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社会、世界、会社、世界。

作者: hihumi

 ぼくらは、契約した。社会と契約した。そうすると、社会が現実のものとなった。社会は、ずっと昔からここにあったような顔をし始めた。ぼくらは、それを気に入ったり、気に入らなかったりした。だから、なるべく好きになるために、社会を変えようとした。


 だけど、あまりうまくはいかなかった。


 社会は、ぼくらより大きく強かった。ぼくらはそうではなかった。


 ぼくらは、社会を変えようとしたけど、やったことといえば、ぼくら同士を闘わせることだった。社会は、笑い顔をし始めた。社会は、ぼくらを笑い始めた。ぼくらは、お互い闘って闘って闘いまくった。そのうち何のためにそんなことをしているのか忘れてしまった。


 あるとき、誰かがこう言った。「世界はもっとすごい」。


 その誰かの言った、世界を理解できる者はそんなにいなかった。だから、世界がぼくら全員のそばにいることに気付かなかった。いまでもそれはそんなに変わらない。世界と契約することを考え、実行する者は、少し頭がおかしいとされ、社会の隅に追いやられる。


 そして、社会がもっと笑う。


 あるとき、ぼくらの誰かがこう言った。「会社を作ろう」。


 社会は、にやにや笑いをした。


 ぼくらは、会社を作り始めた。会社は、具体的だった。目的がお金儲けだったからだ。ぼくらは、お金儲けに夢中になった。お互い喧嘩もしたけど、もっと仲良くなったりした。


 こういうことがずっと続くと思っていた。


 だけど、それは間違いだった。


 もうすぐ会社はお終いになる。


 良いことといえるかどうかわからないけど、たぶん、社会もお終いになる。


 ひょっとすると、世界のことを理解できるようになるのかもしれない。


 でも、たぶん、もう間に合わないんだ、そんな大きなことには。

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