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男子力!!

男子力(だんしりょく)っ!!」


 美紀は勢いよく確信したかのように葵に指を差し言い放った。


「どうした急に……気でも触れたのか?」

「触れてないわよっ! 葵の事を言ってるんだよっ!!」


 突然の言葉に葵は唖然としながらも少し考えてみるが答えは出てこない。


 私は女だし、男ではない。今更そんな事を言われても全くもって美紀の言っている意味が分からない。


「男っ気が強過ぎたのよ葵は……口調も性格も。 だから暫く経ってあまりの葵の変わりように健太君も『本当に葵か?』ってなって葵に気づかなかったんだわ。 まったく、どんなレベルでそうなるか私には想像もつかないのだけれど」


「いや、でも……実際そうかもしれない。 ケンちゃんが私を忘れるなんてありえない筈だから……。 こんなに女らしくなったのも全部ケンちゃんの為なのに」


 魂で繋がっているはずのケンちゃんが私を忘れるなんてありえない。それこそ地球が滅亡して互いに魂だけの存在になったとしてもケンちゃんだけは見つけ出せる自信がある。それくらいに深く魂に刻まれた仲だった筈なのに、見た目が女性らしく変わっただけで気付かれなくなるとは、ちょっとショックを受けてしまう。


「学園一の美少女って言われる葵が、子供の頃は本当に男と勘違いさせるほど男勝りだった事にも驚きだけど……でも、ちょっとそれだと変わり方がエグすぎない?」


「エグくない。 私にとっては普通だったし。 でも実際男として生まれてきた方がよかったと思いながら小学生の頃は過ごしてた。 ケンちゃんと出会って私が女だと強く意識する前までは」


 小さい頃から親に与えれた可愛い玩具で遊んだり、家の中だけで大人しく遊ぶなんて私には出来なかった。


「女として意識するって……たかが小学生の時に何を女として意識させられるような事起きるのよ。 話だけじゃ信じられないけど。 服装や、口調が男っぽいってだけで普通は男と女くらいの区別つくでしょうに」


「当時の頃は女の子の遊ぶような事は一切してなかったし。 それに外を歩けばいつも喧嘩ばかりしていんだ」


「ちょっ……何でっ? 普通に過ごしてたらそうはならんでしょ! 疑問しか浮かばないわ!!」


 驚いた顔をした美紀を横目に葵は席を立ち上がり歩き出した。


「そんな話はどうでもいいんだ。 誤解があったなら早速解くまでだ。 ケンちゃんに会ってくる」


 そう言って葵は教室を出て走り出した。



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