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謝罪と提案 2

「え?・・・・・・なんでここに?」


 目の前に突如現れたフィエゥに対し、シャルロッテは目を白黒させる。確かフィエゥはハヤミに連れられて、クレア・マグノリアの元へ向かった筈・・・・・・。混乱しているシャルロッテに、フィエゥは優しい声で語りかける。


「かわいそうに・・・どうやら先日の私の言葉が、アナタを傷つけてしまったようですね・・・・・・少しお話をしませんか?」






 月明かり差し込む薄暗い部屋の一角、ベッドの上に腰掛けた二人。フィエゥは静かに閉じられた両目をシャルロッテに向けた。


「アナタは、自身が人で無いという事実が恐ろしいのですか?」


 直球なその質問に、シャルロッテは小さく頷いた。


「・・・どうやら、そうみたいなんです。・・・わかってはいるんです。例え私が人間じゃなくたって、マルクやハヤミはきっと私を受け入れてくれる・・・・・・わかっては・・・いるんですけど」


 目の前の女性は、シャルロッテに衝撃の事実を伝えてきた本人・・・しかし不思議と憎しみの感情は浮かばず、自然と素直な感情が口からこぼれた。


 悪い人物ではない・・・本能でそう感じたのだ。


「ごめんなさいシャルロッテさん。私の配慮が足りませんでした。永きにわたって人と接する事無く過ごしてきたので、他人の気持ちを考えるという事が出来ていなかったのです」


 閉じられていたフィエゥの瞳がそっと開かれる。溢れ出た七色の光が柔らかにシャルロッテの顔を照らし出した。


「今の私には、アナタの痛みを癒やす術はありません・・・その役目はアナタの素敵な仲間達が担ってくれるでしょう。今日私がここに来た理由は、アナタへの謝罪と・・・そして警告と提案をしにきました」


「警告と・・・提案?」


 フィエゥはコクリと頷く。


「アナタ方が従っている自称魔神・・・クレア・マグノリアは危険な存在です。口では魔神の復活を阻止すると言ってはいても、その真意は計り知れない。仮に魔神の復活を阻止するという話が本当だとして、魔神がいなくなり、強敵がいなくなった世界を悠々と支配するつもりかもしれません」


 彼女の真剣な口調に、シャルロッテはゴクリとツバを飲み込んだ。


「そこで提案です、シャルロッテさん。アナタと、アナタのお友達二人、私に協力してくれはくれませんか?」








 終わりの時は迫り来る。


 それぞれの思惑を持った戦士達の、世界の命運をかけた戦いが始まる。







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