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殿下、あなたの親友の蒼炎の騎士さんがなんかぐいぐい来て困ります  作者: 蔵前
最愛の君の純潔を守りたい俺に聖女な君こそぐいぐいくるのは俺に喰われていいってことなのか?
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勘弁してください、俺はもう限界です

俺の幸せはディの幸せがあってこそだ。

だからこそその場の勢いや俺の情欲でディを簡単に汚してはいけないし、俺だっても最愛の人とはそれなりな環境が整ってからと決めている。


それはディの親父殿に脅されたからだけではない。


ディには一生俺と結婚して良かったと思っていて欲しいのだから、結婚式もその後も彼女の希望通りにしてやりたいでは無いか!!


そうだ、俺の意思だ。

ディに気取られずに俺に言いたいことを言いに来たあの男が、オブシディアの「獄炎」の炎だってものとしない大魔王だって思い知ったからではない。


影どころか光の妖精王のような外見の年齢不詳の男は、柔和な笑顔を崩さないまま、「わかっているよね」と一言だけ俺に言い放った、のだ。

そして去って行った。

何を俺がわかっていなきゃいけないのかわからないが、俺の股の間がひゅんっと縮こまるぐらいに脅して来たことは身に染みてわかった。


すごく怖かった。


「そんなに私の体が嫌だったんだ」


「そんなはずないだろ!!」


俺のあげた声は、殆ど悲鳴だった。


ぎゅんぎゅんする俺の棒を、ヒュンと俺の玉が縮んだ怖い記憶でもって鎮めようと頑張っている所なんだよ!!


なのにって、ああ!!


しょんぼりしている。ディがしょぼくれている。俺が誰よりも幸せにしたいディがショボーン顔になっているじゃないか!!


ディを悲しませてしまったあああああ。


抱きしめて慰めるんだ!!


ダキシメテイイノカ。


ぶちんと、俺の脳みその何処かが切れた音がした。

俺の制御を離れた体は、勢いよくソファを蹴って飛び上り、ディへと飛び掛かった。もちろん、俺の獣じみた動きに目を丸くするディに怪我一つ負わせてはならない。俺の意思の外での体の動きだが、俺の体は指先までディを愛している。


抱き着きながらもディを庇い、彼女を床に横たわらせたが、彼女は体のどこも床にぶつけないまま仰向けになったはずだ。

俺も俺の体も頑張った。

ディを抱き潰したく襲い掛かったはずが、ディを守ることに集中してくれたのだ。


仰向けに床に横たわるディに覆い被さる檻となった俺は、お陰で少々冷静な頭と体の支配権を取り戻せた。

今の俺は彼女に触れてはいない。

ディに俺は覆い被さってはいるが、床に手を突き膝を突いて、彼女を閉じ込める単なる檻状態だ。


「えっと、ジェット?」


「もっと考えてくれ」


「みっともない体でこ」

「何を言っている?」


「え?」


「君があんまりにも可愛くて、俺は自分を押さえるのにいっぱいいっぱいなんだよ。それが、君こそ俺に飛び掛かられたかったなんて知ったら、俺が止まるはず無いじゃないか。もっと考えてくれよ。俺はお前を大事にしたいんだ。いいか。パレルモ姐さんが男にとっておっぱいは好きな女の付属品でしかないって言ってたが、それは違う」


「だよね。パレルモ姐さんは胸パット外してもまだまだ胸でかいし。逆にあそこまで盛ってどうするのって感じが無くなった分、きれいだって思うし」

「お前こそきれいだよ」


「ありが」

「いいか? 本気で取り違えるなよ? 俺はお前の顔も心根も、そしてこの体も大好きだ。どれが欠けてもお前にならない。そうだろ? 俺はお前が丸ごと好きなんだよ!!」


俺を見つめるディの瞳はかっと見開かれた。

大きな緑色の瞳の中でオレンジ色のファイヤが煌く、きらきらと。


「ジェット、大好き」


ディは感極まったように呟き、……いつものように俺にしがみ付きはしなかった。

そっと瞼を閉じ、ついっと顎を上げた。


俺とのキスを望むように。


キスしたら俺は止まらないぞ?


「ディ。バカ。だから俺を煽るんじゃない。俺はギリギリなんだよ」


「ギリギリ?」


「ケダモノになりそうだ。君を頭から食べてしまいたい」


「そうなんだ。良かった。私の体はマリさんやディアドラみたいにフワフワじゃないから、違うから、知りたかったの。この体がジェットには嫌じゃないのかなって。それで、マーフォークの服を着て見せたりして。ばかみたいだね」


…………。


俺は、負けた。

俺はグッと両手に拳を作り、力を籠め。


飛んだ。


ディに覆い被さるその恰好で飛び退れるのは、体勢的にせいぜい三メートルほどだろうが、俺は全身全霊の力を込めてディから離れようとあがいたのだ。


離れねば。

ディは可愛い砲で俺の胸を穿いてくれたが、俺こそディを貫ける暴れん棒を生やしているのだ。

俺は決めただろ。

ディを抱くのは、ちゃんと結婚式を挙げた後だって。


そうじゃないと、四時間の交尾の後に殺されて喰われるカマキリの雄と同じ目に俺は遭うんだぞ!!俺の夢はディとの共白髪じゃないか!!


「ジェット? どうしてそんな所で私に向けて土下座しているの?」


俺はディに近づくな、という風に右腕を上げて手の平を彼女に向けた。


「もう勘弁してください。俺はもうギリギリなんです。そこで提案です。ダンジョン止めて風光明媚なミハマに俺達こそ行きませんか?」


二人きりはもうアウト。

俺達の盛り上がりを阻む人目が、今の俺達には必要なんだ!!



今さら登場人物紹介

キャロル・アン・パレルモ侯爵令嬢

大きな派閥を持つ侯爵家の令嬢 女子寮寮長でもある

ジェットの一つ上 殿下の二つ上

爵位や家に責任感を持つ人なので、政略結婚は当たり前の感覚。なので自分が二つ年下のレイ殿下の婚約者候補であることについても受け入れている。ジェットは年下でも外見的には最上なので肉食系としてはゲットできそうな時は動きます。

女子寮長をしているのは、侯爵令嬢という地位で寮内でのいじめや諍いごとが諫められるからである。アイリスとつるんでいるようでつるんでいないのは、アイリスの行動を抑制するため。パレルモが女子に好かれているのは理由がある。

ナイスバディの金髪碧眼の美女

巨乳実は偽乳。

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― 新着の感想 ―
蔵前様の見立ては間違いないです。 さすが作者様。 ジェットは我慢大会に放り込んでこそ輝く。 最高です、おいしすぎます。 このノリ大好き過ぎて、ニヤケが止まりません。 ずっと我慢しててもらいたい。 でも…
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