ep8 初陣
戦闘シーン書くのムズすぎ!!!!!!
「へぇ・・・、もしかしてお前、
人間に味方するタイプの愚か者か?
だったらこの俺が粛清してやるよ!!」
レザーの両腕が、ベルトの様に伸びて私に飛んできた!
レザー・・・、つまり『革』だから、こいつはBタイプだ。
とすると、こういう風に腕を伸ばすのがあいつの能力に違いない!
私はなんとかとっさに避けようとする。
しかし、
「っ!!」
残念ながらその場から動くのが遅くて、
右足を打たれてしまった。
革で殴られた感触は、なんだかムチで撃たれたみたいで
かなり痛い・・・!!
打たれた傷からは少し出血している。
「オラオラァ、避けてみろよトカゲぇ!!」
奴の連続攻撃は止まらない。
2発、3発と私の足や腕が傷つけられていく。
「痛っった・・・!!」
あのムチみたいな腕の厄介な所は、
傷は大したことなくても
私の体に激痛が走るところだ。
一回なら耐えられたけど、
こうして何度も何度も喰らっているとやがてダメージが蓄積していく。
こっちも反撃しないと、やられる・・・!
「ふんっ!!」
私は一か八か、レザーの方へ飛び込んだ。
身体能力が上がっているから、
自分の想像の3倍くらい高くまで跳んでしまった。
「喰らえぇ!!」
その高所から、私は右腕を振り下ろし奴の胴体に爪を食い込ませた!!
よし、引っ掻けた!
しかし、
「あ、あれっ・・・?」
しまった、奴の革は私の爪よりも硬かった!
右手の爪は奴の皮膚に食い込んだまま、
動かなくなってしまう!
「へっ、そんなちんけな爪でこの俺の体を引っ掻けるとでも?」
レザーは私の腕を握りつぶそうとした。
「グアアアアッ!!!」
やばいっ・・・!
腕が潰されるっ・・・!!
私は無意識に奴の股間部を思いっきり蹴り上げた!
「ゴホォッ!!」
よし。
幸い、相手は男なのでこういう時に男の弱点を強打するのは便利だ。
学校の防犯教室でそうやって習っておいてよかった。
何とかレザーが悶絶している間に爪を引き抜くことに成功し、
一度奴と間合いを取る。
爪は効かない。
だったら、どう戦ったら良い・・・?
「お前このクソガキ・・・!!
高校球児様になんてことしやがる・・・!!」
「何が高校球児だよ!
もう何人も殺してるあんたが
甲子園に出られるわけないでしょ!!」
「何をォ・・・!?」
私はレザーと罵り合っている間に、
何とか打開策を考えようとした。
しかし、頭があまりよくない私は
結局なんにも思いつかない。
例えば、牙を使った所で、爪と同じオチだろうし、
尻尾・・・?
これで攻撃なんてできるのだろうか。
あぁもう!
トカゲって何ができるんだよぉ!!
と、その時!
レザーの伸びた腕が、私の尻尾を掴んでしまった!
「し、しまった!!」
「へっ、これでもう逃げられねぇな??」
「くぅ・・・、離せっ!!」
私は掴まれた尻尾を引っ張り、
奴の拘束から逃れようとする。
「無駄だ!
俺のピッチングで鍛えた握力に叶うやつぁいねえ!!」
レザーは私の尻尾を持っていないもう片方の腕をこちらに伸ばした!
まずい、これで心臓を貫かれたら終わりだ!!
逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃっ!!!
「うおおおおおおおおっ!!!!!!!!!」
ブチッ!
・・・ん?
私の体は拘束を離れていて、
あいつの攻撃をかわすことができていた。
何が起こったの?
私が後ろを振り返ると・・・。
なんと、私の尻尾が千切れていた!!
・・・あ、そっか。
トカゲって、緊急時には尻尾を切り離して
拘束から逃げ出すんだっけ・・・。
やっとトカゲの能力を活かす事が出来た。
「っ、テメッ、子ずるい真似をぉぉぉっ!!!」
・・・けど、ここからどうする?
またレザーは私に向って腕を伸ばした。
でも体の感覚がさっきと違う。
何だか、さっきよりも身軽だ。
尻尾が切れたせいだろうか。
それに、あいつの攻撃を何度も見ていたから、
段々パターンというか、あいつの癖が見えてきた。
私は・・・、何だか行けるような気がしてきた。
「今度は尻尾はねぇぞ!?
俺の腕で縛り上げてやらぁ!」
あいつの腕は、私の目の前に迫る。
かわせる。
今の私なら、かわせる!
私は体を右にずらした。
今度は私の身体のどこにも攻撃が当たらず、
レザーの腕はどこともない場所へ伸びて行った。
「見切られた!?」
レザーが驚いている隙に、私は
身軽になった身体を動かして奴の後ろに回り込んだ。
自分でも驚くほどのスピードだった。
トカゲは足が速い。
だから私の足も速くなったんだ。
「こっちだ、甲子園生!!」
「っ、しまっ・・・!!」
レザーが言い終わる前に、私は奴の後頭部を思いっきり殴った!!!
「ギャァアアアアアアアアッ!!!!!!」
レザーは壁まで吹っ飛んでいった。
まるで野球ボールみたいだ。
「これは・・・、勝った、のか?」
どうやら、幸運にも私は生き延びることが出来たようだ。
男子高生は、遠くに避難して震えながらこっちを見ていた。
「あのっ、大丈夫ですか!?」
「ひっ、ひいィ・・・!!」
おっと、このままの姿だとまずい。
・・・もう擬態解除する所も見られちゃってるから問題ないかな。
そう思って、私はいつもの姿に擬態した。
「に、人間に変身した・・・?」
「とにかく、ここから安全な所へ行きましょう。
ここにいたら、またあいつが・・・!」
「残念だったなぁ!この瞬間を待ってたぜぇ!!」
しまった、と思った時には遅かった。
あいつはやられたふりをしていたんだ。
レザーは私と男子高生を一緒に腕で縛った!
「わぁっ!!」
「くっ・・・、離せレザーエヴォルド!!」
うかつだった・・・!!
このままじゃ、私の不注意で私だけじゃなく
この人まで殺されてしまう!
「尻尾切った後に急に強くなったのはビビったけどよぉ、
初戦はまだガキ。甘ちゃんだなぁ。
死体チェックはちゃんとやっておかなきゃダメだぜ、トカゲちゃん?」
「うわああああっ、離してくれよぉ!!」
男子高生は恐怖で泣いて懇願している。
せっかく上手くいったと思ったのに・・・!
この世は残酷だった。
「俺を辱めた二人は、まとめて地獄行きだぁっ!!!!」
クソッ、クソッ・・・!!
結局、こんな所で無駄死にだなんて・・・!!
「ろくに戦えない癖に、正義の味方ぶるのはやめろ。」
突如、その声と共にレザーエヴォルドが燃え始めた。
「えっ、俺の身体燃え・・・、熱っ、あづいッ!!!ギャァッ!!!」
レザーは苦しみ悶え、私と男子高生を離した。
この紫の炎は、もしかして・・・!
「炎さん!?!?」
レザーエヴォルドの後ろに、
リベンジエヴォルド・・・、炎さんが立っていた!
「・・・守江に言われて来てみれば。
自分の力量くらいちゃんと自分で判断しろ。」
「ご、ごめんなさい!!
どうしてもっ、ほっとけなくて・・・。」
私は炎さんに謝罪した。
「・・・まあ、こいつは凶悪なエヴォルドの一人だ。
お前がこいつを見つけ出したのには感謝してる。
それに免じて許す。」
炎さんはいつも通りのドスの効いた声でそう言った。
「お前っ・・・、噂になってるリベンジエヴォルドか!」
「口をつぐめ、クズが。
私は店番やら何やらでイライラしてるんだ。」
リベンジとレザーが対峙する。
新たなる戦いの予感がした。