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パラレルワールド ~齢17歳の暗殺者は世界に叛旗を翻す~  作者: ふぁなお
第弍章「日常と学園生活」
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第弍章 2「過激派組織カーネーション」

 2 



 8月下旬 北海道 洞爺湖町 とあるお店



「いやぁ……うちのエージェント、あっさりでしたね……」


 薄暗い照明が照らすバーのカウンター席で鼠色のスーツを着た髭男が呟いた。


 マスターはその話を聞き、鼻で笑う。


「笑いごとじゃあ、ないんすよねぇ~……」


 しょっぱい苦笑いで呟いたマスターだが、特に状況が変わるわけでもない。それを悟った彼は、仕方なく反省点を提示する。


「まあ、あいつは油断するような人間ですからね、そもそもの人選ミスでしょう……」


「上の奴らって頭悪いのかな?」


「はは、まさか……」


 髭男はマスターの指摘に対して、


「うちらはあそこで勝とうなんざ思ってないんですよ、むしろここから計画が始まります。あんな細身男の死は、正味、問題にもならないことですよ」


「へ、どうせ僕たちは捨て駒と……?」


 少し本気のトーンのマスターはワイン瓶を静かにたたきつけて問う。


「まさか、そういう意味ではないですよ」


「じゃあ、先の発言は全く違うんじゃないですかね?」


「まあ、明確に違うとは言い切れませんよ」


「明確に違う、ねぇ」


 またしても 重苦しい雰囲気が漂い始めるが、髭男は冷静に言った。


「あそこの現場には、ヤツがいたからなんだよ」


「ヤツ……?」


 マスターはワイン瓶を棚にしまいながら言った。


「ヤツって、誰なんだよ?」


 そこでワイングラスを手に持った髭男は静かに呟いた。


「ああ、B3の最強暗殺者だよ。確か……No,007、通称『漆黒』だっけな……。この世界では有名だろ? 知らないのか?」


「馬鹿にすんなよ、知ってるよ……にしても、まさか『漆黒』がでてくるなんてな……」


「ほんとだよ、リーダーもこいつが出るなんて思ってなかったかもな……」


 そのワインを口に含み、空気と絡めて、鼻から空気を吐き出す。


「まあでもさ、終わり良ければいいんだよ、失敗なんてしてないし、あくまでこんなことは過程さ」


「ほぉ~、まあそっちの話はそっちに任せるからね、とやかくは言わないよ。とにかく、俺たちの夢のためにな」


 そうだな、と一言告げた髭男は席を立ちあがって、置いてあったハットを頭にかぶせて、トイレの看板の方向へ歩き出した。


 看板下の小さなのボタンを押すと何かが作動し、ゴオォォ、と音を立てて壁が動き出す。


「いやぁ、これは何度見ても興奮するねぇ~」


 大きな木の板が左右にゆっくりと開き、真っ暗な階段が姿を見せた。


 にこっと微笑んだ髭男はその階段を下りて行った。


 まるでダンジョン、その言葉がとてもとても似合う薄暗い階段を下りていく。


 二分ほど下ると薄暗く、大理石でできている大きなルームが姿を見せた。


「いやあ、ここもオシャレなとこだな」


 独り言を呟いた髭男はその大きなルームの真ん中を直進し、工場現場にあるような開放感あふれたエレベーターに乗りこんで。


 開と閉のボタンに、上と下のボタン。


 その並んだボタンを開と下の順で押して、エレベーターが動き出す。


 ガタガタと激しさ溢れる音を鳴らしながら約5分、深さにして約50Mの長さを下りながら髭男は鼻歌を交え、スマホを開く。


 設定からマナーモードを指定、そしてすぐに電源を切る。どうやら位置情報を気にしているらしい。


 ガタンっとエレベーターの底を地面にぶつけ、開のボタンを押し、髭男はまたしても薄暗い洞窟のような道を歩き出す。


 曲がりくねった道を歩いて行くと、『関係者以外立入禁止』の看板が書いてある扉が見え、髭男はその扉のセキュリティを解除すると、ギギギ! と扉が自動で開きだした。


 完全に開くと、そこには。


 連続投稿です!

 しばらくこうしてみるかもしれません!

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