表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/19

17;アンデッドの森

がれきに腰を落とし、地面に横たわっているルミナスを眺めるあきら


「男?女?どっちだろう?背中の感触は男だったけど・・・」


がらがら!がれきが崩れる音がした。


がれきを歩いて来たハルトをあきらが見る


「こいつはどうやってここからだす?」

「移転もあるけど、コイツに運ばせる」


ハルトの影から死霊騎士が現れた


「こいつの体の中に取り込んで、陰に忍ばせて浄化結界の外まで運ぶ」

「言ってた死霊騎士か、復活したんだな」


<ルミナス様をお助け下さり有難うございます>

「お!礼儀正しいな」


「うっんっ」

ルミナスが目覚めた


「はっ!・・・・”ダレン”!!無事だったのか!・・・よかった」

死霊騎士を見て言うルミナス


「ダレンという名前付けたのか?信頼しているのが解るな」

「ハルト様、ありがとうございます、でもこの浄化結界が有っては・・・」


<ルミナス様、私の体の中にお入りください、ハルト様の影に潜めばそのまま外に出れますので>

「え?”ダレン”の中って」

真っ赤になるルミナス


「何赤くなってんだ?バンパイヤも赤くなるんだ・・・」

花音が顔色の悪いバンパイヤを思い出して言う

「そう言えば、他のバンパイヤは顔色悪かったけどルミナスは顔色良いよね」


「・・・・私まだ、人の血を吸ったことないから・・・魔物の血だけ」

「ああ、人の血にはバンパイヤにとっての麻薬のような毒があるからな、それにより人間の血に溺れるし顔色が悪くなる」

「「「知らなかった」」」


「あきらも人間の血は・・・あれ?腕食らったよね」

「血抜きは抜かりないぜ」

ハルトが自慢げに言う

「肉は大丈夫なんだ・・・・」


「ま、彰のレベルだと普通に人間の血を飲んでも毒にやられる事は無いがな」

「そうだよ、普通にハルトの血のんでたじゃん!」

思い出したように之奈が言う


「言って悪いが、バンパイヤの肝臓は美味しかったが、人間の肉は・・・苦痛でしかなかった」

「それは、精神がそう思わせておるんだと思うぞ、バンパイヤは人間の肉も好きだからな」

「・・・・」

ルミナスが、地下らしき入口の見えるがれきを見る



「この地下でも、人間をさらって閉じ込めて食らってみたいだな」

「・・・食べさせられそうになって、逃げてた、何故か嫌だった」


「魂がそう訴えてるんだろうな、お前のステータスに【転生者】の項目があるからな、記憶は無いようだが」

「?転生者?」

「別の世界の魂が攫われてこの世界で生まれ直したって事だ、お前の前居た世界では魔物も居ないし、バンパイヤも居ない、平和な世界だったんだ」




「そんな世界が」

「お前はこれからどうしたい?他の魔族にまだ狙われる可能性はある、あの森に戻って、他のアンデッド達と暮らすか、魔族領に戻るか?」


「・・・・森に戻る、僕が戻らないと皆寂しがるし」

<皆心配しております、いつ帰るのかと聞かれました>


「そうか、じゃ死霊騎士の中に入ってくれ」


死霊騎士が両手を広げた

真っ赤になるルミナス、照れながらその手の中に入る

抱きしめる様に死霊騎士が腕をのばして、ルミナスを体の中に取り込んだ


「何か、イヤラシくない?」

そう之奈が言う

「思った・・・・何?出来てんの?

花音がツッコむ

<?出来てるとは?>


「恋人同士見たいだっていってるんだよ!」

あきらが言う

<へ?交尾と>


「「「ちがーうもっといやらしい」」」


死霊騎士が挙動不審になる

<あっあ!そんな・・・もうこのまま取り込んだままにしていたいなんて思ってますけど・・・えっと>


「死霊騎士がめっちゃ人間みたいなんだけどハルトどういうう事?」

之奈が怪訝な顔をして言う


「ダレン!取り込んでいやらしいことしたら嫌われるぞ、・・ボソ(あんな、だみ声で、幼児体型の何処が良いのか?男でも通じるぞ)」

<?ハルト様?そんなことしたいですけどしてません>

「したいんかい!ま、とりあえず森へ戻ろう、影に入れ」

<はっはい!>


「意外だった、こんな感情が生れるなんて、予想外」

影に消えた死霊騎士を思い出して言うハルト。



森に戻ると、死霊騎士が影から出てくる

「ルミナスを出せ」

<出さなきゃだめですか?もう少しこのまま>

「本人の承諾無にそれはダメだ!」


<はい・・・・>

表情は骸骨なので見えない、死霊騎士の腕の中にルミナスが


「何か様子可笑しくない?」

「恍惚として居る様に見えます」

之奈と花音がルミナスの様子が可笑しいことに気が付く


「おまえなぁ・・・中で何やったんだ?」

<いや・・・ちょっと体をなでまわ・・・>

「うんっ」


「はぁ・・・暗闇に中で体を撫でまわされたって、普通は恐怖だぞ!」

<すみません・・・自分の中にルミナス様が居るのが嬉しくて>

「え?ダレン?」


「しょうがないな・・・・<状態進化・死霊騎士グレート>


死霊騎士の骸骨の顔が、ボロボロの騎士服が、変わる


「ダ・レ・ン!?」

ルミナスが驚く、死霊騎士のうでの中のままだ


「死霊騎士の力はそのまま、体にルミナスは取り込めるぞ、もしまた襲撃が来たら取り込んで全速力で逃げろ!龍の谷なら奴等は来ない、龍達には言っておくから、闇にまぎれれば、そう追いつかないさ」


「遠くない?此処からだと600キロくらいあるでしょう?」

「3時間も走ればつくだろう?お前なら」

<はい>

「住まいも作ってやる」






「教会?おどろおどろしいわね」

之奈が呆れている

「やはりアンデッドと言えば廃墟の教会と地下墳墓だろう?」


「中世のそう言ううの好きだったわよねハルト・・・」

花音も呆れる


地下に行くと普通の豪華な部屋があった

「てっきりバンパイヤだから、棺桶ベットかと思った」

そう花音言うと

「2人で寝るのにそれは無理だろう?少なくとも城に住んでたんだからベットの方がいいだろう?」

「?ふたり?」

「え?なんのために状態進化させたんだよ」


「・・・いやだ・・・」

<二人・・・>

ルミナスとダレンはデレていた。


「ダレンは俺のスキル幾つか渡しておいたから、オートマタとか作ってメイド代わりにすると良いよ」


「他の、意識のあるアンデッドは墓地の所に小屋つくっておいたから、地中でも小屋でも好きな所に住め、結界も貼っておくから、そう簡単に此処は見つけられないからな」


そこに、アンデットの集落が出来上がった。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ