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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第一章 異世界へ
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8 訓練~魔法特訓を添えて~

訓練メインと思った? 残念! 魔法がメインでした!

 食事を終えて、訓練場に戻って来た優太達は、模擬戦の続きを始めたのだった。


「さあぁて、後半最初は誰がやりますかな?」

「うっし! じゃあ、俺が行くわ!」


 そう言って、前に出たのは大地だった。


「まずは、ダイチ殿からか、よろしく頼むぞ!」


 ジークは、頷くと武器を抜いた。それを見て大地も武器を選ぶ。


「じゃあ、これにするかな、剣とか斧とか使いなれねぇし」

「ほう、手甲とは珍しい得物を使いますな」


 大地は手甲を着けると、手を開けたり閉めたりを繰り返して、つけ心地を確かめている。


「いい感じだ」

「それでは始めますぞ!」


 そうして、午後の訓練が始まった。




 訓練は順調に進んで行き、今は晃がジークと手合わせをしている。

 もちろん、優太はこの後の一番最後だ。


「ヒカル殿! 流石は経験者ですな、動きは中々ですぞ! これならば我を抜くことも出来るでしょうな」

「あれだけ攻撃して……掠りもしないなんて……」

「こればかりは、経験の差ですな! ヒカル殿も経験を積めば強くなれますぞ!」


 ジークは快活に笑いながら、晃にフォローをしている。

 そして、優太の方を向くとニヤリと笑いながら優太に近寄っていく。


「さぁ、最後はユウタ殿ですな……」

「……よろしく」


 優太はそう言うと、武器の中からロッドを一つ抜いた。

 それを見て、ジークも剣を構える。


「では、かかって来て下され」

「爆裂せよ火球〈ファイヤボール〉」


 ジークの言葉に、優太は間髪入れずにすぐさま魔法を唱え、ジークの足元に着弾させる。

 爆発により立ち上った砂煙に、さらに優太は魔法を叩き込んだ。


「凍てつく吹雪の散弾〈ブリザードショット〉」


 砂煙を蹴散らし、氷の柱が出来上がる。


「ふっふっふー、爪が甘いですなぁ」


 しかし、ジークは何事もなかった様に、優太の後ろに立ち優太の首筋に剣を突き付けていた。

 優太は両手を挙げると、困った用な顔を作り……


「参った」


 と一言言ったのだった。




─────────────────────────────




 その日の戦闘力調査らしき事が終わり。優太はリティの元へと来ていた。


「ススムからは聞いている……早速始めていこうか」

「信用しきった訳じゃねぇんだがな……まぁ、やるしかないか」


 今から始めようとしているのは、魔力を直接的に操る練習だ。

 本来ならば、魔力は詠唱や魔方陣での属性付けや媒体が無ければ操作は出来ない。

 しかし、優太の場合は固有能力によって媒体無しでの操作が可能なのだ。


「…………」

「…………」


 優太が手の平に意識を集中させる、その姿をリティは後ろから見ていた。

 そんな中、優太の手の上に極僅かだが変化が起きていた。


「……分かり難いが、陽炎の様に揺らいでいるな。念のために広い場所にしたが杞憂だったか……」

「ご期待に添えず申し訳ないな」


 その場所は、リティの研究室の中でも空間魔法を使った部屋で機密的な魔法を研究する部屋でもある。

 これは、優太の希望に応えた結果だった。


「これを実用可能にするにはどうしたら良いか、専門家からの意見が欲しいんだ」

「ほう、ならば魔力量を増やすのが現実的だろう」


 リティは優太の質問に、あっさりと答えて見せた。

 そんなリティに優太は「何故だ?」と視線で先を促す。


「本来ならば魔法には媒体を用いた方が効率も良いし、威力も出しやすい。しかし、それは媒体や魔方陣等に既に魔力が込められているからにすぎない」

「確かに、ドラ◯エでも杖を装備した方が魔法の威力が上がるな……」

「……? なんの事かは分からんがそう言うことだ、媒体無しで魔力を使うと言うことは100%自分で捻り出さないといけないわけだ」


 リティの説明に納得しつつ、優太は首を傾げる。


「で、どうしたら魔力量は増えるんだ?」

「基本的なものなら、座禅を組んで精神統一する、俗に言う瞑想が一番だな」

「あぁ、ド◯クエでも瞑想はMP回復の技だからな」

「さっきから、何か解らんが……そう言うことだ」


 リティは内心、謎の冷や汗をかいていたが平常心を装いつつ、優太に頷いていた。


「本来ならば、魔力量を増やすには毎日瞑想をして、大体3ヶ月で良くて100~300が精々だが……お前の固有能力ならば1000は固く上げれるだろう」

「そうか、じゃあ早速やっていくかぁ……面倒だな」


 グチグチと言いながらも、優太は座禅を組み意識を集中させる。

 その間、リティは別件の新魔法の資料に目を通し、改善点を探そうと視線降ろした。

 その時だった、濃密度の魔力の奔流、それを身近に感じたのだ。


「な、なんだ?! これは……結界の強化をしなげれば!!」

「…………」

(集中している……しかし、たった数分でこんな……ススムが心配するのもわかるな……)


リティは、結界の強化を進めながら優太の才能に内心戦慄するのだった。




 数時間後、晩御飯の時間ということで、今日は解散と言うことになった。


「ユウタ、帰る前にステータスを見せてくれないか? 勿論、偽造なしでだ」

「まあ、それぐらいなら大丈夫だ」


 リティは、優太からステータスカードを受け取る。

 進から大体を聞いていた為魔力も固有能力の事も知られているリティには見せても大丈夫だと優太は許可したのだ。


「これは!!」

「どうしたんだ? そういえば、俺もまだ確認してな……は?」


 リティのリアクションに、さらに覗き込んだ優太も固まる。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 矢野優太 16歳 Lv.1

 性別 男 種族 人族

 職業 魔導士 特殊職 転移者/救世主

 体力 :20

 攻撃力:20

 防御力:20

 持久力:20

 敏捷力:20

 魔力 :2000

 魔防 :2000

 固有能力 〈魔法創造〉

 スキル 言語理解(固定) 魔力増加特大 魔法鉄壁 真・瞑想

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「たった数時間で1000も魔力が増えている……だと……」


 優太の言葉に、リティは冷静に考察する。


「恐らくだが……この新しいスキルが原因らしいな」


 真・瞑想……瞑想をした時に、集中力に補正をかけて魔力増加を手助けする。


「魔導士なら喉から手が出るほど欲しいスキルだな」


 リティの言葉に、優太は頷くとリティに質問をする。


「大体どのくらいの魔力量が必要なんだ?」

「目安とするなら5000は欲しいな」


 そうリティが答えると、優太はニヤリと笑うと不適に言う。


「10000有れば余裕で行ける訳だ」


 優太の言葉に、リティは目を見開き聞き返す。


「10000だと!? 正気か?!」


 リティの驚きをよそに、優太は帰る準備をする。

 リティがなにかを言う前に、優太は指を突き付けると笑いながら……


「魔力が10000超えたらまた来る」


 と、それにリティはため息をつくと、優太に有るものを投げ渡す。


「これは?」

「空間魔法の媒体と成るものだ、それだけ魔力が増えたなら必ず必要になる」

「じゃあ有りがたく貰うよ」


 優太はそう言うと、今度こそ自室へと帰って行ったのだった。


「黒の賢者の再来か……」


リティの呟きは、誰に届く事もなく広い部屋なかで静かに響くのだった。




 ─────────────────────────────




 その頃、ジークは近場のダンジョンに来ていた。


「ここなら、救世主様方の実力でも難なく経験を積めるだろう」


 訓練が終わってすぐで、大体3~4時間で着ける場所に有るためジークは実戦訓練のダンジョンはここと初めから決めていたのだ。


「ふっふっふっ、明後日が楽しみだ」


 ジークは楽しそうに笑うのだった。

 救世主達驚く顔を思い浮かべながら……

リティの意味深な言葉、フラグが拾えるのは何時になるやら……( ・ω・)

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