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好意を無下にする生き物

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ネグレクトされて、糸が切れてしまった子の話。


余り家庭を顧みない人だった。偶に帰って来ては、愚痴のような言葉を絶叫する人だった。『死ねよ』、『あの年寄り』、『なんで私ばかり』そんな言葉を延々と聞かされた。幼いながらに何かしても素っ気ない態度ばかりとられた。御礼を言われた覚えはなかった。ただごみ溜の様に扱われた。

何時しかこんな事を思う様になった。人間というのは苛立ちに身を任せて、人の好意を無下にする生き物なんだと。矮小で、自らの事しか考えない生き物なのだと。


よく私に願い事をしに来る子がいる。願い事は決まって自分の母の事だった。母を許してあげて下さい。私よりもずっと限界なんです。これが彼女の口癖だった。

訳を思ってはくれないから、どんな状況に置かれているかは分からない。けれどもその母は随分と苦しい思いをしている様だった。幼少期から彼女の事を顧みない程に。

しかしある時、彼女は糸が切れた様に超常的な目をして、此処を訪れた。人を辞めた、限りなく『此方側』に近い目だった。

「あの人が辛い思いをしているのは知っています。私がこうして一人きりでご飯を食べて、寝るよりも、ずっと大変な思いをしているのを知っています。でも愚痴を吐いて発散する行いは、非常に醜い。私が行った優しさに気が付かず、愚痴を吐くことに躍起になるのを見ていると、『あぁ、この人は愚痴を言うことが好きなんだな。捧げた優しさを無視して、延々と愚痴を吐いて悦に浸る程。矮小な生き物だな』と思うようになりました」

血の繋がった親に対しても、超越的な思考を持って軽蔑を行った。今までの彼女とは考えられない行いだった。

この世界には言霊という言葉がある。言った言葉が本当になるという類のもの。普通の人間ならば、嘘にする事だって出来るだろう。けれども今の彼女は……。

「戻って来なさい。君はまだ、其方に行くべき人間じゃない」

顔を、頭を撫でて、ゆっくり言い聞かせる。少しづつ目に光が宿る。

「そう。人間性を失ってはいけないよ。戻って来るんだ」

神という生き物は、穢れをこの上なく嫌う。周りの汚れは勿論、人の悪口、負の感情も含まれる。それを拒み、徹底的な排除を目的とするのは完全に神の思考。それを許せて同調出来るのが人間臭さ。今、彼女は人間性を喪失しかけた。

「すみません。忘れる……事にします」

「私も聞かなかった事にするよ」

この子は叔母に育てられてます。優しいのは叔母のお陰。

でも叔母さんも忙しいから何時もひとり飯。一人布団。


偶に帰って来て、飲んだくれて愚痴を垂れる母を見て、

『私も寂しかったけど、あの人はもっと苦しい』

という思いから、

『許してあげて下さい。私よりもずっと限界なんです』

となってます。


なお帰ってきたら、不器用なりにご飯を作ってます。

でも食べたくない。捨てといて。という言葉を吐かれてます。


でも捧げても捧げても、見向きもせず、御礼を言われない様を見て、精神に綻びが出来ました。

依存して、作りあがったのが、場所に同調して、神様のような視点になった人格です。


生きながら神になる、つまり早死するのを引き止める為に、どうにか戻してます。

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