16.
「考えてもみてよ。私たちは老いるためだけに生きているんじゃないかって思わない?」
「今なら共感できるよ。中学生の頃は佳澄が何を言ってるのかよく分からなかったけれど」
「よく分からなかったのに付き合ってたの?」
「僕が佳澄のことを好きだったからだよ。いろんな意味で」
「過去形なのね」
「今も好きだよ」
一年前のこの時期を思い返す。僕らは秋という季節に引き寄せられるのだろうか。
他のクラスメイトが皆いなくなった静かな教室に残り二人で計画を立てる。窓から涼しい風が吹き込んできて、それが体に当たると穏やかな気持ちになる。遠くからは部活動に励む生徒たちの声が聞こえてくる。佳澄は簡単な方法を提案した。今回は失敗しないだろう。
「佳澄は遼のこと嫌いだったの?」
「ううん、むしろ好きかな。ゆいは?」
「僕も好きだったよ。そうじゃなきゃいつも一緒にいる訳ない」
僕たちはエレベーターに乗った。僕の住むマンションのエレベーター。
「じゃあどうして遼の告白を断ったの?」
ボタンを押しながら佳澄に尋ねる。
「そんなの決まってるでしょ。ゆいのほうがもっと好きだからだよ」
つい笑ってしまう。
屋上には星空が広がっている。アンドロメダ銀河は見えるだろうか。少し目を凝らしてみるが見つけることは出来なさそうだ。
屋上の縁に立つ。佳澄が僕を抱きしめてくる。僕も彼女の体に手を回し、抱きしめ返す。
そして僕らはそのまま落ちて暗闇に飲み込まれていった。
一応これで終わりです。
自分でも何書いてるのかわけわかんないです。
今2作目作っているのでそっちも読んでいただけたらと思います。まだ全然書いてませんが…