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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第二章 旅立ちと始まり
51/68

48 復活の月明樹と帰還の時

モンハンライズはじめました……チャアク推しです。

 ふっと優太が目を覚ますとそこは知らない天井……ではなくロロの宿屋の部屋だった。


「ここは……宿の部屋か」

「あ! ユウタさん目が覚めたんですね、良かった」


 目を覚ますと偶々部屋に入ってきたレイナと合った。

 レイナは優太に気付くと安心したように声を掛けてきた。


「レイナ……俺はどの位寝てた?」

「1日中ぐっすりでした。因みにルナは少し前に起きて今は朝の訓練を始めています」


 レイナの言葉を聞き優太は「そうか」と言うと流れるように布団に戻る。

 しかし、レイナはそうはさせまいと布団を取り上げて畳んでしまう。


「ほらほら、ユウタさんも体を動かさないと後で辛いのは自分何ですよ」

「……分かった」


 レイナの言葉に優太は渋々ベッドから降りる。

 部屋から出ると、ルナが部屋の前で待っていた。


「あら? ルナ、まっていたのですか?」

「うん!」


 ルナは優太の姿を見ると嬉しそうに優太に抱きつく。


「おはよう……おとうさん」

「ふぁ!?」


 ルナの突然のお父さん呼びに優太より先にレイナが反応する。


「ル、る、ルナ! いきなりどうしたのですか?」

「んー? ゆめでおしえてもらた」シッポフリフリ


 ご機嫌に尻尾を揺らしながら答えるルナに優太は額を押さえる。

 そんな優太の様子にレイナは気付かず、一人で何かしら呟いている。


「ゆ、ユウタさんがお、おとうさん……と言うことは必然的におかあさんは……」

「んー? レイナ“おねえちゃん”どうしたの?」


 ルナの言葉にレイナは「え?」とルナを見る。


「お、おねえちゃん?」

「うん! これもゆめでおしえてもらた!」


 ルナの言葉にレイナは肩を落とす、何処からは高笑いが聞こえる気がした。


『オホホホ! おかあさんは私よ!』


 少しげんなりしながらも優太は食堂へと向かうのだった。




「はっはっは!」

「笑い事じゃ無いんだが」


 食堂へ行くとロロにやり取りを聞かれたらしく、頭を抱える優太に笑いながら近付いてくる。

 優太の言葉にロロは「まあまあ」となだめると優太の肩を叩きながら言うのだった。


「なに、娘は良いもんだぞーお前も血は繋がらずとも娘の良さは分かって来る」

「お父さん……ユウタさんにちょっかい掛けてないで働いてよ」


 優太に娘について熱く語ろうとするロロを止めたのはロロの娘のアンナだ。

 アンナは「やれやれ」と首を振ると仕事に戻るロロを見送る。


「ああ、そう言えばルートさんがユウタさんの事を待ってたよ?」

「ん? そうか、分かった」


 アンナが思い出したように言うと、優太は少し考えた後に頷く。

 それにレイナが「ああ!」と声をあげた。


「そうでした! ルートさんとドライツさんがユウタさんが目を覚まして問題無いようだったらお礼がしたいって言っていたのを忘れてました」

「大丈夫だ、飯を食ったら早速向かおう」


 焦るレイナに優太はそう言うと、マジックリングを装着しながら食事が出来るのを待つのだった。




 ─────────────────────────────




 食事が終わり、優太達はドライツの家へと向かっていた。

 しばらく歩くとドライツの家が見えてきた。


「おー! 来たか、兄ちゃん」


 ドライツの家の前には既にルートが待っており手を振りながら此方に向かってくる。


「いやー、目を覚ましたと聞いて待ってたんだ」

「……? 誰から聞いたんだ?」


 ルートの言葉に優太は首を傾げる。

 何故なら、頼まれていたレイナは忘れていた上に一緒に行動して居たため伝えに行ったわけでもなかった。

 優太の言葉にルートはぐっと親指を上に上げて。


「商人とは常に情報は最速で仕入れるもの……ズバリ、企業秘密だ」


 と絶妙にむかつく顔で言うのだった。


「はあ、それは置いておいてだ……用事が有ったんだろ?」

「そうだったな、今回の事で無事に村から移住する必要が無くなったからな、その件でお礼がしたいらしい」


 一通り経緯を話すルートは「それに」と更に言葉を続ける。


「どうせ今日中にクリエスティアに帰る気だろ? 準備がまだだからこの後少し村を回ってこれば良い」

「……分かった案内してくれ」


 優太の言葉にルートは頷くと、村長の家に入っていく、その後ろに優太達も付いていく。




 家に入ると、ドライツが笑顔で出迎える。


「おお! ユウタ殿、無事にお目覚めになられてほっとしましたわい」

「ああ、所であれから月明樹の様子はどうだ?」


 優太の言葉にドライツは頷きながら答える。


「はい、以前飛ばし比べ物にならないくらいには神々しく輝いております。村の皆も驚く程です」


 ドライツの言葉に優太は「そうか」と言いながらルナの頭を撫でる。


「ルナ、お前が守ったんだ自分でな良くやったな」


 大人しく頭を撫でられて居るルナに優太は微笑みながら言い聞かせるように言うのだった。


「本当にこの度はありがとうございました……また、来ることがあれば誠心誠意もてなす所存ですぞ」

「また、来ることがあればな」


 優太はドライツの言葉に頷く。

 そして、家から出ていくために立ち上がろうとした時だった。


「ちょっと、待ってくれ!」


 少し焦ったような声が優太を呼び止める。

 優太が視線を向けるとそこには息を切らしたライツが立っていた。


「なんだ?」

「いや、すまない……あんた達には迷惑を掛けたからな謝罪したかったんだ……本当に申し訳無かった!」


 そんなライツを見て優太は素っ気なく言う。


「俺は何とも思ってない……これから村の為に働くんだな」

「ユウタさんは素直じゃないです」


 端的に気にしてない事を言っていることをレイナにバレてしまう。

 そんな二人のやり取りを見ながらライツは再び頭を下げる。


「ふむ、ユウタ殿まだ少しルートの準備が終わらぬみたいですからな……村の皆にも元気な姿を見せてやってはくれませぬか?」


 一通り終わった後で、ドライツがそう提案してくる。

 それに優太は「そのつもりだ」とだけかえして今度こそ村長の家から出ていくのだった。




 ─────────────────────────────




 村長の家から村へと行くと、優太達に気付いた村人達が次々と声をかけてくる。


「おお! ユウタさん、ルートさんが起きたって知らせを聞いて村中が活気づいてるよ」

「おや、村の英雄様のお目覚めさね……心配したよ」


 そんな村人達に挨拶して回る優太達は不意に畑で悩むルーフを見かけたのだった。


「ルーフさん、どうかなされたんですか?」

「おや? ユウタさんお体はもうよろしいのですか?」


 レイナに声を掛けられ振り返ったルーフは、優太を見ると微笑みながら気遣いの言葉をかける。


「ああ、大丈夫だ……それより一体どうしたんだ?」

「えっと……実は見覚えの無い作物が有りまして」


 ルーフは少し困った表情で少し場所を退いて、優太達に見えるようにする。

 するとそこには、緑色の細長い物がぶら下がる植物……見るからにキュウリがそこにはぶら下がっていたのだった。


「んー? 見たこと無い植物ですね」

「私も何ですよね……ユウタさんは何か分かりますか?」


 ルーフの言葉に優太は何も返さず、緑の植物を掴んでかじる。


「な!? ユ、ユウタさん! それはほとんど水分で味はあまり……」

「……キュウリだ」ポリポリ

「何か分かったのですか?」


 驚くルーフを横目にレイナの質問に優太は頷く。


「俺が居た世界……日本だとこれはキュウリと呼ばれている物だ」


 優太はそう言うと袋を取り出し緑の植物を入れる、更に塩を入れると良く揉みそのまま木の枝を魔力で加工して作った棒で押さえつけるように割り始めた。

 程よくなった所でつまんで味見をする。


「ふむ、キュウリだな」ポリポリ

「私にも少し下さい」


 興味深そうに見ていたレイナも一つつまんでみる。


「凄く素朴な味わいですね……程よく塩味が有ってあさっりしてて美味しいです」ポリポリ

「んー?」ポリポリ


 つられて一つつまんだルナは気に召さなかったのか難しい顔をしている。

 ルーフ達も食べて見た所どうやら食べ物として認定したようだ。


「おー、こんなところに居たのか……兄ちゃん! 馬車の準備が出来たぞ!」

「おや? もう行ってしまうのですか?」

「まあな、こいつの装備のこともあるしな」


 ルーフの言葉に、優太はルナの頭を撫でながら答える。


「ルーフさんは帰らないのですか?」

「ええ、しばらくはここの作物の状態を調べないといけませんので」


 キュウリの件も含めて一度月明樹の力が無くなった影響を調べるつもりらしい。

 ルーフに別れを告げると優太達はルートの馬車へと向かっていくのだった。




 ルートの馬車に着くと、準備を手伝っていたらしい村人達が優太達に気付いた。


「お! 来た来たおーいルートさん」

「皆ご苦労さん」


 ルートが手を挙げながら村人達に近付いていく。

 すると、一人の男が優太達の側へと近付いてくる。


「優太殿、この度は息子が迷惑をお掛けしました」


 近付いてきたのは現村長のグライツだった。

 グライツは優太達に頭を下げる。


「気にしてない……」

「はっはっはっ、ありがとうございます……またこの村に来た際には歓迎致しますぞ!」


 優太の言葉にグライツはお礼を言うと、今度はルナに視線を向ける。


「ルナ殿、お母様の件は謝罪してもしきれませんなのでこれから貴女のお母様の為に月明祭を催して行くつもりです」

「うん!」


 グライツの言葉を理解しているのか少し嬉しそうに頷くルナの頭を優太は優しく撫でる。

 話が一通り終わった所でルートが優太達に声を掛ける。


「おーい、準備が整ったから出れるなら出るぞ!」

「分かった」


 そう言って歩き出した優太にグライツは頭を下げる。


「それではまたいつか」

「はい! それでは!」

「バイバイ」


 レイナとルナも優太の後に続いて馬車へと向かうのだった。

次回にルナのステータスが出ます。

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