7 過去を知る、能力を知る
やはり、遅い! 遅いぞ! 止まって見える!(更新が)本当にすいません
何処から話そうか……あれは、夏の暑い日。
まだ、五歳位だった俺は父さんにボールを持って、公園に行きたいと言ったんだ。
まあ、五歳の子供なら当然、公園で遊ぶだろ? 父さんは微笑んで頷いてくれた。
俺は喜んだ、跳び跳ねてはしゃいでいた気もする。
『こら、危ないから一人で行っちゃ駄目だよ……ほら』
父さんが手を繋ぐ様に、手を差し出す。
『うん、おとうさん! はやくはやく!』
父さんの手を掴んで急かしたんだったな。
公園に着いて、遊び始めた。その日は休日だったのか幼稚園の友達も何人か居て、皆で遊んだんだ。
『皆でボールで遊ぼ!』
『じゃあ、僕のボール使っていいよ!』
皆でボールを使って遊んでいた、父さんもベンチに座ってこちらを見ていた。
その時だった、大きく跳ねたボール、追いかける俺、同時に駆け出す父さん。その公園は、すぐ近くに道路が敷いてあった、運悪くボールは車道へと跳んでいき、俺も勢い剰って飛び出した。
『優太!!』
目の前に迫る車、同時に衝撃に飛ばされる。しかし、その前に父さんが俺を抱き締め庇ってくれたお陰で“俺”は軽傷で済んだ……
そこまで話し、優太は一旦話しを切った。
「“俺”は……それじゃあ、君のお父さんは……」
「死んだ。強く頭を打っての脳内出血らしい」
優太の言葉に、進は表情を暗くする。
優太はそれに気が付くと「続けるよ?」と薄く微笑み、進も頷いて先を促した。
その後、救急車で病院に運ばれ。しばらくした後、母さんが来て俺を抱き締めてくれた。
その時まで放心状態だった俺は、何とか言葉を紡いで言った。
『……お…父さんが……』
『大丈夫だから、優太。お父さんは大丈夫だから……』
その後直ぐだった。父さんが死んだのは……
数日後、父さんの葬式の時に周りの大人達は俺の事を見ては、『可哀想』、『美紀さんも大変ねぇ』などと同情している。
『ゆうくん、だいじょうぶ?』
そんな時に、俺に話し掛けて来たのは幸子だけだった。俺は気の抜けた返事を返しただけだった。
『うん、だいじょうぶだよ』
『うん! ゆうくん、わたしはずっとゆうくんのそばにいるよ……だから、そんなかなしそうなお顔しないで』
泣きながらそう言う幸子に、『うん』と笑って頷いた。
それから数年経って、小学三年の時に周りの大人達の雰囲気に当てられたのか、同級生達は俺と距離をとっていた。
『ゆう君! 一緒に遊ぼう!』
幸子はそんな中でも、変わらずに接してくれた。
それが嬉しかった……でも、そんなある日、俺は見たんだ幸子が俺の事でいじめられているのを……
『何で、お前あんな奴と話してんの?』
『そうだよ、いつも黙ってて気持ち悪いし』
『あ! 分かったこいつ友達いないから、あいつしか話し相手が居ないんだ!』
そんな話し声が聞こえてきた。
俺は、これで幸子も離れて行くんだろうなと思った。
その時だった……
『……わるくない』
『はぁ、何だって』
幸子は、目に涙を貯めながら、そいつらに言い返していた。
『ゆう君は、気持ち悪く何てない!!!』
『ゆう君は、どんなに辛くても弱音を吐かないし! 周りを心配させない用に無理して笑える強さと優しさをもってるから……』
『そんなゆう君の悪口を言わないで!!』
幸子の心からの叫びだった。
『バレてたのか……』
そんな言葉も、そいつらには関係無くて『泣き虫幸子癖に!』と幸子をいじめ続けた。
幸子は耐えてた、涙を貯めながら必死に……だから、俺は決めたんだ幸子を守るって。
『お前ら!! 幸子をいじめるな!!』
その後、俺はそいつらにぼこぼこにされて、幸子は泣いてて。
『グス……ゆう君……ごめ…ごめんね……うっ、うぅ』
『……幸子、泣くな……俺、さっきの幸子の言葉が嬉しかったんだ……だから、俺も幸子に笑ってて欲しいんだ……だから、泣くな』
『確かに、俺は周りに気を使って無理して笑ってた……でも、少なくとも幸子の前では無理なんてしてない、心の底から笑えてた……だから、幸子にも笑ってて欲しいんだ』
俺の言葉に、幸子は最初はキョトンとしていたが、しばらくしてニコッと笑うと『うん!』頷いた。
その後、俺はその事を先生達に言った後、幸子と一緒に親たちに報告して、それから幸子がいじめられる事は無くなった。
『ゆう君! ありがとう!』
それから俺は、なるべく周りと距離を取るようにした。そうすることで俺はいち早く悪意に気付ける用に、幸子を守る為に……
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優太の話しが終わると、進はなんとも言えない、苦い表情をしていた。
それは、辛い過去でいじめに関しても教師として、看過できない問題でそれは、優太が他人と距離を取るには充分過ぎる理由だった。
「その経験から、一人での行動ですか?」
「俺の主観のみでの判断の方が、後々の行動を起こし易いとおもったからな」
優太の言葉に、進の表情は暗くなるばかりだった。
そんな進の表情を見て、優太は軽く笑いながらこれからの事を少しだけ話した。
「まあ、そんな暗い顔するなよー先生……仲間は探すつもりだし、信用できる仲間を見つけりゃあいい話だ」
「その信用できる仲間を見つけるのが困難なのでしょう? はあ、君を止めれ無いのが情けなくてしょうがない」
優太の話しから、仲間を探すつもりが無いことに気付いた進だったが、それでも止めれずにいる自分が恥ずかしかった。
「これでも、先生の事は信用してる……だから、先生に俺の本当の力を教えるよ」
優太は、進にステータスをと本当の固有能力を教え始めた。
「まずは、ステータスなんだが……魔力と魔防が……1000だった」
「ホワイ!!」
「えっ? 先生? なんか怪しい外人みたいな反応だぞ?!」
さっきまでのシリアスさんが、似非外人に吹き飛ばされた!
優太のツッコミも気にせず、進は「えっ? えっ?」と戸惑い続けている。
「いや、1000って? 平均10が普通で凄い人が100超えだときいたのですが?!」
「うん、まあこれで驚いてたら次は心臓が止まるかもね」
優太の言葉を聞いて、進は「この上が有るのですか!?」と目を見開いている。
「俺の能力〈魔法創造〉これの能力をカードを渡す時に書き換えたんだ」
「え? でも、魔法組み合わせて新しい魔法を作る能力だって」
「それは、ごく一部で本当の能力は……魔法に関係する物、事象、存在に干渉する能力だ」
………………………
しばし、沈黙……
そして、
「はいぃぃぃぃぃい!!!」
進は絶叫した。
「うおっ!? びっくりしたー」
「いやいや! びっくりマンチョコしたのは先生ですよ!!」
「え? びっくりマンチョコ? そんな事より話を進めますよ?」
進が落ち着くを待ち、優太は続きを話す。
「本題としては、この力を使いこなす為に色々試してるんだけど……これが中々に難しくて」
「そうですか、それならばリティさんに頼むと良いと思います」
優太は、進の言葉に鋭い視線を飛ばす。
その視線は、一概に「信用できるのか?」と言う疑いの視線だった。
進は、視線の意図に気が付き、頷きながら続きを話す。
「彼女は良くも悪くも、魔法への探求心が強いので研究の協力と言えば秘密裏に手を貸してくれると思いますよ」
優太は、進の人を見る目は信用している。この先生はあちらの世界に居たときから人当たりが良く。また、悪い事を悪いと言える自我の強さもっている。
その為、優太は進に「分かった」と一言頷いた。
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時間は食堂へと戻り……
リティは、進の表情に気が付いていた。
「どうしたんだ? ススム? 体調が優れないのか?」
「いえ……その、リティさん少し宜しいでしょうか?」
進の言葉に、若干の戸惑いを見せるものの、リティは頷き、進と共に食堂から出ていく。
「ススムどうしたんだ? いきなり連れ出して……」
「ええ、実はお願いが有りまして……」
「この前話していた生徒のことか?」
「はい……彼の力になって欲しいんです……」
進は、リティにそれだけを言った、ただそれだけでリティは進に頷いて見せた。
「全員食べ終えたな! では、午後の訓練に移るぞ!」
食堂内からそんな声が聞こえ、進はリティと頷き合い食堂へと戻っていくのだった。
優太は、二人の会話を聞いていた。「お節介焼きめ」と優太は少し嬉しそう笑っていた。
「この力は、どこまで使いこなせるかな?」
優太は柄にも無く、わくわくしていた。
アニメや、小説のようなこの力に、そしてそれ以上に恐れてもいた。未知の力に、見えない敵に……
おまけ
優「いつから……俺の能力を二つの魔法を組み合わせるだけだと錯覚していた。」
進「なにぃぃい! ありのまま今起こった事を話すぜ! 認識していた能力よりも物凄い能力を持っていやがったぁ! 何を言ってるか解らねぇと思うが俺も何を言っているか解らねぇ!」
優「魔力、魔防にいたっては1000だ!」
進「嘘だ!」
……何だ……この茶番は……
幸(久しくやってなかったおまけだよ)
作(こいつ脳内に直接!)
文字数稼ぎのおまけだよ! ネタは分かりますかね? 少し不安ですが……おまけは基本キャラ崩壊。あと、おまけは基本会話文なので分かりやすく名前を着けます。
優太→優と言う感じです。