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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第一章 異世界へ
4/68

3 訓練~あの夕日には向かわない~

だいぶ遅れました。他、主要キャラのステータスがでます。此処での出なかった人達のステータスは追々出たりでなかったり……

 ステータスの儀式から、少し進み。優太達の会話の少し前の時間、〈リルティア王国〉国王、ジゼルは自国の重鎮達との話し合いをおこなっていた。

 実際には、重鎮達への釘刺しなのだが、その証拠にランドとシリアの兄妹がジゼル王の後ろに立ち、剣呑な目付きで、重鎮達を見つめていた。


「皆、今回、ステータスの儀式を観て貰ったのは、どれだけの力が救世主様方に有るかを知って貰う為である。そして、その力を悪用しようとすれば……その力は自分に向くことを忘れるな、彼等は子どもだ、移ろいやすく、脆い……」

「し、しかし、あれだけの力があれば……」

「黙れ……彼等は子どもと言ったのだ。世界を背負う……国の戦争に巻き込むな」


 そう言われ、重鎮の一人……サーベルト・ラインハルト伯爵は、押し黙る。


「とにかく、暫く彼等には、訓練を付ける。その人員には、ジークを付けようと思うがどうだ?」

「父上! それが良いと私も思います。ですから、私にも参加の許可を!」


 ジゼル王の言葉に、反応したのはジゼル王の実子である、ブレイン・リルティア王子だった。


「ふむ、ブレインか……歳も近いし、救世主様方とも馴染みやすかろう……宜しい、共に高め合うのだブレインよ」

「はっ! 父上、ありがとうございます!」


 ブレインの嬉しそうな顔に、ジゼル王は頬を緩める。そんな、ジゼル王に剣呑な気配を納めたシリアが話し掛ける。


「陛下、宜しいでしょうか?」

「シリアか? どうした?」

「エリナ様も、救世主様方が気になるようなのですが……いかが致しますか?」


 シリアが言う、エリナとは、エリナ・リルティア王女、ジゼル王の娘にして、ブレインの妹だ。

 シリアの言葉に、暫く考えると、微笑み……


「構わんよ、エリナの好きにさせてやりなさい。救世主様方の邪魔はしないようにな」


 その言葉に、シリアは嬉しそうに「はいっ!」と応えると、走っていく。

 その姿を見送ると、ジゼル王はランドを連れて、会議室からでていくのだった。


「ちっ、ままならんか……」

 サーベルトも、ジゼル王を見送ってすぐに、会議室からでていくのだった。




 ─────────────────────────────




 翌朝、優太達は城にある訓練場に集まっていた。晃達は緊張の面持ちだか、優太は例の如く通常運転、眠そうに目を擦っていた。


「がっはっはっ! 皆、揃っておるなぁ!」


 そんな、優太達に対して、豪快な笑い声を上げる大男と、キラキラした眼差しを向けてくる若い男が近づいてくる。


「皆さん、初めまして。リルティア王国王子ブレイン・リルティアと申します。ブレインとお呼び下さい」


 男達の一人は、ブルーの入った黒髪、精悍で幼さ残る顔には、嬉しそうな笑みを浮かべている。

 そんな、ブレインの自己紹介に、鎧の強面男が笑っている。


「がっはっはっ! 王子! 堅いですぞ! 皆と仲良くなりたいと申したのは王子でございましょう!」

「う、うるさいぞジーク! お前も……」

「おお! そうであったな! 我が名はジーク・ドランド! リルティア王国で騎士隊長をしておる……よろしく頼む!」


 そう鎧の強面大男が、自己紹介しながら全員に握手をしていく、ブレインもジークに続いて握手をしていった。

 晃達は、少し戸惑いながらも、握手に応じているが、優太だけは握手を求められても、顔をしかめるだけだった。


「ゆう君……なんで凄く嫌そうなの?」

「むう? 機嫌を害されたか?」


 なかなか、握手に応じない優太に、幸子とジークが訝しそうな視線を向ける。

 その視線も、物ともせず優太は一言答えた。


「苦手なタイプだ……」

「ド直球な、理由来た!? そのぐらい我慢だよ!」

「無理だ」

「即答で、言い切った!? い、意思が固すぎるぅ……」


 そんな、優太と幸子のやり取りを見て、ジークは笑い、ブレインは何故か優太を睨んでいる。


「がっはっはっ! なんと、正直な者であろうか! ふむ、我々の自己紹介も終わったしな、では救世主様方の名を教えてもらえぬか?」


 ジークの言葉に、真っ先に反応したのは進だった。

 進は、晃達に視線で了承を得て、ジークとブレインに自己紹介を始めた。


「初めまして。工藤進と言います、この子達とは教師と教え子の関係です。職業は一応予言者となっています……これが私のステータスカードです」

「おお! ススム殿か、よろしく頼む! 予言者か……聞いたことの無い職業だな、皆、カードは後で一時預かるからな、自己紹介と一緒に提出してくれ! 後、見られたくない項目は隠蔽してもらっても構わんぞ」


 ジークはそう言い、進を見る。進は、「自分は構いません」と頷き、ジークにステータスカードを渡す。


「一つ、よろしいでしょうか? 何故、カードを預かるのですか?」

「うむ、訓練の内容の参考にな……どれどれ」


 ジークは、進の質問に軽く答えると、カードに視線を移す。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 工藤進 23歳 Lv.1

 性別 男 種族 人族

 職業 予言者 特殊職 転移者/救世主

 体力 :50

 攻撃力:30

 防御力:20

 持久力:20

 敏捷力:20

 魔力 :100

 魔防 :90

 固有能力 〈未来予知〉

 スキル 言語理解(固定) 魔力増加小

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 〈未来予知〉……三日~最高7日先の出来事を視ることが出来る。また、見る未来は、遠い未来ほど不確かになる、見た未来は絶対ではない。


 カードを見た、ジークは「なるほど……」と頷き。カードを袋に入れる。

 すると、次に晃がジーク達に、自己紹介を始めた。


「次は俺だな……大野晃、あっちでは剣道……剣術の一つを習っていた。職業は、勇者とかかれている、俺も隠すことはないからそのままで構わない」

「ヒカル殿か、よろしく頼む! しかし、剣道とな? 後でどのような剣術か見せてもらうぞ?」


 ジークは騎士らしく、剣道に興味を持った様だ。晃が頷くのを確認にながら、カードに視線を移す。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 大野晃 16歳 Lv.1

 性別 男 種族 人族

 職業 勇者 特殊職 転移者/救世主

 体力 :100

 攻撃力:100

 防御力:100

 持久力:100

 敏捷力:100

 魔力 :50

 魔防 :50

 固有能力 〈聖剣生成〉

 スキル 言語理解(固定) 勇者の加護

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 〈聖剣生成〉……ありとあらゆる剣を使い、聖剣を生成することが出来る。剣への思い入れ、熟練度が高いほど力の強い聖剣を生成することが出来る。


「全体的に、ステータスが高いのは〈勇者の加護〉のお陰か……勇者は代々、先代の加護を受ける、これのことなのか……」


 ジークは冷静に、今後の事を考えているが……ブレインは、勇者である晃に、尊敬の眼差しを向けていた。


「勇者……物語だけの存在だと思ってました! ヒカルさん、共に強くなっていきましょう!」

「ああ! これからよろしく! ブレイン王子!」

「いえ、歳も近いのですから、ブレインと呼んでください!」

「分かった……よろしく、ブレイン! 俺のことも、晃と呼んでくれ!」


 晃とブレインは、そう言い合うとお互いに、力強く握手を交わしていた。

 すると、ジークがその横で咳払いをする。


「おっほん、友情を育むのは良いことだ! しかし、今は皆の紹介の途中だぞ?」

「そうだよー、次は絵美の番なんだから、そういうのはあとあと!」


 絵美の抗議に、晃とブレインは気まずそうに、頬を掻いている。その姿に、絵美はふん、と可愛らしく鼻をならし、自己紹介を始めた。


「小崎絵美でーす! 最初に此処に来たときは、大混乱だったけど、皆を鼓舞しなきゃって思って明るく奮闘中! 職業はアイドルです! なんか照れる……」

「エミ殿! 恥ずかしい事など何もないぞ! 皆のために明るく振る舞う……立派なことだ!」


 ジークの言葉に、絵美は「えへへ……」と照れ笑いをしている。その姿に、ジークは微笑ましそうに笑うとカードに視線を移す。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 小崎絵美 16歳 Lv.1

 性別 女 種族 人族

 職業 アイドル 特殊職 転移者/救世主

 体力 :20

 攻撃力:20

 防御力:20

 持久力:20

 敏捷力:30

 魔力 :100

 魔防 :100

 固有能力 〈晴天の歌姫〉

 スキル 言語理解(固定) 強化拡散 歌声拡散 魔力増加小

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 〈晴天の歌姫〉……様々な能力を持つ歌を歌うことで、仲間を強化することが出来る。


「ほう、歌を歌うことで仲間をを強化出来る能力か……救世主様方は皆、面白い能力を持っているな」

「よし! 次は俺だな! 守野大地だ。晃と絵美とは幼馴染みで親友だ!」

「む? 気が早いな……まあ、いい続けてくれ」

「う……よく言われるぜ……それ……っと、職業は守護者だ。確認してくれ」


 そう言われ、ジークは「うむ」と頷き、カードを受け取った。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 守野大地 16歳 Lv.1

 性別 男 種族 人族

 職業 守護者 特殊職 転移者/救世主

 体力 :150

 攻撃力:90

 防御力:150

 持久力:100

 敏捷力:70

 魔力 :20

 魔防 :20

 固有能力 〈鉄壁の守護者〉

 スキル 言語理解(固定) 鉄壁 仲間思い 踏ん張り

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 〈鉄壁の守護者〉……鋼の魂で、仲間を護る。障壁、防壁、盾などの耐久力、防御力を底上げ、強化する。


「守りに特化しているのか? それに……仲間思いか、仲間がピンチの時に本領発揮とはな、侮れんな……」

「異世界に来ても、生き方は変えられねぇからな……」

「もう! 大地君、湿っぽくされちゃうと、私の自己紹介がしにくいよ!」


 幸子が、大地がうつ伏せ気味になったのを見て、少し、おちゃらけて、暗い空気を吹き飛ばす。

 大地は、幸子の言葉に「すまねぇ……」と手を合わせている。


「うむ、では次だ」

「えっと、私は……『小◯……』幸子……って……ちがぁぁぁう! ゆう君! 突然、思い付いた様にボケを挟まないで! 年末に派手な舞台衣裳を着る演歌歌手みたいになっちゃったよ!」

「いやな……俺はただ、この暗い空気をな、紛らわそうとな……」

「絶対嘘! 見え透いた嘘!」


 幸子は、絶妙なタイミングで挟まれた、優太のボケを受けて、ただいま絶賛漫才中……なお、クラスメイト数人が吹き出す。

 そこに、助け船を出したのは、ジークだった。


「がっはっはっ! まあ、暗い空気も今ので吹き飛んだだろう。改めて自己紹介を頼む!」

「むう、後で絶対やり返してやるんだからぁ……はっ……改めて天野幸子です。ゆう君とは、幼馴染みで昔はよく遊んだよね……あ! 職業は聖女って書いてあります」


 幸子は何度かの脱線をしながらも、自己紹介を済ませ、ジークにカードを渡した。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 天野幸子 16歳 Lv.1

 性別 女 種族 人族

 職業 聖女 特殊職 転移者/救世主

 体力 :20

 攻撃力:20

 防御力:20

 持久力:20

 敏捷力:20

 魔力 :200

 魔防 :200

 固有能力 〈癒しの祝福〉

 スキル 言語理解(固定) 魔力増加中 回復魔法初級

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 〈癒しの祝福〉……回復魔法の力を強化し、一定時間仲間を傷つきにくくする。また、死者を蘇らせる事はできない。仲間の傷ついた心を癒すことも出来る。


「おお! 回復魔法がLv.1から使えるとは、きっと救世主様方の助けとなるな!」

「ええ! さすがは、聖女……いえ、サチコ様です! 勇者様と聖女様……お二人と力を高め合うことが出来るとは光栄です!」


 ジークの関心の声に、ブレインはさっきよりも強い尊敬……そして、幸子に熱い眼差しを送る。

 そんな、晃達に続く様に、他のクラスメイト達も自己紹介を済ませ、ステータスカードをジークに渡していく。


「ほら! ゆう君の番だよ! って言うか皆、自己紹介終わって、後ゆう君だけだよ!」

「ん? もう終わったのか?」


 優太は、眠そうに目を擦り、自己紹介を始めた。


「矢野優太……魔導師……以上だ」

「短い! 反逆の隙がないよぉ……」


 優太の余りに短い自己紹介に、幸子が崩れ落ち、ブレインは何故かさっきから睨んでいる目がより一層鋭くなる。


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 矢野優太 16歳 Lv.1

 性別 男 種族 人族

 職業 魔導師 特殊職 転移者/救世主

 体力 :20

 攻撃力:20

 防御力:20

 持久力:20

 敏捷力:20

 魔力 :100

 魔防 :100

 固有能力 〈魔法創造〉

 スキル 言語理解(固定) 魔力増加小

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 まず、魔力と魔防を隠蔽した、更に〈魔法創造〉の開示説明文も……


 〈魔法創造〉……魔法を混ぜて、別の魔法を造り出す。


 と変更しておいた。


「ゆう君……自己紹介ぐらいしっかりやろうよ」

「断る、俺はまだこいつらを信用していない……」

「き、貴様ぁ、言わせておけば!!」


 優太の言葉に、強く反応したのは、さっきから優太を睨み続けていたブレインだった。

 そんなブレインに、優太は眠そうな態度で一言言い放った。


「そんな眼で睨む奴を信用しろと?」

「っ! この!」

「がっはっはっ! 王子! 一本取られましたなー、はっはっはっ!」


 全員の自己紹介が終わり、優太とブレインの衝突をジークが止めた。そして、ジークは優太と向き合うと、面白そうに笑みを浮かべると、一つの提案をした。


「では、ユウタ殿! これからの信頼関係は訓練の中で育むとして……今日を含めて七日後、王子と練習試合してみてはいかがだろうか?」

「そうだ! その練習試合で私に勝てたなら、此度の無礼は許してやる」


 その言葉に、周りのクラスメイト達も、「おお!」など「王子が勝つだろー」などと完全に受けるムードだ。


「俺の意見は?」

「ゆう君、面倒くさがりの割には、トラブルメイカーだよね」


 そんな中、優太と幸子の会話をブレインは睨んでいた。


「あいつは、聖女様に相応しくない……」


 そうして、自己紹介を終えたのだった。




おまけ


「所で王子……」

「なんだ? ジーク?」

「救世主様方が笑っておったが“小林幸○”とは誰でしょう?」

「知らん! 救世主様方に聞いて来ればいいだろう!」


数分後───


「王子!」

「ジークか? で何だったんだ?」

「“小林○子”とは、魔物の類いで他に“テラ”や“EX”が居るようですぞ!」

「絶対違うと思うぞ……」


 その後、ブレインは何故か空に向かって、「申し訳ありませんでした!」と叫んだと言う……

あと何話かは、城での訓練です。

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