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6.

 「もうすぐテストだけど」

僕の方から遼に話しかける。

「ああ、まあお前は頭いいから心配ないよな。俺は大変だよ」

大半の生徒は部活に向かったり、早々と家路についたりで放課後の教室は少し静かになっていた。

白鳥佳澄もどうやら女子生徒達に連れられて何処かへ行ってしまったようだ。

「遼さえよければ一緒に勉強しようよ。遼の家で」

「え、俺の家で?」

「駄目なら僕の家なり図書館なりでもいいけど。それとも一緒に勉強するのが嫌?」

そんなことないと遼がかぶりを振る。

「じゃあ俺の家でな。今から来んの?」

「遼さえ好ければ」



 彼の家は一戸建ての小綺麗な建物だった。建物自体新しく庭もあり、マンション住みの僕には新鮮に感じられた。

「立派な家だね」

遼は少し嬉しそうだ。



 部屋には漫画が並べられた棚やベッドなどごく普通の家具が置かれていた。遼にしては整頓されているなと思いつつ、持って来てくれたお茶を飲む。少し休憩して勉強に取り掛かる。彼も別に頭が悪いわけじゃないのでスムーズに進んでいく。



 外が暗くなるのを感じ時計をみると既に7時を回っていた。これ以上居座るとさすがに彼の家族にも迷惑だろうと思い急いで帰る準備をする。

「あらお客さんがいたの」

「水谷ゆいです。クラスメイトで」

母親に軽く挨拶した。優しそうな人だ。

「遼が連れてくるなんて珍しいわね」

「もうすぐテストだから友達に勉強教えてもらってるんだよ」

遼が少し慌てたような口調で説明しながら僕の腕を掴み家の外に出る。

「それじゃまた明日な」

「うん、また明日学校で」

すっかり日の落ちてしまった帰り道を僕は鼻歌を歌いながら歩いた。

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