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01

 暗い夜道、気温は低くは無いが、吹き付ける夜風は少し肌寒い。しかし、寝ぼけ気味な頭で考え事がしたいといつもより前の駅で電車を降りたのは自分だと思い出し、思い直して、歩き出して、すぐ止まる。


「このままじゃ、寝る!」


 隣の自販機によく分からないがたまに出る、妙に切れがいい動きで97度のターン。エナドリを買って一気に飲み干す。少しそのままの姿勢で止まっていると。


「何してんだよ俺?これ、完全に不審者じゃんフラフラして、ターン。エナドリをなんか変に飲む。ほんっと、何してんだろう…、そもそもなぜ降りた?って言うより今何時だ?」


 そう思いながら、時計を見る。深夜0時過ぎ、まだまだ深まるばかりの時間。眠りも、楽しみも、()()()


「コレ、寝れないヤツぅ…。駅の、とは言え、トイレで爆睡…。風邪薬は家で飲むべきだった?これじゃ明日の仕事、仕事かぁ…。」


 特に何が得意でもない。それは、誰かに秀でるわけではないと言う事も含む。それは、出来ない事や、遅い事を他人に、自分に分かりやすくする人もいる事も表す。当然違う人もいる。むしろそっちの方が多いのかもしれない。だけど、


「今日も出来なかった…。」


 少なくとも、今自分にとっては()()()()()()()()()


 こうゆう時は


「気分変えよう!え~と、ファンタジーかSF、出来ればロボ!何か良い感じのアニメか小説、出来ればゲーム!」(小声)


 そうして、自販機の前の袖ビームに腰を預けて、上がってきたスマホの検索結果に胸躍らせる事三十分


「いい加減帰るかぁ~。はぁ~。」


 そう言って、腰を上げて振り返る


「ばぁ!」


「うわぁ!」


 誰も居ないと思っていた為驚いて、車道に尻もちをついた…。







 これが一年程前の事。


 それから一年後の今日。二人してあの日の交差点で死にそうになってる。


 嫌な事や、考え事、照れたりすると上を見る。そんで、ちょっと照れ臭い考え事で上を見て歩いていたら、上から物が落ちてくるんだよな…、見間違えでなきゃ隣の信号待ちで()()()()()()()()()()()()()()

 逃げようとして、「みんな逃げろ!」とか叫びながら逃げようとしたら、()()()が張っ倒されるとか、ふざけてるよ。そんで倒した奴は一目散に…、逃げようとしてこけてんの。多分そんな気配だけ感じてた。で、あいつを起こそうとするじゃん?けどさ手を掴んだと思ったら引き寄せると大体同時に、視界に落ちてきた看板?が目に入るんだぜ?どうしようもなかった。それで「生きて・・・・・・」なんて言われたわけだが、後ろ聞こえんかったけども。


 そして、爆音と爆風を感じて気がついたら何処此処?なんかぼろ布一枚たぶんだし…?()()()()()()()


 見渡す限り砂だらけ。人工物が見当たらない右も、左も、前も、後ろ…、斜め上!なんか伸びてる!


「仕方えねぇ!一丁探してから行きますか!」


 ぺちん!!


「ぺちん?」


 そういや、俺の声、高くね?それに、俺は今、気合いの入れ方として自分の頬を力強く叩いて………?


 その時、上げた手からハラリと布が落ちる。


「うわーおててって感じ、もしかして…と、あんよってサイズ感だああぁぁあ!?………?、??(う⤴っそ⤵)だろ、おい!息子がリトルモンスターに!?」


 クソ!こんな状況で諸々サイズが小さくなるとか冗談じゃねぇ!まさかアイツまでサイズダウンしてんじゃねぇだろうな?尚更見つかんねえぞ!アイツは何処だよ!?


「おい!何処だよ!?どこに居んだよ!?返事しやがれ!」


 俺はそう叫びながらそこらへんの砂をやたらめったら掘り回る。しかし、あいつの姿は無い。


「くっそ、んぁー、手が、ッちーなくそ!こうなったら探す範囲広げねーと!取り敢えず少し上に上がって周り見てみねーと。他で埋まってたらどうしようもねーぞ。」


 そうして、俺は、少し高い方、何かが伸びてる方に向かった。しかし、


 ()()()()


 後ろでナニカがひび割れるような音がした。


「なんの、音だ?いや、それより今は逃げいや、探―――


 その後すぐに、パリン!みたいな音とズザー!っと音がして、砂が流れ、いや、落ち始めた!


「はっ!?ふざっけんな!」


 そう言いながら、俺は砂に追いすがる。しかし、


「死ぬ気か馬鹿!?」


 そう言いながら、俺の首根っこを誰かが掴む。


「ば、放せ!早くしないとあいつが落ちる!放せ!」


 そう言って俺はどうにか離させようと手足を振り回して暴れ回る!


「諦めろ!今更お前が向かってもどうしようもない!死ぬだけだ!良いから静かにしてろ!死にたがり!」


 そうしていると、更に後ろから、近づいてくるホバー音と共に声が掛かる


「おい!そのガキどうしたんだ!?しかも、とっくに穴が開いてやがるだと?どうなってやがる!アイシャ!?」


 そう驚きと焦りが溢れる男の声がする


「それは、こっちのセリフだバカンド!ここの封鎖はお前の所の仕事だろうが!こいつの連れが()()()!取りあえずこいつを引き受けてホバーからフライトに変えろ!お前まで落ちる!」


 そう言い終わるが早いかアイシャと呼ばれた奴は俺を後ろに放り投げる


「わっ!?」


「っの、くそアマ!?」


 その行動に驚いた俺は、声を上げ、バカンド?は悪態をついた。そして、


 ゴン!!


「んくぅ!」


「「あ」」


 大きな衝突音を鳴らしながら俺は、何かにぶつかり、気を失った。






「ーい」


 何だ…?


「お―」


 なんて言って?


「お―!」


 いや、俺は?


「おい!」


「は?そうだアイツは!?」


 アイツは何処だよ!?それにここは!?


「っつ!」


「はぁ、起きたか坊主。取り敢えず落ち着け、お前の大事な奴の事も教えるから、な?」


 そう問いかけるのはさっきバカンドと呼ばれていた奴の声…たぶん


「えっと、バカンドさん?あいつは?」


 そう恐る恐る問いかけると青筋おったてた細目のおっさんの後ろから弾ける様な笑い声が聞こえた


「ひっひひひひ!あははははははははははは!!ゲホッ!ゴホッ!っひー、あははははは!!あー、よかったじゃない!あんた、とうとう初対面のガキにもバカンド呼びされてるじゃないか!あー、腹がよじれるわ!」


 後ろで笑い転げていた女性が笑い終わる成り喧嘩を売っている。やばそうなので訂正


「すいません。たぶんそちらの方がアイシャさんですよね?アイシャさんが呼んでいたのでそう呼んだのですが、間違っていましたか?」


 そう再度問いかけると、アイシャさん(仮)の笑い辺りから上がっていった分くらいはバカンド?さんの怒りが鎮まった様で、すぅー、っと息を吸って吐いて、も一回吸って再度口を開く


「仕方が無い事、と考えよう、今回だけは許す。俺の名前はカーン。カーン・ドウン。家名の方なら言い辛いだろうからドンか、ドンさん。名前ならカーンかさん付けで呼べ。バカンドとは呼ぶな。決してだ。分かったな?」


 何だかすっごく気にしてる。これめっちゃ気にしてるやつだ!茶化したらヤバイ


「は「つまんない事言ってんじゃないよ?バカンド!愛称で呼ばれてるなんざそれだけ身近って事なんだ。顔のしかめっ面でみんな寄ってこないんだから、新しい知り合いとの距離位縮めときなよ!あ、それとガキ!さんなんてこそっばゆいから、あたしの事は気軽にアイシャ様か、アイって呼びなよ」


 そう被せて唐突に喋りだすアイシャさん。しかし、カーンさんは納得していない様子だった。


「おい、くそアマ。何をふざけたこと言っているんだ?お前の言う愛称は俺にとっては、いや、普通の感性じゃぁ貶してるんだよ!それと、顔としかめっ面って重ねるな!普通に考えればおかしいだろ?どれだけ俺の顔面が問題だと言いたいんだ!?さらに言えば、人が離れるのはお前のせいだ疫病神!」


 ヤバイ、コレ、脱線が終わんない奴止めないと。そう思って立とうとすると、扉が開いた


「静かにしないか!?こんの馬鹿ども!!ここは病室だよ!!喧嘩なら他所でしやがれえぇぇぇ!!」


 そう叫びながら(体感、今日一の大声)白衣っぽいのを来た熊みたいのが入ってきた。そして、その後ろから、音も無くズレた同じく白衣をまとった女性が手に持った分厚い本を振りかぶり、


「てめぇの声が一番デケェンだよクソ亭主。」


 そう底冷えするような声で囁いた後、振り下ろした。不思議と音はしなかったが、その直後におおよそ二メートル越えと思われる熊の様な奴が膝から崩れ落ちた。その様子にいつの間にか震えていた。すると、崩れ落ちた男の事はまるで無かったかのように、女性はこちらに寄ってきて、俺を抱きしめて頭を撫でた。


「ごめんなさいね?僕?怖い思いさせて?あの人も馬鹿みたいに大声出すし、この二人も心配だからって言うから居させたんだけど…。仮にも数針縫って気絶している子供の病室で騒ぐ程常識無しだとは、思わなかったのよ。ごめんね?」


 いや、あなたが一番怖かったんですけども…。その本音は俺の口から出る事は無かったが、別の所から出た


「いや、クーネ姐さんにビビってるんじゃ?」


 その一言が耳に届くと、少し抱きしめる力が強くなって、顔が上げられなくなった。


「アイちゃん?何か…言った?」


 その声色は、先程とはうって変わってとても優しそうな声色だった


「ひゃ、ひゃい!姐さんは天使です!」


 そう答えると、腕の力が弱まった


「や~ね~!アイちゃん!私は職業柄優しいだけで、天使なんて言われるような女じゃありませんよー!」


 その反応にホッとしたような空気が流れる。


 そして、ある種当然の質問がなされた。


「そういえば、()()()()()()()()()()()()


 その問いに答えようとしておかしな事に気づく。名前が出てこない。俺のも、あいつのも


「俺の、名前は!え?何でだ?思い出せない!?俺の、あいつの!そうだアイツは!?アイツは何処に!?」


 その言葉にクーネさんは不思議な事の様に首を傾げる


()()()()()()()()()()()()()()()()


 その言葉に俺が反射的に二人の方を見ると、二人は眼を逸らす


「嘘だ、そんな…、嘘だ。嘘だ、嘘だぁぁぁぁぁ!!あ…」


「ちょ、僕!僕!?アイちゃん!そこの馬鹿起こして!はや――――――」


 そして、俺はもう一度気絶した。

キャラクター設定~ライト版~

主人公(前)

性別 男

身長 178

見かけ 中肉中背、黒髪、隈が出やすい、若干猫背


アイシャ

性別 女

身長 168

見かけ ボンキュッボン、緋色の髪


カーン ドウン

性別 男

身長 188

見かけ ゴリマッチョ、細目、茶髪、


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