10/29
(二)-7
良い思い出のように語る子育て奮闘記を一通り聞いて、話は一区切りついたと思い、巨勢はカップのコーヒーの最後の一口を口腔内へと流し込んだ。
そのとき、思いがけないことを彩夏は口にした。
「実はね、この子、あなたの子なのよ」
その瞬間、巨勢は激しくむせかえってコーヒーをうっかり吹き出してしまった。
巨勢は慌ててテーブルの端に置かれているペーパーナプキンを取り、テーブルの上の黒い液体を拭き取った。
その姿を見て同じく慌てた彩夏は、お手ふき用のおしぼりで巨勢を手伝った。
(続く)




