16.トップクラスの才能
授業後、安藤はルーシー先生にテスト用の水晶球を借りた。
安藤が何をしようとしているのか分からなかったが、ルーシー先生は彼の頼みを受け入れた。
水晶球を手に取ると、安藤は再び手を置き、自分の体の変化を感じ取った。
「確かに魔素の存在を感じられるし、操作もできる気がする。だけど、なぜまだ2級なんだ?」
今度は目を開け、水晶球の中の様子をじっと観察した。
中では五つの元素を表す色がゆっくりと上昇している。
「5つ?前に校長が、僕の才能は平均的だと言っていたけど、それがテストのレベルが低い原因なのかな?」
安藤は少し考え、この状況を理解した。
「じゃあ、一つの元素だけを制御しようとしたらどうだろう?五つの元素を全部扱おうとすると、それぞれに分けられる力が少なくなってしまうのかも。」
彼は注意を火の色だけに集中させ、水晶球の中に隠れたわずかな熱を感じ取ろうとした。
火元素に意識が触れた瞬間、水晶球がまばゆい光を放ち始めた——
9級。
底部に鮮やかに表示された数字が、安藤の推測を証明していた。
「やっぱり、そうだと思ったんだ……」
これまで魔法を使ってきた時に感じていたことだった。自分の魔素親和度は低いどころか、非常に高く、構築も手慣れているように感じていた。
彼は他の元素も試してみたが、同じくすべて9級だった!
周りに誰もいないことを素早く確認すると、安藤は急いでこの水晶球を先生に返しに行った。
「もう使い終わったの?」
「ただの確認ですから、大したことじゃありません。先生、僕は先に失礼します。」
安藤の心臓はドキドキしていた。自分の才能が証明され、彼は嬉しい反面、不安も感じていた。
自分が決して「無能」ではないとわかるのは嬉しいことだが、逆に恐怖もあった。
「匹夫無罪、懐璧の罪」という言葉が頭をよぎる。
尤川はすでに厳重な監視下に置かれている。自分の才能が発覚すれば、研究の対象として連れて行かれるかもしれない。
彼は図書館で目にしたことがある。魔法使いの多くは、一系統を専修し、もう一系統を副専修としている。二系統の専修とある程度の実力を持つ者など、片手で数えられるほどしかいない。
三系統専修?聞いたこともない。
五系統専修?
安藤は首を振った。自分が本当にそこまで到達できるのだろうか?
その道のりはまだ遠く、一系統の魔法を学ぶだけでもすでに大変で、系統ごとに異なる施法法や魔法陣の構築には、膨大な時間を要する。
「道のりは遠いな……」
中間テストが終わると、1年生に向けた新しいイベントが解禁される。
「校内ランキング戦」だ! 校内の全生徒が参加でき、個人戦と五人チーム戦の2種類があり、ポイントによってランキングが決まる。
さらに、上位50名は「宝器軒」から法器を選んで装着することができる!
安藤はこの知らせを聞いたとき、最初は喜んだが、その喜びの炎はすぐに消えてしまった。
個人戦では、魔法の才能だけでなく、格闘技術、耐久力、忍耐力、機転などさまざまな要素が試される。
今の彼の戦闘力はせいぜい一撃限り。上位50位に入るのは、至難の業だ。
チーム戦はさらに難しい。チームメイトの間での連携は長い時間を要し、いくら強力なメンバーを揃えても、戦いがかえって制約されてしまうことが多い。
ルーミン魔法高校には3つの学年があり、各学年には10クラスある。8つの普通クラス、1つの優等クラス、そして1つの劣等クラスで、それぞれのクラスには約20人が在籍している。
つまり、少なくとも600人がこのランキング戦に参加する見込みであり、上位50位に入るのは、総合的に非常に強力な者に限られる。
安藤は考え込み、どうすべきか迷っていた。
しかし、林は楽観的で、彼に提案した。
「俺たち劣等クラスでもチームを組んで参加しようぜ。お金がかかるわけでもないしさ。」
「遊ぶ?どうやって?」
「戦いが面白くないか?」
林は自慢の筋肉を見せつけ、十人相手でも勝てるとアピールした。
「チームを組むのはいいけど、クラスごとに組まないといけないというルールはあるのか?」
その問いに林も困ってしまった。二人ともルールを細かく読んではいなかったのだ。
「どうやら書いてないみたいだ。校内生徒であれば誰でもいいってさ。」
「そんなに緩いのか?それならズルする人も出てくるだろうな。」
「どんなズル?」
「例えば、上級生4人を入れて、一人の弱い子をチームに入れる。そいつのランキングも上がるってわけさ。」
安藤はゲームのチーム編成と同じように、強者が弱者を引っ張るような例を説明した。
「ルールがこうなっているということは、それが許されているということだろう。」
安藤も、こうしたルールの良し悪しについては理解しかねたが、少なくとも自分にとってはかなり便利であると感じていた。
「チームのメンバーはもう考えてあるのか?」
林に尋ねると、彼は首を振り、実際には考えずにただ提案しただけだったことがわかった。
「じゃあ、よく考えてみるよ……」
心紋が一緒に参加してくれるといいが、彼女は優等クラスのメンバーとチームを組む可能性が高い。そうなると別のプランが必要だ。現時点では、安藤と林の二人。次の候補は……
彼は尤川の部屋を訪れ、ドアをノックした。
「誰ですか?」
控えめな声が聞こえ、尤川がドアを開けると、そこには同級生二人が立っていた。
「何か用?」
「チームを組もうと思って。」
安藤は率直に目的を伝えた。尤川は事情を知り、快くうなずいた。
「チームはいいけど、私の実力で迷惑かけないかな?」
彼女は自信がなく、まだ低級魔法師の入り口に立ったばかりで、テストの時に緊張してしまうかもしれない。
「大丈夫だって、ただの遊びだから。」
安藤は林を前に押し出し、盾役にした。
「じゃあ、いいよ、私も参加する!」
「よし、それじゃあ、夜に練習場で集合な。」
「うん!」
林は少し不思議に思いながら尋ねた。
「彼女を選んだのはなぜ?彼女は仲間の体内の魔素を吸収するだけじゃないか?対戦では足手まといにならないか?」
安藤は首を振り、説明した。
「君は彼女の能力の本質を理解していない。彼女は吸収するんじゃなくて、調整するんだ。仲間の余剰魔素を、魔素が足りない仲間に移すことができる。こうしてチーム全体の持久力を高めることができるんだ。」
「チーム戦では弱点を補うことが求められる。低級・中級魔法使いは魔素量が低いから、舞台上で消耗戦になれば、このチームの優位性が大きくなる。」
「なるほどな、俺も同じことを考えてたぜ!」と林は親指を立てて見せた。
残りの二人の候補を考えた安藤は、普通クラスの区域へ行き、秦野を探しに行った。
小隊にはもう一人、コントロール型のサポート魔法使いが必要だと感じていた。彼女は水系を専修していると聞いており、適任だろうと思ったのだ。
「なんで私を?」
秦野は目を大きくし、戦いが苦手で、ランキング戦に興味がなかった。
「チームで遊びがてら参加しようよ。暇つぶしになるし。」
安藤はお決まりのセリフで説得し、秦野は少し考え込んだ末、答えた。
「まあ、試しにやってみてもいいかな。」
「よし、決まりだ!」




