戻る事のできない道~modorukotonodekinaimiti
例の家具の無い部屋にて、二人の男が喋っている
一人は以前部屋にいた男と同じ顔である
その男は白い服の上に色々な色の絵の具をぶちまけたような模様の服で、下にも同じように絵の具ぶちまけているようなジーパンを履いている
その男は、何も無い場所で何の意味も無く逆立ちをしている
「で、で、で、何のよう?」
もう一人は、逆立ちしている男を見下ろすように目を合わす
「にゃんで? 俺なの?」
と、その男が質問し返す
その男の服は基本白色で左袖だけチェックの虹色でズボンはキラキラ光っている
「単純、単純、単純な事だよ、作戦Dが開始されたときに絶対にナイターが潰しに来るから邪魔するのにもっとも適役なのは君だったってだけ~」
と、男は言いつつ逆立ちの状態からもとの状態に戻ると、その場に座る
「自然は複数相手じゃないときついんだけど」
「OK、OK、OK分かっているってもし相手が単体だったら、流石も手伝わせるから」
そうか、と言って虹色キラキラは後ろを向き扉に向かって行く
そしてドアノブを触って動きを止めると
「2年前みたいな事はもう無いよな」
その言葉によって軽く沈黙が降りる
するとさっきまでホノホノ顔だった男の顔が真剣な顔になる
「あぁ、もう絶対にあんな事はない、いやさせない、光に誓ってな!」
虹色キラキラはその言葉を聴いてから苦笑いにも笑みにも見える顔をして出て行った
世界変わって1日後の朝
昨日秀太の家から帰ってきた俺はまず、脳の中にパンパンに詰め込まれたデータの処理をおこなった
と言っても秀太が何言っていんのかさっぱり分かんなかったんだけど………
ま~簡単にまとめた結果
①超能力
②弔電子
③秀太が厨二病
あぁ最後は違うわ!
とりあえず、超能力、弔電子の二つだけはこの世界の常識だって事だけは昨日把握した
その二つの言葉を頭の中で何回も繰り返しながら俺は玄関から出る
ちなみに今日朝食は食べていない、なんか寝れなくて朝起きたときに腹が減ってないってたまにあるよな
ちょっと背中をつついてくる睡魔と闘いながら俺は外に出る
俺の家の玄関の隣に洗濯物を干す場所があるため、よって昨日窓から外に出て見た風景は今玄関から見える物とほとんど変わらない
やはり例の少年がスケボーの練習をしていた
昨日よりうまくなってるし
「後で、秀太の家にでも行くか」
と言いつつ、隣に位置するポストに手を伸ばす
中指と人差し指でポストの扉を開けると、中に真っ白でシンプルな封筒が入っていた
「珍しいな、俺に手紙なんて」
ちなみに親はロシアに妹は北海道に住んでます
俺は東京が地震によって崩壊したため今新たなる日本の首都になっている
島口県に住んでいる
俺は封筒をひっくり返して差出人を確認する
政府 からであった
俺なんかしたっけ特にやばいようなことをやった記憶なんて無いんだけど
などと考えていると昨日秀太や立見が言っていた事を思い出す
「超能力か!」
ちょっとスキッリした脳と手紙を持って家の中に入る
メガネどこやったっけ?
まぁ~いいやとりあえず手紙を読まないと
「さて、蛇が出るか蛇が出るか?」
あっ、それじゃ蛇しか出ないじゃん
とりあえず、と俺はちょっとふるえる手を抑えつつ封を破く
そしたら中には黄色と水色で装飾された手紙が入っておりそれを開いて読むと一番上に
[診断結果]
と書かれていた、健康診断?
それから意味の分からん文字などは無視して読んでいくと
最後に俺が知りたいことが書いてあった
[よってあなたの超能力は、ねじ曲げる 3 です]
「微妙~!」
てか、ねじ曲げるってどんな感じにするんだよ
それにどうやって使うの? 超能力なんて使った事ないからわかんね~
しかも3ってレア度?
俺はため息をついて
「やっぱり、秀太家に行くしかないよな~」
そのために俺は手紙を置いてそこらへんに捨ててある服をひったくると着替える
「洗濯は後でいいか」
俺は、ある程度家の中を片付けると手紙をポッケに突っ込んで外に出る
約15分後
「ピーンポーン」
「………」
またこのパターンかよ!
流石にもう引っかからないって
「ピーンポーン」
「………」
ふん、その手には乗らんぞ、絶対乗らんぞ
「ピーンポーン」
「………」
「ピッキング、俺できないぞ」
「だれすか」
昨日より深く仰け反ってしまった
「栄太」
てか、一回で出ろよ
「二階す」
「了解」
俺は昨日とは違い家に入ったたら靴を脱いで近くに位置する階段に足を向ける
その階段を上っていくと奥に並ぶように扉が3つありその中でもっとも手前の扉を開けるそしたら秀太がパソコンの前に陣取り周りには工具が散らかっておりそれらを駆使して自作ゲーム機を作っていた
「何でそんなもん作れるんだよ」
俺は周りの工具を払いのけて座る場所を作る
「簡単すけど」
作る?ときかれたので、丁重に断る
俺に作れるわけないじゃん
「それより、政府から手紙がきたんだけど」
「もしかして、超能力分かったんすか?」
あぁと言いながら俺は手紙をポッケから出す
軽く折れ曲がってしまっていた
「曲げるって書いてある」
「リアル系すね」
俺はオウム返ししかできなかった
秀太は自作ゲーム機を作るのをやめてこっちを向きながらペンチで俺を指す
てか、ペンチって使うか、ゲーム作るのに?
「人間が実際にできる事を強くした能力の事す」
「なるほど、折るとか、投げるとか、泳ぐとかそんな事?」
「大体そんなとこす」
秀太がペンチをおろして後はと言って秀太が立ち上がる
そしてさっきまで触っていたパソコンに何かを打ち込むと
「これだけあるす」
そう言ってパソコンをこっちに見えるようにする
想像系 火 水 電気 など
遺伝系 動物などの力を使う
ノンリアル系 現実ではありえないこと
チェーン系 二つの系統を持っている能力
などが一般的と画面に書かれていた
「勉強になります!」
俺がそう言うとちょっと鼻が高くなった秀太が言ってくる
「こっちの常識だから覚えておくす」
ちょっと鼻折ってやろうかと本気で思ってしまった
「超能力ってどうすれば使えるようになるの?」
「普通はテンズ波全身にあびせるすね」
「テンズ波?」
説明するすか? と言われたのでやはり丁重にお断りする
「で、それ浴びないと使えないの?」
「そうすね」
「どこで浴びれるわけテンズ波は?」
「都心集合タワーですね」
「マジで」
都心集合タワーは、ここから約32キロである
無理、行く気にならん
「まぁ~私なら違う方法でテンズ波を体にしみこませることは可能すけど」
「それで頼む!」
「即答すか」
そう言いつつ、秀太が俺の前から立ち上がると隣のタンスから変なカプセルを出す
しかもそれが異様にちっちゃい、蟻ぐらいの大きさだった
「これ飲むす」
「何これ?」
「この中にテンズ波がはいってるす」
「入ってんの!?」
ふ~んと言って俺がカプセルを受け取るとどこに用意していたのか
水も渡してくる
「直接浴びれば、数秒ですむんすけど、カプセルだと半日掛かるすよ、まぁ~他にも後一個だけ方法があるんすけど、遠いすからね」
「都心集合タワーやこのカプセル以外にも方法があるの?」
「まぁ~あんまり関係ないすっから、とっととカプセル飲むすよ」
了解、と言ってカプセルを口に含み水で一気に流し込む、飲み込んだ後に秀太を見ると
「すばらしい力に期待をするすね」
と言って不適な笑みを俺に向けていた。