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宵闇に奏でる―NOCTIS STORY  作者: 夜月黎


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陽の心境

……ねぇ、これ、俺見てていいヤツ?


俺は目の前で繰り広げられる光景を呆然として見ていた。


たまにあるんだよな。

奏の変なスイッチが入って煽るやつ。


今日のきっかけは凪のMCだ。


……うん、あれは凪もよろしくないけど。


奏の「お仕置き」発言は、まぁ、観客も盛り上がってたし、いいと思う。


……でも……実際に楽屋で観客ナシで実行されると、これは、もうヤバい。


ねぇ、もう一回言うよ?


これ、俺、ここにいていいヤツ?


奏の表情ヤバい。

悪っそうな顔してる。

そのくせ、整った顔立ちしてるから、たちが悪い。

なんか、エロい。


凪は凪で、何にもわかってないから、またいつものポカン顔。

凪もなぁ、顔イイからなぁ。


って、おいおいおいおい。


凪が壁際まで追い詰められてる。


奏の悪っそうな顔、さらに酷くなってんじゃん。


すっと顔を近づける奏。

凪の耳元で


「……あとでお仕置きって言っただろ?」


ちょっ、ちょっとそれは、やりすぎっ。


なんか、俺の方が顔真っ赤になりそう。


なんで、凪は平気なの?

え、賢者かなんかなの?

あ、天使なんだっけ?


混乱し始めた俺は、思わず手をあげた。


「ねぇっ、これ、俺見てていいヤツ?」


二人が不意にこちらを見た。


奏の不機嫌そうな瞳。

凪の理解してない顔。


どっちもキツイ。


ねぇ、朔どこっ!?

あ、後ろで見てるわ。


朔、止めて!!


流石にマズイと思ったのか、朔が小さく溜め息をつく。


「奏、その辺にしておけ」


俺は、ようやくホッとする。

場が収まったかとは思ったけど、朔は二、三言忠告しただけで、片付けに行ってしまった。


え、俺、残されるの?

この場に?


奏ぇー、頼むからこれ以上何もしてくれるなっ。


そう願っていると、何かしたのは凪の方。


凪は、なんと奏の頭をポンポンっと撫でた。


ひえっ!!


俺は悲鳴を上げそうになった。堪えたけど。


「たまに朔がやってるから、奏の機嫌治るかなって……」


って。

凪、お前……。


あれは、朔がやるから許されるんであって、凪にやられたら……。


あ、奏、機嫌治ってるっぽい。

でも、ダメージもデカそう。

奏、ご愁傷さま。


脱力した奏は天井を見上げていた。


俺はもう一回聞いた。


「ねぇ、これ、俺いていいヤツ?」



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