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3つ目
私たちは生まれた時からずっと一緒だった
どこに行くときも、何をするときも
彼女が走れば私も走り、彼女が止まれば私も止まった
ただ、私たちはそっくりだったわけではなかった
私は泳ぎが苦手だったから、彼女と同じように泳ぐことができなかったし、暗闇も苦手だった
暗闇に私の全てが飲み込まれた感覚がしたのだ
他にもいくつかの違いはあったが、それからも私たちは多くの時間をともに過ごした
きっとこのまま私は彼女が死ぬまで一緒にいるのだと思う
けれど、彼女が死んだとき私は彼女の傍にいたままだった
生まれた時が同じだから、死ぬ時も一緒なのだとずっと思いこんでいた
もう動かない彼女を、私はじっと傍で見守った
彼女の遺体が親族に見送られながら火葬場に入ったとき、私は暗闇とは異なる、私の全てが消えていく感覚がした