女様は起きてきた。
ここは聖女様が暮らす修道院。
朝焼きたてのパンを頬張りながら、聖女様は
「五穀豊穣かぁ。なら、この荒れた土地でも作物が育つのかしら?五穀豊穣なだけに試してみる?」
と笑っていた。
聖女様のお告げが必要ないほど平和になった我が国では、聖女様の暮らす修道院への予算が増えない。
今日も貧乏暮らしだけど、聖女様は楽しそうに笑っていた。