表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼祭り  作者:
2/9

第2話:丸太小屋

気がつくと、丸太だけで作ったような部屋にいた。何か、塊のようなものがあちこちに散乱している。まるで、からくり屋敷に来てしまったかのようだ。っと、その時だった。

「やっと起きたか。心配したぞ。」

なんだこいつ!と言わんばかりに、梅は目を見開いた。その目の前には顔が真っ赤な人型の物体が立っていた。梅は殆どの人がそうするように足をばたつかせ、後ろを向いて丸くなった。

「そんなに怯えなくても・・・」そうは言ってみるが、起きてすぐに前に見たこともない者が立っているのだ。怯えないわけがない。しかし、梅はそのとき不思議と、この者を受け入れようとするもう一人の自分の心を知った。もしかしたら昔一度会ったことが・・・などと言うことを心の奥深くの気持ちが諭すのである。梅は恐る恐る後ろに向きなおした。

「あなたは・・・だれ?」

「ああ、私は陽の鬼の長の、陽ノひのまるだ。危ういところだったな。あのままでは君の命も危なかったのだぞ。」そのとき、梅の頭の中に、さっき起こったパノラマが早送りのように、一瞬のうちによぎった。

「あっあの時・・・そ、そうだ。村のおばさんは・・・大丈夫なの?」

「残念だが、村人の殆どの者は家から出ることを強いられることになっている。もちろん・・・君もだが・・・。」

梅は絶句した。絶句せざるを得なかった。しかし、なぜか泪は流れ落ちなかった。普段は活発な性格ではないが、このときだけは、好奇心でつぶれそうなほど、ワクワクした気持ちだった。と同時に、この者が鬼なんじゃないかと思い始めた。    








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ