表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

北山さんと山本くん

作者: あすか

私は今屋上にいる、これから死のうと思っている。


こんなつまらない人生生きてる価値なんて無いと思った。


みんな私が死んだら喜ぶだろう。


長所もない外見も中身も良くない。そんな私が死んだら

どう思うだろうか。


答えは明確だ。喜ぶ。

表では悲しがっていても裏では嬉しくて堪らないだろう。


そんな裏表のある世の中私には苦しくて仕方がない。


どこか別の世界。異世界なんてものがあったら私は

幸せに生きれただろうか。裏表のない世界で。


もう一度。


来世では幸せになれますように。


そんな願いを託しながら柵を跨ぐと


「あれ?なにしてんの?死ぬの?」


と後ろから悩みとは無縁そうな主の声が聞こえてくる。


振り返ると同じクラスの山本くんが不思議そうに声を

掛けてきた。


山本くんはいわゆるクラスのムードメーカーで

私より幸せでいっぱいの人だ。


「山本くんには関係無いでしょ」


「うん。関係無いけど。目の前で死なれるの嫌だし

別の場所行ってくれない?」


と悪びれも無くヘラヘラと笑いながら言うもんだから

少しだけイライラとしてくる。


「山本くんが後から来たんだから山本が別の場所に

行ってよ!」


「あれ。イライラしてる?」


と言うものだからカチンとして言い返してしまう。


「そりゃイライラするよ!!山本くんが馬鹿正直の所為

でね!!もう出てって!!」


「でも元々俺ここで寝てたしそこは後からきた北山さんが 出て行くべきだと思うよ俺は」


と言われると返す言葉も無くなってしまう。


それでも何か言い返さないと気が済まないからか


「ここは学校の屋上!!なんで貴方が出て行けとか

言うの!!」


我ながら矛盾している。


すると山本くんは心底面白そうに笑いながら


「自分のこと棚に上げ過ぎ。北山さんって面白いね」


と言われる。


「もういいから出てって!」


と言うと

不思議そうに「なんで?」


「え...なんでって...」


これから死ぬ予定だから、なんて自分の口からは

言いにくい。


「自殺したいから?だよね?」


と言われゆっくりと頷くと


「なんで死にたいの?」


と言われる。


すると私は自分でも驚くくらいスラスラと話し始める。


この裏表のある世間に耐えられなくなり

死ぬことを決めたこと。


私が死んだらみんな裏では喜ぶこと。


他にも色々これまでの私を話した。


話し終えると「えぇ?それって、矛盾してるよね?」

とニヤニヤしながら言われる。


そう言われると嫌なことを話してスッキリしていた私は

だんだんイライラしてくる。


「矛盾してたとしても私は生きてるのが辛い!!

お願いだから...死なせてよ...」


と感情的になってしまい後悔していると


「それは北山さんは周りがみえてないからでしょ?

周りがみえたら考え方が変わると思うけど。」


「周りはもうみえてる!みんな考えてることを

表に出さなくて裏では私のことを嘲笑ってる!」


「北山さんて結構自己中なんだね」

と真顔で言われる。


「っどこがっ!」


「まず俺の考え方も聞いてくれる?」

と言われ返す言葉も無くなってしまったので

ゆっくりと頷く。


「北山さんさ、俺が別の場所行けって冷たく言ったら

ちょっとイラってしたでしょ?」


「...う、うん。そりゃね。」


「それって可笑しくない?」


...?意味が分からない。誰だって初対面でそんなこと

言われたら誰だってイライラするだろう


「じゃあ一回話戻すね。北山さんは裏表のある世間に

苦しくなって自殺を決めたんだったよね?」


「そうだけど...」


「俺がその時に言ったのは裏表の無い言葉なんだけど。」


「...っだから?」


「だから?じゃなくてそれは北山さんが望んでた裏表の 無い言葉なんだけど。...もうそろそろ察してるんじゃないの?」


ジンワリと手汗が滲んでくる。


「...」


無言を貫いていると山本くんがため息をして

また話し始めた。


「裏表があるのはしょうがないことだと思うんだよね。

初対面なのに本当の事を言って嫌われたくない。という気持ちの表れだったり」


「私はっ...!それでも...本当のことを言ってくれた方が嬉しい...!」


「それホントに思ってる?」


「...ちゃんと思ってるけど」


「...北山さん俺の言ったこと覚えてる?

北山さんはほぼ初対面の俺が言ったことにイライラ

したんだよね?」


「したけど...!それは山本くんがっ!!」


「俺が?なにかした?」


「うん。じゃあ話続けるけど人間そんな優しい人ばっかりじゃないよ?初対面で本当のこと言われて北山さんみたいに嬉しく思う人は少ない。言ってる意味分かる?」


「.........」


「...単刀直入に言うけどそれは北山さんが自分の世界観を他人に押し付けて私の世界観を受け入れてくれない

世間が苦しいーって思って自殺しようとしてるわけ」


...山本くんの言ってることは正論だ。

でも私は私じゃない世界観で生きることになる。

どっちにしろ苦しいのは変わらないじゃないか。


「あ、どっちにしろ苦しいとか思ってる?よね?

でも俺さ自分の世界観で生きるなとは言ってないよね?」


「それにさ自分の世界観と周りの世界観が合わないーって解決法が分からずに苦しんでる人はいっぱい居ると思うんだよね。じゃあその苦しみを慰めあえばいいんじゃないのかな。他の人の世界観を受け入れてみるとかね」


「いい加減世界観世界観うるさいけどみんな幸せだけじゃないんだよ?心配しなくてもみんなそれなりに不幸だよ」


正直返す言葉も見つからない。


「じゃ、そろそろ帰ろうか」


「わ、私は自殺するために...」

と言うと


「え?自殺するの?」

と心底驚いたような顔をされる。


「だ、だって私は死ぬ覚悟もして...」


「...あ、あのさホントは言っちゃうか迷ったんだけどさ...

ホントに死にたいって思ってないよね...?」


「え」


なんでそうなる。私はさっきまでずっと死にたい死にたいと言っていたのにどう解釈したらそうなるのか。


「あっーと...もう言っちゃうけどさ...」


「う、うん...」


「北山さんさ、その....裏表のある世間を理由にして

自殺しようとしてたんじゃない...?」


「みんなから心配されたいーとかみんなから愛されたいーとか自殺して悲しんでほしいーみたいな思いが心の何処かであったからじゃない?」


「...そ、そんなことない!」


「...えっと北山さん爪噛んだりする癖とかあるよね?

爪とか噛んじゃう人は欲求不満だから爪を噛んじゃう

みたいなんだけど...」


「あと甘いものとか好きでしょ?甘いものが好きな人って

ほとんどが愛情欠乏症の人らしいんだよね。」


「甘いものは心を落ち着かせてくれるから愛情の代用として効果的だから愛情欠乏症の人が甘いものが好きな人が

多いんだけど」


「...俺の言いたいこと分かった?」


「...つまり私は愛されないから自殺をしようとしてたって

こと...?」


「ま、まぁそうなるね...愛されないってのは違うけど...」


「私は愛されてない....」


「そんなことないと思うけど」


「なんでそんなこと言えるの....」


「少なくとも俺は北山さんのこと嫌いじゃないと思うし

北山さんの生活費払ってるのは誰だと思ってんの」


「そりゃ...親だけど...あの人達は世間体が大事なだけで

私のことなんて....」


「本当に北山さんのこと嫌いなら世間体なんか気にせずに

殺しでもすると思うけど。」


「それに北山さんが勝手に嫌われてるって思って態度が

悪くなってるんだから嫌われるのはしょうがないと思うけどなぁ」


「じゃ、じゃあ今まで私は周りがみえてないだけで

周りからしたら態度の悪い暗い人ってこと...?」


「まぁ言っちゃえばただの被害妄想馬鹿ってことだよね」


「っ...!」


「だから周りへの態度変えて生きろって言ってんの」


「なんで...山本くんの為にそんなことっ!」


「それは俺のクラスメイトが死ぬのが嫌だから」


「ほら高校生の時のメンバーで集まったら気まずいしね?」

と悪びれもなく言う。


山本くんはムカつくような言い方をしてるけど

私が生きてることで山本くんの役にすこしは立つことを

教えてくれた。


だから死ぬのはもうちょっと後でもいいかもしれない。


あわよくばこのまま死なないのもいいかもしれない。


「じゃあ...死なないであげる...」


何故か顔が熱くなる。


「じゃあもう帰ろ鍵閉められる〜」


と笑いながら山本くんが言う。


慌てて学校から出ると山本くんと別れ家路につく。









語彙力も無いのに小説なんか書いて大変

申し訳ありませんでしたっっー!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ