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邂逅 2

「アミュレットの守護者・・・ね。初めまして、アタシは魔神クレア・マグノリア。よろしくね」


 クレアの自己紹介を聞き、フィエゥは何か含みを持った微笑を浮かべる。


「”魔神”・・・ですか。私が死のアミュレットの守護者であると知りながら、魔神を自称するその胆力には素直に感服です」


「何か文句でも?」


「いいえ、何もありませんよ。魔神クレア・マグノリア。私はアナタに関して、何も思うことはありません・・・今、私がこの場に来たのは、そんな話をするためでは無いのですから」


 クレアはフンと鼻を鳴らすと、いかにもなわざとらしさでニコリと満面の笑みを浮かべた。


「・・・そう、じゃあお客様をいつまでも玄関で立たせているのも何だし、そこにお掛けになって待ってて、お茶くらい出すわ」







 クレアの入れた手製のハーブティーの香りが部屋中に立ちこめる。小さな丸テーブルを囲うようにして対面するクレアとフィエゥ、そして速見・・・。


「ご主人様よ、この場に俺までいる意味はあるのか? できれば俺はシャルロッテの側にいてやりてぇんだが・・・」


「そういえばマルクくんと、シャルロッテちゃんの姿が見えないわね。二人はどうしたの?」


 クレアの言葉に眉をひそめて押し黙った速見の代わりに、側で優雅にハーブティーをすすっていたフィエゥが口を開く。


「シャルちゃんは少し宿屋で休んでいます・・・私が少し、酷なことを言ってしまいましたので」


 その言葉に、ますます速見は不機嫌そうな顔をする。そんな速見の様子をチラリと見て、クレアは何かを悟ったように片眉を上げた。


「酷な事・・・ねえ。ああ、だから下僕がこんなに不機嫌なのね・・・・・・まあ、その辺は後でゆっくり聞くとして・・・」


 コトリとカップをテーブルに置く。クレアはグッと身を乗り出すと、品定めするようにフィエゥを見る。


「アミュレットの・・・いえ、”魔神の体”の守護者、アナタはこのクレア・マグノリアに何の話をしにきたのかしら?」




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