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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第3章 四賢者の試練巡行
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63 千夜の料理と魔道車の試乗

半年ぶりのこっちの更新!

 魔道車が試乗を残して完成し、お昼になった時のことだった。


「ユウタ様、私がお昼を作ります」

「……え?」

「わー、楽しみです!」


 一応千夜には買い出し様にお金を渡してある。

 千夜の甲殻をルートが高額で一枚買ってくれたので懐も暖かい。

 しかし、問題は千夜の料理の腕である。


「時間は有りましたし、任せて下さい」

「……分かった頼む」


 自信有りの様子な千夜に優太は渋々ながら頷いた。

 それを見た千夜は意気揚々と優太の空間魔法の一室から食材を持ってくる。

 持ってきた食材は余っていたビックボアと此方で買ったと思われる何かの肉だ。


「このお肉はバトルブル……牛肉です」

「何を作るのでしょうか?」

「おー?」


 二つの肉を千夜は素早くミンチにすると、ボールに入れ、玉ねぎをみじん切りにする。

 次に温めていたフライパンに玉ねぎを入れて飴色になるまで炒め、少し冷ます。

 そしたら、パンを細かくした物、冷ました玉ねぎ、牛乳、調味料を入れて手早くかき混ぜる。

 出来た物を両手で交互に叩き付けるようにして空気を抜き、形を整える。


「何だか凄く手際がいいです!」

「おお! ぱんぱん、ぱんぱん」

「後は焼くだけですね……」


 最後に出来た物を油を引いたフライパンに並べると、焼き加減を見ながら蓋を閉じて蒸し焼きにして。

 数分後、焼けた物に少し串を指して焼き具合を確認したらお皿に移し、フライパンに残った肉汁にケチャップ等を混ぜてソースを作り均等に掛ければ……


「ハンバーグの完成です……私は後でいただきますので焼き続けます、要らなくなったらお申し付け下さい」

「……一体何処でこんなレシピを?」

「企業秘密でございます」


 千夜の言葉には反応せずに優太は準備されたナイフとフォークでハンバーグを一口サイズに切る。

 ナイフを入れた途端に溢れる肉汁……満を持して口にいれると……


「う、旨い」

「美味しいです! おかわりです!」

「ルナもー」

「ふふ、勿論です……後でお肉買い足しておきましょう」


 こうして、不安な昼食はつつがなく終わりを告げたのだった。




 ────────────────────




 昼食が終わればいよいよ、魔力駆動式高機動荷車の試運転の時間だ。

 この試運転が上手く行けば、女神の神塔に行くのがかなり楽になる。


「先ずは俺が最初に乗って問題が無かったら、次にレイナ、千夜の順番で行くぞ」

「ルナは?」

「ルナにはまだ早いからな、もう少し大きくなってからだ」

「うん、わかった」


 素直に頷くルナを撫でると、優太はさっそく魔道車に乗り込んだ。

 魔道車の仕組みはシンプルだ、エンジンの代わりに魔力を動力にしているためか音も驚く程静かでスライムクッションと千夜の甲殻から作ったタイヤも安定しており衝撃も殆ど感じない。

 車内も快適なっている上に、外装は全て千夜の素材の為、物理的処か魔法も弾く。


「これは……あっちの世界の車より高性能だな……」

「凄いです!」

「私も興奮を抑えられません!」

「おとうさんすごい!」


 一通り走らせて出発地点に戻って来たら、三人が眼を輝かせて近寄ってくる。

 その後だが、取り敢えずレイナと千夜も試運転をする。


「う、運転? が思ったより難しいです」


 レイナは曲がったり等の操作に苦戦するものの走らせるのには問題無く。


「成る程、コツを掴めば中々楽しいではないかぁ!」

「千夜、中身が出てるぞ」


 千夜は速攻で乗りこなしていた。

 しかし、魔道車が完成したとなればなるべく早く女神の神塔へと向かう事にするのだった。




 出発は明日にして、夜はルートと話し合いをする事になった。

 商人ギルド直轄の飲食店で、食事をしながらの商談に使われる個室に優太達は居た。


「成る程、魔道車とやらは完成したみたいだな」

「ああ、おかげさまでな」

「スゴいですよ! ビューンです!」

「いいえ、レイナ様……ギュイーンでございます!」


 「ビューンです!」「ギュイーンです」と子供の様なやり取りをしているレイナと千夜をほっといて優太は話を続ける。


「明日には出発する予定だ」

「急……いや、そもそも急ぎの予定だったか?」

「約束が有ってな」


 優太の言葉にルートは「そうか」と少し残念そうな顔をする。


「分かった、旅の物資は俺が集めてやる……それに話しておきたいことも有るしな」

「それは助かるが……話しておきたい事ってなんだ?」


 優太の質問にルートは言いづらそうに答える。


「実は色々と調べた所、どうやらおまえ達を狙った暗殺部隊がいるみたいだ」

「もしかして、“敵”の差し金か……」

「その“敵”とやらが何かは知らんが用心しろよ……」


 食事も一通り終わり、席を立つ優太達にルートは声をかける。


「後、もしもハガン帝国にクーデターを起こす時……手伝って貰えるか?」

「約束は出来ない……だが、できる限りの事はする」

「そうか」


 優太の返事にルートは頷く。

 いよいよ明日、人族の賢者香里奈との約束を果たすために女神の神塔へと向かう。




 ────────────────────




 翌朝、宿屋の馬車置き場には既にルートが来ており。

 食料や日用品等を大量に持って来ていた。

 更に少し歪なものあった。


「なあ、この鍵の付いた扉は一体どおして必要なんだ?」

「俺のこの鍵は扉が有れば何時でも空間を移動できる」

「成る程……つまり、ドコ○もドアでございますね!」

「……色をピンクにするのもアリだったか」


 千夜のどうやら優太の記憶を知っているらしいボケを適当に拾いながらルートに説明する。


「この鍵は、扉の鍵穴に差し込むと扉を登録出来て自由に行き来出来る……」

「成る程、扉を常備出来ればこれを媒介にして即座に駆けつけれる訳か……」

「空間魔法を使ったバックと合わせるとまんまドラ○もんですね」

「俺は数センチ浮いて無いがな」


 暇を持て余した千夜のボケを又もや華麗に消化する優太。


「チヨさん、ユウタさんの邪魔しちゃだめですよ?」

「チヨ! あそぼう!」


 見かねたレイナがチヨを連れて行く。

 どうやらルナも一緒に魔道車を入れてある空間で遊んでいるみたいだ。


「俺のスルースキルもだいぶ上がったみたいだ」

「ルート、頼んでいた地図は?」


 優太の言葉にルートは一枚の地図を広げると、指差しで優太達の行く場所を説明する。


「お前達がこれから行く女神の神塔はハガン帝国の隣の国である、アーティア聖国に有る」

「国境を超えるには、関所を抜けないとダメだな」

「関所を通らなくても行けるぞ……森の道を外れれば廃教会が有る、そこの近くを通って抜ければ女神の神塔に行ける筈だ」


 ルートは更に幾つか警告をする。


「ここを通るってことは暗殺部隊に大義名分を与える物だと思った方が良い」

「問題ない、返り討ちにするだけだ……」

「後もう一つ、廃教会だが……最近不穏な話を聞くようになってな、それにも用心した方が良い」


 ルートの言葉に優太は首を傾げる。


「不穏な話?」

「ああ、どうやら何か良くないものが出るだとか……周辺の地面が緩んでるだとかな」

「分かった、気を付ける」


 優太は頷くと、魔道車を別の空間へと収納する。


「森に入れば奴らは襲って来るだろうが……無事に帰ってこい」

「ああ、世話になった」

「ルートさん、ありがとうございました!」

「げんきでね!」

「また、お会い出来る日を楽しみにしてますね」


 各々がルートに別れの言葉を告げる。

 四人を見送ったルートは、両頬を叩いて気合いを入れる。


「さてと、俺もやることやりますか」


 ルートはそう言うと、表情を引き締める。

 こうして、優太達は次の目的地女神の神塔へと向かうのであった。

次回、暗殺部隊の襲撃と教会の真相

レイナ「相談の結果、ギュビューンになりました」

優太 「俺はブブーンだと思うが」

レイナ・千夜「!!??」

※会話の内容は本編とは関係ありません

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