表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼祭り  作者:
7/9

第7話:疑い

蔵に向かった梅とノ丸はもう一回蔵の中を調べてみることにした。

「やっぱり・・ないか・・・」

陽ノ丸は落胆の表情を見せたが、梅は「絶対にある」と確信しているようで、何度も同じ所を探した。

「何故、同じ所ばかりを探しているのだ・・・」

「何故かって?同じ所を探して、“無い”を確認する。そうすれば、残ったところを探せば絶対にあるわけ。だから同じところで“無い”を確認しているの。」

陽ノ丸は「なるほど」といった表情で、もう一度“無い”を確認しながら宝珠を捜した。しかし宝珠はその姿を見せることは無く、時は刻一刻と過ぎていった。

「よし、次は奥のほうを頼む。ものを倒して壊さないように慎重に頼むぞ。」

「はいっ!」

梅は梯子を使って上へ上へと登っていった。しかし高所恐怖症の梅はどうもなれない様子で少しづつ梯子を掴んでいった。

やがて、小さなふすまのところでその梯子は終わった。

「この襖でいいんですよね〜?」

「その襖だ。中には先祖代々伝わる物も入っているから、気をつけて探るんだぞ。」

「はい!」

そう言うと、梅はその暗闇の中へ、ゆっくりと入っていった。

「やっぱり想像してたとおりだ〜。ほこりが舞ってるよ〜。やっぱりこんな仕事請けるんじゃなかった〜。」

梅は、そう言って、さっき陽ノ丸がそうだった様に落胆の表情を見せた。しかし、「このままで終わる私じゃない。」と意気込んで、「絶対に見つけ出してやる。」という決意を胸に誓ったが、それでもやっぱり、宝珠の姿は無かった。

「無い〜。こんなに探しても無いんだから最初から無かったんじゃないの〜?」

梅は諦めて梯子を降りていった。その姿を見た陽ノ丸は、はじめ「見つかってよかった。」という表情を見せていたが、梅の表情を見て、「やっぱりなかったのか・・・」という表情をした。

「無かったんですけど。こんなに探しても無いんだから最初から無かったんじゃないんですか〜?」と、さっきの時と全く同じトーンで陽ノ丸にいた。

「まさか・・・そんなはずは・・・」

と、その時に陽ノ丸のなかで何かが閃いた。

「さては、お前が隠しているのだろう。」

梅はそんなはずが無いと反論したが陽ノ丸は疑いの目を隠さない。梅と陽ノ丸の間に、微妙な空気が流れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ