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10.

 高校に入学してからずっと普段通りの日常が続いている。朝起きて、学校に行って、授業を受けて、家に帰り、寝る。たまにちょっとした楽しいこともあるのだけれど、それは直ぐに終わりその記憶は頭の奥底に沈んでいく。


 中学生の頃はどうだっただろうか。同じ様に退屈な生活を送っていたのだろうか。少なくとも小学生の頃は違うだろう。全てが新鮮で好奇心を掻き立てるものばかりで毎日が刺激に満ち溢れていたように思う。





 7月中旬、期末のテストが終わりもうすぐ夏休みが来る。僕と遼は音楽室の掃除を任されていた。だから今この部屋には僕と遼と、そして白鳥佳澄がいる。音楽室の掃除は3人ですることになっているのだが、何故か彼女がここの掃除に割り当てられていた。

「白鳥さんは夏休みどう過ごすのかな?」

遼と白鳥が仲良さそうに会話している。いつから二人はこんなに親しくなったのだろうか。嫉妬という感情を抑えながら僕は黙々と掃除を続ける。

「色々。なんだか沢山誘われていて」

クラスの女子たちにいつも囲まれている彼女のことだ、充実した休暇を送るのだろう。

「でも、もしよかったら三人で一緒に遊ばない?」

彼女の口から思いも掛けない言葉が飛び出し驚く。遼を見ると彼も目を丸くしている。でも遼と白鳥は仲が良いのかもしれないけれど、僕はそうでもないのだ。時々彼女に避けられていると感じることもあって。偶に目が合うとすぐに逸らされてしまう。

「マジ? もちろんオッケーだよ。ゆいもいいよな?」

拒否することも出来ず仕方なく首を縦に振る。

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