待ち構え
掲載日:2026/01/01
高校で、ようやく部活も終わり、家に帰ろうとした時。
校門をくぐるとすぐのところに見覚えのある姿を見つけた。
「なんだ、まだ帰ってなかったのか」
その後ろ姿に、俺は声をかける。
ポニーテールの髪がグルんと勢いよく180度振り回されて、顔がはっきりと俺のほうへと向き直る。
「だって、待ちたかったんだもの」
彼女がそこに立っていた。
「言ってもあれだろ、帰宅部だっただろ」
「そうだよ、一度家に帰って戻るぐらいの時間ぐらい待ってたかも」
正直に話してくれる彼女の横にようやく俺はたどり着く。
話しながらも、それからゆっくりと歩調を合わせて歩き始めた。
「それこそ先に帰ってもらっても構わんぞ。あとでスマホで連絡取れるしな」
「でも、こうやって一緒に帰るって、してみたいじゃない」
そればかりは勝手にどうぞ、という感じではある。
それでもこれが青春というのであれば、俺はしっかりと今を感じていたかった。
高校生活だって長くはない。
「そうか」
だから俺はこういうこと一つ一つを楽しんでしたかった。




