2つの交差する世界
身体強化魔法を受けたハヤトと呼ばれた男は右肩から光の粒子を撒き散らしていた。
「ハッ!!」
「は?」
強くなる前でも運よく避けれただけなので最早、避ける事さえできなくなっている。
「くっ、頑丈な奴だな。」
「そうだけど、何で彼女攻撃してこないんだろう?」
「そういえばそうだな。」
ガコン
「? おいリース俺達以外にこの塔に人なんかいたか?」
「いないよ何を言ってるの? ハヤト」
二人の会話が気になり扉の方を見ると白いマントを着た複数の人がいつの間にか立っていた。
「あの人達は⁉」
「知ってるのか? あれは一体誰なんだ。」
向こうが話してるのを気にせず、白マントの集団は気がついたら俺を包囲して地面に何か描いていた。
「何やってるのあの子は⁉ ハヤト今すぐあの子を助けるよ‼」
「一体何者何だあいつら! 知ってるなら教えてくれ‼」
「あの白マントに三角形の中に目が描かれているのが見える?」
「・・・まさか、フリーメイソン⁉」
「何だ知ってるじゃない、ある噂によると影から魔族を操っているみたいな話もあるほど不可思議な組織よ。」
「くそ‼ 急ぐぞ‼」
フリーメイソンと呼ばれた組織は地面に描き終わったようなので話しかけてみた。
「あの、すみません少しいいですか?」
「何だい? お嬢ちゃん。」
「何をやっているのですか?」
「それはね、お嬢ちゃんを強くしてあげようと思ってね、少し待っててね直ぐに終わるから、それと邪魔者は排除しておかないとね。」
そう言うと白マントの何人かはフランベルジェやジャマダハルといった一風変わった武器を手に二人組に襲いかかった。
「さて、それでは此方も始めるとしようか、この世界でNew world order計画の実験場になって貰おう。」
「待ってください今New world orderて言いました?」
「おや、知っているのかい?」
「はい地球という場所で私の友人に竜胆という警察官がいるのですがその人が口に出していましたから、確か人類牧場計画でしたっけ?」
そう発言すると白マントは驚いた表情をして何やら呟いていた。
「お喋りはここまでにして始めましょうか、この実験が成功すれば委員会にとって私達がどれだけ重要なのか示せる筈ですから。」
そして白マントは呪文を詠唱し始めた。