高校一年生(後半)
十二月頃に、ようやく失恋から立ち直った(完全ではないが)。自殺しなくてよかったと思います。軽音楽部の活動も普通にやりつつ、実は生徒会にも所属していました。
生徒会は卒業式の準備で慌ただしくなり、生徒会のメンバーと一緒に作業する時間が増えました。作業しながら喋っていると、心がすごく落ち着きました。特に、同期のYさんと喋っていると、今までの嫌なことを忘れることができました。
その理由は考えるまでもありませんでした。俺は次の好きな人を、癒しを探し求めていたのです。だから、俺はその子にたくさん話しかけた。
「Yちゃんのこと好きなの?」
「まぁ……そうかもしれない。やっぱり、分かりやすかったかな?」
「うーん、それもあるけど、Yちゃん本人が私に相談してきたの」
でも、それを相談している時点でだいたい察した。おそらく、彼氏がいるんだろうなぁ。もしくは、好きな人がいるとか。その予想は当たった。
二月に入って、S君がカミングアウトしたのだ。Yと付き合っているということを。
S君は性格も顔もイケメンで、俺は「そうだったんだ」以外の言葉が出なかった。いつかの恋と同じく、割と最近付き合ったという話だった。ひしひしと敗北感を味わいながら、気持ちを押し殺した。
*二年生へ続く




