38 戦乙女に剣を……
新年開けて最初の投稿……はいすいません遅すぎますよね……反省しています。
ダンジョンから出てきた優太達は直ぐ様ギルドへと赴き、マリア達にダンジョンに出現したサモナーラビィついて報告をする。
「わかりましたークエスト報酬とは別に特別報酬もギルドから出させていただきますー」
「お疲れ様ね、今回の件はハイゴブリンの件と合わせて調査するけど……」
報告を受けてサーシャからは依頼にイレギュラーが有った場合の追加報酬を受け取り。
マリアから前回の件と引き続き調査すると言っているが表情が芳しくない。
しかし、優太としてもその表情の理由には心当たりがあった。
「ハイゴブリンの件の調査は進展してないようだな」
「えぇ……だから、今回も同一の現象だとしたら期待は持てないと思った方がいいわ」
「まあまあ、そんなことよりもお二人共無事で何よりでした☆」(人*´∀`)
辛気臭い雰囲気を四散させる様にリアが明るく優太達の無事を喜んだ。
それに同調するようにイリスも頷く。
「まったくだぜ、心配して駆け付けてみたらもう終わった後だもんなぁ~しかも呑気に調理中だったし!」
「ふふ、無事だったんだから良いじゃなーい」
そんなイリス達の言葉にサーシャが優太に報酬を渡しながら優しくそう言う。
その言葉にイリスは「それはそうだけど……」と口を尖らせる。
「ユウタさんはこの後は、何か予定が有るかしら?」
そんな妹達のやり取りを尻目にマリアは優太にこの後の事を聞いているようだった。
その質問に追加報酬を確認していた優太は少し考えると「ああ、そうだ」と一つやることを思い出した。
「アストラ武具屋に行くつもりでいる」
「そう、私も後で行くつもりだからジュリーが居たら宜しく伝えてくれるかしら?」
そんなマリアの言葉に優太は頷くとそのままギルドを出ていく。
それに気が付いたレイナも慌てて優太の後を追う。
「ユウタさん今から何処へ行くのですか?」
「ああ、お前は初めてだったな……」
レイナの質問に優太はそう言うとレイナが持っている剣を指差す。
レイナは優太の行動に首を傾げる。
「リスポーンソードは実用性に欠けるからな、新しい剣を新調しよう……それに色々試したい事もあるしな」
「それは嬉しいですけど……何ですか試したい事って?」
何処か不安そうなレイナに優太はフッと笑うと一言「色々だ」と言うだけで歩き出してしまうのだった。
そんな優太に続いてレイナも歩き出すのだった。
ギルドを離れ、優太達はアストラ武具屋に来ていた。
レイナは武具屋を見て目を輝かせている。
「凄いです! 屋敷では既存の物を使っていたので武具屋なんて初めて来ました!」
「あんまりはしゃぐな……だれか居るか?」
相変わらずカウンターには誰も居ないため、優太は奥に向かって声をかけてみる。
しかし、誰の返事も返ってこない。
「凄いです! 見た目に反してこの軽さなんて!」
「おい、レイナいつまで……」
「ほう! この剣の良さが判るのかい嬢ちゃん!」
「……ん?」
今だ自分世界に入っているレイナに声を掛けようとすると、聞きなれない声がレイナの声に続いて聞こえてきた。
優太が振り返ると相変わらず目を輝かせているレイナと、そんなレイナに嬉しそうに武器の説明をする六十代位の男がそこに立っていた。
「かあー! 嬉しいねぇ! こんなお嬢ちゃんが武器に興味あるなんてねぇ!」
「はい! あっ、でも私ユウタさんと一緒に剣を買いに来たんでした!」
レイナの言葉に男は「おお?」とカウンターを見ると呆れ顔の優太と目があった。
それに気が付いた男は慌ててカウンターへと駆け込む。
「……店主でいいのか?」
「ああ、すまんな出先から戻ったばっかりでな……ロック・アストラだ見ない顔だな……」
自己紹介するロックに「ユウタ・ヤノだ」と優太は言うと話を続ける。
「所でジュリアは居ないのか?」
「おお? 何だ見ない顔だと思ったら娘の客か……少し待っていれば帰ってくると思うぞ」
ロックはそう言うとカウンターの奥へと行ってしまう。
仕方ないので適当に店内を見てジュリアを待つことにするのだった。
店内で待つこと数十分、店の扉からジュリアがため息をつきながら入ってきた。
「全く、お父さんは武器以外に興味無さすぎなのよ……」
「何やら大変そうだなジュリア」
悪態をつきながら帰ってきたジュリアに優太が声をかける。
すると、ジュリアは「ひゃあ!」と悲鳴をあげる。
「な、な、何よユウタ! 居るなら居るって言いなさいよ!」
「ユウタさん……女性に後ろから突然話し掛けるのは失礼ですよ?」
レイナ達に責められ流石の優太も一言「すまん」と謝る。
それを見てジュリアは納得したのかカウンターへと回り要件を聞く。
「それで? 今日は何の用? 見馴れない娘を連れてるわね……」
「ああ、実はこいつに剣を見繕って貰いたくてな」
「はい……レイナ・ヘンティルです。宜しくお願いします」
レイナが自己紹介をすると、ジュリアは「宜しく」と言うと早々にレイナの手を取り熱心に揉み始めた。
突然の事にレイナは戸惑っている。
「えっと、あの……」
「いい手をしているわね……既存の物で良いのがあるわ、どうせあんたが魔道具化させるのでしょう?」
「そのつもりだ」
ジュリアの言葉に優太は頷く、それを見てジュリアは一度カウンターの奥へと歩いていく。
暫くすると戻ってきたジュリアの手には一本の剣が収められている。
「少し値が張るけど良いかしら?」
「予定外の収入が有ったんでな……大丈夫だ」
優太の言葉にジュリアは「そう」と返すとレイナに剣を渡す。
レイナが剣を受け取るとジュリアはレイナに話しかける。
「一度抜いてみたら?」
「はい!」
レイナは嬉しそうに剣を抜く。
一、二度と軽く振って見るとレイナは驚いた様に目を見開く。
「凄くしっくり来ます……」
「やっぱりね……少し重くして有るんだけど……元々騎士用の剣で訓練している見たいだったから丁度良いかなって思ったのよね」
レイナの反応にジュリアは予想通りと頷いて居る。
そんなジュリアの元に今回の追加報酬の袋をそのまま乗せる。
「これじゃあ多いわよ?」
「取っといてくれ……次回サービスしてくれれば良い。それと、マリアが後で来るから宜しくとさ」
優太の言葉にジュリアは「そう」と一言返すとそのままカウンターの奥へと行ってしまう。
それを見送った優太達は店を後にするのだった。
アストラ武具屋を後にした優太達は宿の部屋へと戻り、早速剣の魔道具化を始めた。
今回はレイナが使う物なのでレイナに要望が無いかを聞いてみる。
「何か要望は有るか?」
「……重さは今のままで、出来れば切れ味を良くして欲しいです。滑らかに切れればそれだけ早さにも繋がるので」
レイナの要望を受けて優太が出した結論は……
「なら真空を生み出す豪風の魔力を入れて見よう……」
優太はそう言うと僅かに吹き荒れる魔力を剣に注ぎ込む。
すると、剣は変異し少し変わった剣へと生まれ変わった。
〈真空の魔剣〉……吹き荒れる風の魔力を注ぎ込まれた剣が変異した魔剣。出来の良い剣でなければ魔剣にはならない、刀身に真空の膜が張られているため生物であれば一溜まりも無いが鉱石系等の無機物系の魔物には効果が薄い。
出来上がった剣をレイナに渡してみる。
暫く素振りを繰り返すと、剣を鞘に納めて嬉しそうに頷く。
「重さも切れ味も申し分無いと思います」
「そうか、じゃあ明日から暫くはレベル上げをするから今日はもう寝るぞ……」
優太の言葉にレイナは「はい!」と頷き自分の部屋へと向かう。
それを見送り優太も明日の為に眠りにつくのだった。
優太達が魔剣を作っている頃、当たりは既に暗くなっているがアストラ武具屋の灯りは今だに灯っている。
そんなアストラ武具屋に一人の客が訪れる。
「ジュリー居るかしら?」
「あら、いらっしゃいマリア」
マリアの呼び掛けにジュリアはカウンターの奥から出てくる。
その両腕には巨大な剣が抱き抱えられている。
「マリア、喜びなさい。今回手入れをしたのはお父さんよ」
「あら、それは岩だってお豆腐の様に斬れるわね」
マリアは明るくそう言うと難なく大剣を片手で受け取る。
しかし、声音に比べて表情は何処か暗い。
「どうかしたの? 浮かない顔ね」
「またダンジョンで異常があったのよ……やっぱり何かの前触れかしらね?」
「何かあったとしても、私達武具屋は冒険者達が万全に戦えるようにするだけよ!」
マリアの言葉にジュリアは胸を反らせてそう言いきる。
そんなジュリアにマリア「ふふ、頼もしいわね」と顔を緩ませる。
しかし、すぐに表情が暗くなってしまう。
「……本当に何も無ければ良いけれど」
そんなマリアの呟きは夜の街へと消えて行くのだった。
余談ですが……最近FGO始めたんですけど、結構面白いですね。




