40 月明かりが集まる村と大狼
コロナで愛知も宣言出たけどさ……相変わらず夜にはバイトに行くのです(`;ω;´)
皆さんも、コロナにきおつけて
「ユ……さん、ユウタさん起きてください」
「んん、おお?」
レイナの声に起こされ目を開けたら山が二つあった。
優太は瞬時に自分が膝枕の状態で有ることを覚り動揺を幸子のつるペタを思い出すことで落ち着けてゆっくりと起き上がる。
「んー、すまんレイナ世話を掛けた」
「いえ、私が勝手にやった事ですので」
優太は伸びをするとレイナに声を掛ける。
それに、レイナは首を横に振ると微笑む。
すると、一連のやり取りを見ていたルーフが「おほん」と咳払いをすると優しく笑いながら話し掛ける。
「御二人とも仲睦まじい所申し訳無いですが……ルートさんが呼んでいるので行ってあげてください」
「ああ、分かった」
「さあ、ユウタさん行きましょう!」
ルーフに言われて馬車から降りた優太達に気付いたルートが声を掛けてくる。
「おっ、起きたか兄ちゃん……寝起きで悪いが仕事だ」
「へへっ、有り金全部置いてきな!」
「絵に描いたような盗賊だな……」
ルートが停めた馬車の前には人相の悪い男達がとおせんぼをしていた。
それを見て優太はため息をつく、レイナも物珍しそうに盗賊達を見ている。
「あのー辞めませんかこんなこと、こんな効率の悪い襲い方をしているのを見る限り初めてみたいですし……大人しく投降してください」
レイナの言う通り多人数で馬車一台を襲うのはかなり効率が悪い、行商の団体なら分かるが馬車一台に大体7人で襲って来ている。
更に言えば見るからに乗り合いの馬車、ある程度ベテランならば多くても四、五人での編成だろう。
「要するに初めての襲撃体験……」
「だー! うるせぃ、大人しく有り金ね寄越せって言ってんだよ!」
そんな初心者盗賊達はレイナの説得に応じる筈もなく、手に持っていた短剣で優太に斬りかかる。
しかし、その短剣は優太に届くことはなくレイナの剣に阻まれる。
「分かりました……では、少し痛い目にあってもらいましょう」
レイナがそう言った瞬間……
カラン
と乾いた金属音がした。
音の原因を見てみると、受け止めた短剣の刀身が真っ二つになっていた。
「ひぃ!」
「……大人しく投降して貰えますか?」
レイナは自身の剣の真空の刀身を見せて静かに再び勧告する。
それを見た盗賊達は顔を見合せて頷くと、その場で並び全力で土下座をするのだった。
「「すいんませっしたぁぁぁ!!」」
「おお、ものの見事な土下座だな」
こうして襲撃者を撃退した優太達はムートへと馬車を進めるのだった。
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盗賊撃退後、盗賊達を乗せる場所が無いので拘束して馬車の横を歩かせている。
盗賊達は余程レイナが怖いのか素直に馬車の横を着いてきている。
「おっ、見えてきたぞ兄ちゃん……ムート村の目印、月明樹だ!」
「……」
「……? どうかなさいましたかユウタさん?」
レイナの言葉を他所に優太の視線は月明樹に向けられている。
それに釣られるようにレイナも月明樹を見るが特に何もない。
「ユウタさん?」
「……ああ、すまない」
優太はレイナの声に気が付き、視線をレイナへと向けるのだった。
そんな優太達を見つめる視線に気付かずに馬車はムート村へと進んでいく。
馬車が進むこと暫く、前方には質素な門が見えてきた。
「お! ムート村の門が見えてきたな」
ルートはそのまま門の前で馬車を止める。
すると、門から一人の男が出てきてルートに話し掛けている。
「やあ、ルートさん待ってたよ」
「おお! 村長の息子が直々に迎えとはな……どうしたんだライツ」
ルートに話し掛けてきた男はライツと言うらしい。
ライツは肩を竦めると、「はぁ」と息をつく。
「仮にも村の一大事何だ……居ても立っても居られなかっただけだ」
「はっはっはっ! 村一番のいたずら小僧も立派に成ったもんだ!」
ルートと昔話に花を咲かしていたライツは優太達に気が付いた。
そして、ルートとの会話を切り上げて優太達へと近付いていく。
「どうも、護衛の冒険者かい? 俺はライツ・レイヨン。この村の村長の息子だ」
「ユウタ・ヤノだ……」
「レイナ・ヘンティルです」
優太達の自己紹介にライツは「よろしく」と頷くと視線がルーフへと向けられる。
ルーフはライツの視線に気が付き会釈をする。
「お久しぶりですねライツ……お父様かお祖父様は居ませんか?」
「ああ、ルーフさんか……親父は他の村に用があって出掛けてる。爺さんはちょいと病を患ってな静養してる」
ライツの言葉にルーフは「そうですが……」と呟く。
自己紹介が終わったのを確認したルートがライツに声を掛ける。
「ライツ! もうそろそろ馬車を村へと入れるぞ!」
「ああ! 馬車を置ける場所に誘導する」
ルートに呼ばれてライツが離れるとルーフは「はぁ」とため息をついた。
それを見たレイナが首を傾げながら質問する。
「ライツさんと何か有ったのですか? ルーフさん……」
「……いえ、今回私を呼んだのはドライツさん……前村長、つまりライツの祖父にあたる方なのですが……」
「アイツじゃ問題が有るのか?」
優太の言い様にレイナが「ユウタさん」と注意する。
一方でルーフは少し困った顔で頷く。
「問題……と言えば問題ですね。彼は伝承等を信じないものですから」
「その口振りから察するに大まかに原因が解っているのか?」
動き出した馬車に付いていきながら優太はルーフの言葉に反応する。
優太の言葉にルーフは少し迷いながらも「推測ですが」と頷いて見せた。
その時だった……
オオォォン……オオォォン……
微かに遠吠えが聞こえてきた。
ルーフにも聞こえたらしく目を見開き「まさか……」と呟く。
「ちくしょう……またあの狼か! いつも邪魔しやがって」
「……? 今の遠吠えに何かあるのか?」
忌々しそうに呟くライツにルートが遠吠えのする方を見ながら質問する。
すると、ライツは渋い顔をしながら頷いた。
「実を言うとな……月明樹を伐採しようと思っているんだ……」
「何だと!?」
「待ちなさいライツ……貴方は何を言っているのか分かっているのでか?」
ライツの言葉に険しい顔のルーフが強い口調で問い詰める。
それに対してライツも強く言い返す。
「何時までも伝承なんかに踊らされやがって! 爺さんも親父も!」
「月明樹を切り倒せばこの地は枯れ果ててしまいます……考え直してください!」
二人の言い合いに終止符をうったのはルートだった。
ルートは二人の間に割ってはいるように止めに入ったのだった。
「二人とも落ち着け! まったく、一先ず宿に行くのが先だろうに……兄ちゃん悪いなルーフに宿へ案内させる……それと盗賊達は俺から自警団に明け渡すから気にするな」
「……分かりました。行きましょうユウタさん知り合いの宿が有るのでそこに案内します」
ルーフはそう言うと歩き出す。
優太達もそれについて歩いていくのだった。
ルーフ達が去った後、ルートは馬車を動かしながらライツに話し掛ける。
「全く……いったい何を考えているんだ?」
「あの樹を伐って太陽の光が入りやすいようにする。だが、あの樹を伐ろうとすると必ずアイツの邪魔が入る!」
ルートの言葉にライツは忌々しそうな声で自分の考えを話す。
しかし、ライツの言葉にルートは首を横に振るのだった。
「俺は賛成せんな……大狼もそうだが、月明樹は伝承通りなら村の生命線だ無闇に伐るのは不味いのではないか?」
「伝承が本当だとして、一体何年前だと思ってるんだ……とっくに月光の力など消えてる」
ライツの言葉に残念そうにルートは首を横に降るだけだった。
そんなルートを見てライツは眉間に皺を寄せる。
「少しは成長したと思ったんだがな……」
「……明日になればギルドに頼んでいた冒険者達が集まり始める。あの大狼を狩るためにな……」
ライツはそう言うとルートと別れて別の道へと歩いていく。
ルートはその後ろ姿を見つめる事しかできなかった。
書く時間が欲しい……ハッ!
少し予定より話数が増えるかもしれない……




