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36話 エリーゼとフレデリカ

「マジですか? その人がドラゴンさんなのですか」


島に戻り、人の姿となったフレデリカを紹介したところで、ドラゴンと知りみんな驚いていた。


「急な訪問にもかかわらず住む場所までご提供頂けるとのこと、誠にありがとうございます。住まわせてもらうからには私もゲートの管理をお手伝いしようと思っております」


「いや、ちょっと待つです! ドラゴンさんが門の管理しちゃうと、エリーゼが首になってしまうですよ!」


なるほど、無理にエリーゼを育てなくてもよくなったということか。フレデリカが門の管理をすればエリーゼの役割は限りなくゼロになる。


とはいえ、エリーゼの役割は政府との繋がりもあるのでそれだけではないのだけど。


「安心しろエリーゼ、政府とドロップアイテムを交換する間は、名目上、ここに魔法省の支部が必要だからクビにはならない」


「つまり、特に仕事はないけど島に飼い殺しにされるですね! 実質的ニートじゃないですかー!」


「働かなくてもいいのに喜ばないなんて贅沢な奴だな。そもそも今までも働いていたとは言えないんだが。むしろ、こちらがかなり手伝っていたという気がするぞ」


「そ、それは、確かにそうなんですけど……」


「だが安心しろ、少なくてもエリーゼが一人でも問題なくイフリートを倒せるようになるまでは育てるつもりだ。フレデリカも戻ることを諦めたわけではないからな」


「ボ、ボスぅ……」


フレデリカもサラマンダーやイフリートを倒すことが全く辛くないこととは思えない。


少なくとも、精霊たちに頼まれてこの世界に来たのに、その精霊たちを倒す役割を与えるというのは可哀想なことだ。


「フレデリカも無理はしなくていいからな。門の管理は僕とエリーゼが基本的にやる。気が向いた時や、どうしてもお願いしなければならない時だけでもこちらは十分助かる」


「ありがとう藍之助。でもね、できる限り門の近くにはいたいと思ってるんだ。戻れるチャンスは門のそばにいないと生まれないはずだからね」


「うん、了解した。今日のところはうちでゆっくりしていってよ。フレデリカ用に家も用意するつもりなんだけど、ずっと人型でいられるものなのか?」


「人の姿でいることは全く問題ないよ。何から何まで本当に感謝する。あれかな、魚とかいっぱい採ってこようか?」


「いや、それだと島の漁師たちが困ってしまうから、違うことをお願いしたいな。例えば、結界魔法とかに明るかったりしない?」


少し考えるようにしてからフレデリカは頷いてみせた。


「そうだね。この島やエビルゲートの周囲に掛けられている結界より高レベルなものを提供することは可能かもしれない。少し時間はかかるけどね」


それはありがたい。もしもエビルゲートから出てくる精霊を一定範囲内に抑えられる規模の結界ができるのであれば、こちらとしても対処するのが楽になる。


というか、ゲートに張り付いていなくてもいいことになるので気が楽だ。言い方はあれだけど、ある程度精霊をためておいてからの駆除が一番好ましい。


「それでは、しばらくは僕とエリーゼの同行をお願いしようかな。あと、サラマンダーとイフリートを倒さなければならないことについてだけど……」


「それは気にしなくていいよ。ゲートから出てきた精霊は全く違うものになってしまっていた。放っておいてこちらの世界に迷惑をかけるわけにはいかないからね」


「話し合いが可能そうな個体については、気をつけていくという方向でいこうか」


「うん、そうしてもらえると助かるかな」


「ふぅー。危うく解雇されるところでしたよ。相手がドラゴンではエリーゼにはどうしようもないですが、運は味方をしてくれているようですね!」


明日からはじっくりエリーゼを鍛えていかないとな。体の改造は順調に進んでいる。次の工程からは魔力量を増やすことだな。丹田をいじめ抜いてやらねばならない。


「エリーゼ、その感じだと体調は問題なさそうだな。明日からはまた厳しくなると思うが頑張ってついてこいよ」


「いぇす、ボス! エリーゼは強くなるためなら何でもやってやるですよ」


相変わらずモチベーションが高いのはやりやすい。それだけ魔法少女育成学校とやらで惨めな思いをしてきたということなのだろう。



その後は、父さんと母さんにフレデリカを紹介して、夕食を共にすることとなった。


ドラゴンであるフレデリカにとっては食事というのは魔力の吸収の意味合いが強い。

微細な味付けや出汁、調味料などを加えた和食には大変感銘を受けた様子で、母さんと星那に弟子入りを志願していた。


「お母上、星那さん、こんな美味しい食事は初めて食べたよ。後学のためにも、ぜひ作り方を勉強させてもらえないだろうか?」


「あらまぁー。では、朝食を手伝ってもらおうかしら。シンプルなメニューの方がわかりやすくていいと思うわ」


「ありがたい。是非お願いします」


何かと律儀でいろいろなことに興味津々なドラゴンだ。


可能であるならば、元の世界に戻してあげたいのだけど、今のところ僕にもどうしたらよいのかわからない。フレデリカも急いでる感じてもないので、気長に探してあげられればとは思う。

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