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15.

 遼が、久住遼が白鳥佳澄に告白した。何を告白したかというと愛だ、ある人を好きだという気持ちをそのある人本人に伝える行動。夏休みが終わって二週間程経った頃だった。


 僕は少しばかり落ち込んだ。いや強がっても意味は無いだろう。本当は酷く落ち込んだのだ。高校に入学してから同じクラスで知り合って……それから今までずっと一緒に過ごしてきて。でも彼は僕のことを全く気にすることなく佳澄に告白したのだ。


 僕は遼に何とも思われていなかったのだろうか。異性として見られていなかったのかもしれない。

「私、あなたのこと友達としてしてしか見れないの……」

こんなセリフを何処かで聞いたことがある。良くある話だ。





 佳澄と遼の関係は急激に悪化していった。理由は実に単純で佳澄が遼の告白を拒んだからだ。今考えてみると彼の告白は僕と佳澄にとって有益なものだった。僕は以前の様に佳澄にベッタリになり、遼は僕ら二人から離れていった。


 僕と佳澄の今後の懸念材料として遼の存在があった。もし僕らが死んだら彼の精神的なショックは計り知れないだろう。自分のことを買い被りすぎているだろうか。それに死人には関係の無いことでもある。だがやはり彼は死にたがりの二人の人間をこの世に繋ぎ留めておく係船柱だったのかもしれない。

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