激しい鼓動
「なぁ……あれって告白だよな? あの可愛い上級生がうちのクラスの奴に告白したんだよな?」
「確か……昨日自己紹介で野崎って言ってた奴だ。 どうすんだあいつ」
「そんなの決まってるだろ。 即答でOKしかないだろ。あんな無茶苦茶可愛い美少女から告白されて拒む奴なんてこの世にいないだろ」
少し前までは賑やかだった教室がいつの間にか静寂に包まれ、2人の行末を固唾を呑んでいる。
「ほら、いわんこっちゃない。 だからあんたは目立つって言ったじゃないのよ……」
つ……つい言ってしまった。興奮のあまりに勢いに任せるような形で。いつかは言うつもりだった台詞を、しかもこんな大勢のいる皆の前で。
もしかしたら、私はとてつもない事をさらりと言ってしまったのではないか?
鼓動がうるさい。どくどくと心臓の音が耳まで聞こえる。それに顔まで熱い。今、私はどんな顔をしてる?まともにケンちゃんの顔を見られない。
喜んでくれているのか、それとも私の場違いの告白を迷惑と感じているのだろうか。
ああ……そうか。 皆私に告白してきた連中はこんな気持ちだったのだろう。
相手からどんな答えが返ってくるのか不安で仕方なくて、ほんの数秒、数十秒の時間がこんなにも長く息苦しく感じるものなんて思いもよらなかった。
相手の気持ちも考えもせずに、未練が少しでも残らないようにと私は告白してきた相手をバッサリ切り捨てるような真似をして少し悪い事をしたな。
少しの間黙っていた野崎は、静かに口を開いた。
「葵……」
「は……はいっ!!」
駄目だ……心臓が爆発しそうだ。返答次第では死んでしまうかもしれない!
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