表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パラレルワールド ~齢17歳の暗殺者は世界に叛旗を翻す~  作者: ふぁなお
第漆章「幾千万ノ死」
60/69

第漆章 7 二回目

7 二回目


 気が付けば、彼は虚空にいた。


 上下左右、縦横斜め、その区別もないマクロでミクロな、ただ黒いだけの世界。

 先ほどの銃撃で受けた傷の痛みも何もなく、脳天から指先までの感覚だけが鮮明で音すらも聞こえてこない。


「……ゆ、り? おい、どこだ、ゆり‼‼」


 彼の叫び声がどこまでも広がっていく。

 走って、走って、走って。

 最果てを目指して駆けていく。


『なあ、彼女すらも守れないのかよ』


 声が聞こえた。

 明らかなる幻聴に彼は叫ぶ。


「……うる、五月蠅い! 俺はやったじゃないか! あんな世界でどう戦える⁉ 無理だろ、僕も他の人も、どうしたって性格がまるで違うじゃないか‼‼」


 心を露わにさせて、彼は響かせる。


『だから、どうしたんだ? おまえ、終わらせるのか?』


 怒りに身を任せるのか、あの誓いを壊すのか。選んでも選びきれない。今まで自分が奪ってきたものを自分で取り返そうとして、数千の死をもたらして、結局戻ってきた彼女の死。


『そこまでの根性もないのか?』


 そうだとも、と彼は心で思った。

 逆に今までできたことが普通で、こなせないのが異常だったのだ。世界に褒められた少年は結局腰抜けなのかもしれない。


『クソだな、じゃあ押しつぶされてでも死んでしまえよ、僕?』


 その言葉とともに世界が光に包まれる。

 神々しく真っ白に輝いた世界は、鮮やかに塗り替わり、彼はまた眼を見開く。



「……ま、じかよ」



 見開いて、行きついた世界は——。





 ——あの小さな食卓の間で、彼女は箸を持ちご飯を食べていた。


 またしても、彼は……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ