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供養 1  作者: Island
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サブタイトルは思いつきませんでした。

 彼はひねくれていた。だが自分が周りからどう見られるかは人一倍気にしていた。要するに、常識の枠をはみ出さないほどにひねくれていたのである。勿論世間にそのような人は沢山いる。彼もまた有象無象の一人に過ぎないのである。

 私は、彼の友達である。私と彼の関係を表すのに友達という単語が正しいのかは微妙だが、今回その議論は面倒くさいので割愛する。この文章は、私による彼の観察日記のようなものである。


 彼はよく言う。「物事を表現する言葉は便利であるが、それはその言葉を適応した途端にそれ以外の性質をきれいさっぱりそぎ落としてしまう恐ろしいものである。」と。あたかも自分が全知全能の神であるかのように、偉そうに語るのである。そこで私がいつも「そんなのみんな知っているが、いちいちそんな面倒くさいことを考えていたら何もしゃべれなくなってしまうじゃないか。まさか自分だけがそれに気づいているとでも思っているのかい?お前は本当にしょうもない奴だな。」みたいな事を言って彼の鼻を折る。そうすると「うるせえなあ」と言って黙り込んでしまう。彼はわかりやすいのである。


 彼は「『理由』なんて単語が存在しているから皆何をするにも理由をつけたがるのだ。もしそんな単語が存在していなかったらどうだい?お前はその眼で『理由』を見たことがあるかい?本当に世間っつうのは馬鹿馬鹿しいよな。」と言う。これも彼のお得意の論法である。そんな彼にはこう言ってやると良い。「君がそんなことをほざいているのも『俺はお前ら世間とは違うんだ!』と言いたいからじゃないのかい?それは君が言う«理由»にはならないのかい?」と。そう言うだけで彼はまた黙り込む。要するに、彼はコドモなのだ。


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