59 反乱分子と商人ギルド
マリオRPG、百回スーパージャンプまで終わらせてしまったよ
優太達は女性から貿易船の現状を聞いた後に別室へと案内された。
紹介状の主がクリエスティアの商人ギルドの会長ルートだった為、詳しい話はハガン帝国の商人ギルドの会長がする事になった。
「少々お待ち下さい……」
「凄い豪華な扉ですねぇ」
「おっきい!!」
クリエスティアでは個室だったが、こちらは会長の部屋なのだろう扉は派手な装飾が施されていた。
女性が扉をノックすると中から「入れ」とかなり若い男性の声が聞こえた。
「失礼します。お兄様、ルート・ルーウェン様の紹介状をお持ちのお客様をお連れしました……」
「ご苦労、ユイ……もう戻っていいよ」
部屋に入ると20代程の男性が大量の紙の束がある机でてきぱきと紙に判子のようなものを押しては二箇所に別けて置いて行く。
「はい、失礼しました」
ユイと呼ばれた女性は頭を下げると部屋から出ていく。
それを見送ると、男性は椅子から立ち上がり近くの応接用のソファへと移動する。
紙の束で見えなかった男はかなり質素で商人にはとても見えないがどこか気品が有るように見えた。
「どうもはじめまして、エミル・サーベインと言います以後お見知りおき下さい」
「ユウタ・ヤノだ」
「レイナ・ヘンティルですよろしくお願いします」
「ルナ!」
それぞれの自己紹介を済ませると、エミルがソファへと三人を促し自分もソファへと腰を下ろす。
それを見計らった様にユイが4人分の飲み物を机に置いていく、ルナには何かの果物のジュースを置いている。
「ありがとー」
「ふふっ、お礼が言えて偉いね」
無邪気なルナに、ユイは優しく頭を撫でている。
エミルはそんなユイに軽く注意する。
「こら! すみません、妹は子供好きでして」
「問題ない……」
「ふふ、ルナ良かったですね」
ユイが出て行って、エミルは早速本題に入るのだった。
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場所は変わって、ルートはとある貴族の屋敷に出向いて居た。
その貴族は気性の荒い実力主義の帝国では珍しく穏やかで真面目な人物だった。
「お招き頂き光栄です、ヘンティル卿」
ルートは恭しく頭を下げなから30代位の気品の有るの男性に言葉を掛ける。
男性は気品の中にそれ相応の存在感を放っている、昔は今は亡き兄の副官として剣を振るっていた。
「そう畏まらないでくれ……私達の仲だろう? ルート」
「まあ、そう言うなら……それより本気なのか? ヘルス、帝国を裏切るって」
古くからの友人である二人は、それぞれを信頼し合って居た。
だからこそ、ルートには反乱の話を予めしておいた。
「まだ準備に時間が掛かるがな」
「ふー、こっちでもやれる事はやらせてもらうが……」
その為にルートは帝国まで探りを入れに来たのだ……最近知り合った少年を口実にして。
「尊敬する兄と最愛の娘を失った……この国は変わらなければならない……付き合ってくれるな? ルート」
「勿論だ……ああ、そうだった忘れる所だった」
ヘルスの言葉に頷くルートは伝えるべき事を伝える為にヘルスへと歩み寄る。
「ヘルス、お前の娘は生きてる」
「!!?」
ルートの言葉にヘルスは驚きで声が出なかった。
「まさか……だが、魔力欠乏症は……! そんな……そんな!」
「元気にしていたよ……今はとある冒険者と一緒に居る、命の恩人だとよ」
ルートはヘルスの肩を軽く叩くとそのまま部屋から出ていく。
ルートが居なくなった応接間でヘルスは静かに涙を流す。
「あなた、今の話し……」
「ああ、セシリア……生きて居る……レイナは生きている……!」
部屋の外で話しを聞いていたヘルスの妻のセシリアがヘルスに寄りかかる。
「本当に良かった……!」
「ああ、そしてより一層今回の革命は成功させなければならない……」
次に娘と会う時までにはとヘルスは決意を新たにするのだった。
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エミルは自身のカップの紅茶を一口飲み、今回の規制の件について話し始める。
「既に御存知の通り、貿易船は帝国関係者及び貿易商のみが乗船を許されています」
「冒険者なら護衛で乗せて貰えないのですか?」
レイナの言葉にエミルは首を横に振る。
「冒険者ギルドは国とは切り離された組織です。国に寄っては親密な関係を築いているでしょうが……残念ながら帝国はギルドとの仲は良くありません」
「何故だ?」
優太の言葉に、エミルは微妙な表情をする。
「冒険者ギルドは帝国から逃げる将兵やその家族を匿い、帝国外へと逃がして居たのですよ……正直、これは帝国のやり方が問題何ですけどね」
「……脅しですよね」
レイナの言葉にエミルは驚いた表情で頷く。
「その通りです……良く御存知でしたね」
「私の良く知る人も被害者でしたから……」
レイナの雰囲気で何かを察したのか、エミルは深くは追及せず話しを続ける。
「帝国は有望な人材をありとあらゆる手で引き込んで居るんですよ……脅し、罠に嵌めて借金を負わせる等何でもありです……かつての帝国軍のヴァルキリー姉妹も冒険者ギルド経由でエルティアへと亡命したらしいです」
「成る程……帝国は冒険者ギルドが信用してない訳か……」
優太の言葉にエミルは頷く。
そして、申し訳なさそうに紹介状を優太に返す。
「紹介状をお持ち頂いたのに我々の力不足で協力出来ず申し訳無い」
「問題無い……気にしなくて良い。想定内だった」
優太はそう言うと立ち上がり、部屋から出ていく。
それを追いかけてレイナ達も部屋から出ていく。
「もしも、何かご入り用になりましたらまたお越し下さい! ルート殿によろしく伝えてくださーい!」
エミルはそう言うと、礼儀正しく「失礼しました!」と出ていくレイナ達を見送った。
優太達が商人ギルドから出ると見計らった様に、千夜が優太達へと歩み寄って来る。
優太はそれに気付くとそのまま宿へと向かって歩き出す。
「ご主人様、ご命令の通りに情報収集に行って参りました」
「問題は起こして無いな?」
「情報収集ですか?」
優太の言葉に「当然です」と胸を張っている千夜をスルーしてレイナは優太に首を傾げながら質問する。
「もしかして、信用無いですか……私」
「とにかく、報告は宿で聞く……見えて来たぞ」
「チヨさん、ちょっとからかっただけです」
レイナは微笑みながら千夜と並びながら一緒に歩き、ルナも千夜の手を引っ張りながら宿へと歩いていく。
そんな、三人を横目で見ながら優太は少し表情を緩めた。
「お帰りなさいませ! お早いですね、まだ昼頃ですよ?」
「また後で出かける……」
優太は元気に対応してくれた宿の従業員に短く返すと、部屋の鍵を受けとる。
そして、部屋の前に来ると貰った鍵とは別の鍵を鍵穴に差し込む。
「ご主人様? 鍵が違う様ですが?」
「念のためだ」
優太はそのまま扉を開けて中に入る、それに続いてレイナ、首を傾げながらルナが続き、その後ろから千夜が入り扉を閉める。
「これは空間魔法ですか?」
「おとうさんすごい!」
部屋に入ると底には一面真っ白な部屋があり、同じ様に白いベッドやソファが置いてある。
各々がソファに座る、ルナだけは興味津々に周りを見渡している。
「ルナ、この部屋はかなり丈夫に出来てる……多少全力で走り回っても良いぞ」
「本当! やったー」
しばらくは馬車移動だったり街中だったりでのびのび出来なかったルナは直ぐ様駆け出して行った……目にも留まらぬ速さで……
「大丈夫でしょうか?」
「問題無い、充分に広い上にルナの場所は手に取るように分かる」
レイナの心配の声に優太はそう返すと、千夜に話しを促す。
「まずは冒険者ギルドで貰って来たもの見せてくれ」
「ステータスカードですか……数字なんて当てになりませんのに」
千夜はそう言いながらも言われた通りステータスカードを優太に手渡す。
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ヤノ・チヨ 1200歳 Lv.220
性別 女? 種族 サウザンドセンチピード?
職業 使用人
体力 :5000(50000)
攻撃力:1200(12000)
防御力:3000(30000)
持久力:無限
敏捷力:1000(10000)
魔力 :10000
魔防 :10000
固有能力 〈砂塵の皇帝〉
スキル ナイトモンド装甲 人化制限 人魔変化 成長限界突破 成長補助〈魔帝〉 疲れ知らず 使い魔召還 メイドの心得
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〈砂塵の皇帝〉……砂漠地帯の魔物の頂点に立った証、冠の様な頭殻が発現しステータスが全てプラス補助される。
〈ナイトモンド装甲〉……サウザンドセンチピード特有のスキル防御力に大幅な補助が入る。
〈人化制限〉……人状態の時にステータスに制限が付く。
優太は頬を引きつらせてステータスカードを見ている。
取り敢えず?マークを消して、種族を人族に変え年齢とレベルを違和感の無い数値に書き替える。
「ほら、返すぞ……良く生きていたな俺……」
「ご主人様、報告を開始しても宜しいですか?」
恐らくメイドの心得のお陰で有ろう所作を眺めながら優太は頷く。
そして、徐に懐から三枚のステータスカードを取り出す。
「ではまずは冒険者ギルドでの聴き込みからです」
「ああ、頼む」
優太は頷きながらステータスを確認していく。
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矢野優太 16歳 Lv.20
性別 男 種族 人族
職業 魔導師 特殊職 転移者/救世主
体力 :150
攻撃力:80
防御力:80
持久力:90
敏捷力:150
魔力 :50000
魔防 :50000
固有能力〈魔法創造〉
スキル 言語理解〈固定〉 魔力増加特大 魔法鉄壁 真・瞑想 身体強化魔法 自然系統魔法中級 魔法創造・空間魔法 魔法創造・粒子魔法 魔法創造・魔道具改造 魔法創造・指魔法ピストル、マグナム 魔力リンク〈レイナ〉
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「冒険者ギルドでも依頼が激減していたり持ち込まれる魔物の素材が極端に少なくなっているみたいです」
「依頼は商人や近隣の町や村から物が多いからな……恐らく余計な人間を増やさない為に帝国が手を打っているのだろう」
千夜の報告にそう返しながら優太はステータスの確認を続ける。
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レイナ・ヘンティル 16歳 Lv.15 状態 魔力欠乏症
性別 女 種族 人族
職業 騎士
体力 :400
攻撃力:300
防御力:350
持久力:400
敏捷力:700
魔力 :10 (100)
魔防 :10 (100)
固有能力 〈神速の戦乙女〉
スキル 剣術上昇 ウェポンマスター 成長補助超級 敏捷上昇 剣術達人 魔力リンク(100)
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「市場等でも商品の流通の規制が厳しくなっている見たいですね、物に寄っては売りに出せないらしくて困って居ました」
「恐らくだが商品に紛れて武器が持ち込まれるのを警戒しているのだろう……レイナの魔力が少し増えたぞ」
「ほ、本当ですか!?」
優太はレイナにステータスカードを渡しながら最後のカードに目を通す。
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ルナ・ヤノ 9歳 Lv.5
性別 女 種族 明月狼人族
職業 蹴り闘士
体力 :525
攻撃力:325
防御力:175
持久力:525
敏捷力:325
魔力 :520
魔防 :520
固有能力 〈月明かりの加護〉
スキル 蹴り威力上昇 重力操作 敏捷上昇中級 成長補助超級 キックマスター ???
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「報告は以上か?」
優太はルナのステータスを確認しながら、頼んでいた調査の完了を千夜に確認する。
しかし、千夜は予想外の報告を続ける。
「ついでにこの街にある裏稼業のアジトに行って来ました」
「そうか…………なに?」
優太は「え?」と表情で千夜を見つめる。
千夜は「そんなに見つめられと恥ずかしいです」などとふざけ半分で言っている……確実に確信犯だ。
「はぁ……で? 何しに行って何を得てきた?」
「目的は密入国ルートです、残念ながら無いそうですが」
優太の質問に千夜は首を横に振りながら答える。
優太はその答えに「そうか」と返しただけだった。
「その手は考えていた、だからどのみち情報は欲しかった。だが方法が悪い」
「どうしてですか?」
レイナの質問に意気揚々と答えたのは当事者の千夜だった。
「それは勿論、組織の元締めに目を付けられるからですよレイナお嬢様」
「そ、そう言う事ですか」
「まったく、分かっててやるなよ」
優太は頭を抱えるが、選択肢を狭めれるのは正直有りがたかった。
少々、不安を残しつつもしばらくの足止めが決まった瞬間だった。
久々のステータスですが大きな変化は無いです




