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無気力高校生の異世界救済  作者: SUZUKING
第二章 旅立ちと始まり
30/68

27 国と言うのは一枚岩では無い

バイトが深夜になった。帰ると朝五時……寝れないよぉぉぉぉ!

 城の中庭、そこには一人の青年が、鬼のような形相で訓練をしていた。


「ふっ! ふっ! はっ……! くそっ!」


 イラついた様に、演習用の案山子に攻撃を与える。

 ブレインは、優太が出ていった日の事を思い出していた。




『納得出来ません! 奴は何か不正をしたとしか……』


 ブレインは国王であり、自分の父親であるジゼルにそう食い付いて居た、

 しかし、ジゼルは首を横に振る。


『ブレイン……何度言えば分かるのか、ユウタ殿は不正などしておらん。それは、ランドも確認していただろう……』

『ですが!』


 それでもなお、ブレインは続けようとする。

 そこに、優太の見送りを終えたジークがやって来たのだった。


『おや? これは陛下、ブレインもどうかなさったのかな?』

『いや、ジークこれは……』

『ジーク! お前からも言ってくれ! ユウタと再戦するべきだと!』


 しばらく、状況を理解出来ていなかったジークは、察したのかため息を付いた。


『はぁ、ブレインよ……何故、再戦したいのだ?』

『そんなの決まっている! 奴は不正を働いたに決まってる!』


 ブレインの言葉に、ジークは頭を押さえる。


『何を言い出すかと思えば……そもそも、試合の敗因は間違いなく油断していたからだろうに……』

『……っ! だが、今度こそは!』

『いい加減にせんかブレイン! 見苦しぞ!』


 なお、食い下がろうとするブレインに、ジゼルが一喝する。


『ユウタ殿は、あの日の為に対策を練って居られたのだろう……勝つ努力を惜しまなかった。それがあの試合においてのお前とユウタ殿の差だ』

『そ、それは……』

『ブレインよ、負けたのが悔しいのは分かるが、あれは作戦勝ちだろう……実力で言えば、確かにお前が上だだからこそユウタ殿は出来る限りを出したのだろう』

『……』


 ジークもジゼルの言葉に同調し、頷く。

 これには、流石にブレインも黙るしか無かった。

 最後にジゼルが、ブレインに言うのだった。


『分かったのなら、訓練に励むが良い……次は負けぬようにな……』


 ジークとジゼルが部屋から出ていく。

 それを見送ったブレインは、拳を握りしめていた。




(勝つ努力、慢心、認められるか……俺が負けよう筈がない)


 ブレインは、ジーク達に指摘された言葉を思い出し、案山子への攻撃が激しくなる。

 案山子が跡形もなく、粉々になった時、ブレインに話し掛ける者が居た。


「おやおや、これはこれは王子、随分と荒れて居られますなぁ」

「何の用だ? サーベルト」


 ブレインが振り返った先には、不敵に微笑むサーベルト・ラインハルトが立っていた。

 サーベルトはブレインに、続けて話し掛ける。


「いやいや、私も少々陛下の方針に不信感を抱いて居ましてね」

「……それがどうした?」

「疑問に思いませんか? 一部の救世主を贔屓する陛下、力を有する存在が居ながら、その力を有効に使おうとしない騎士団長に……」


 サーベルトの言葉に、ブレインは顔をしかめる。


「私は憂いているのですよ……この国の未来を……」

「……」


 いかにも悲しそうに、額を押さえるサーベルト。

 ブレインは俯き何も言わない、その姿にサーベルトはニヤァと広角を上げる。


「ですから、私達でこの国を変えませんか? 王子ならばきっとより良い国に出来ます」

「ふん、生憎とそんなことに興味は無い。父上を裏切るのも考えられん」


 そう言うとブレインは、「今のは聞かなかったことにしてやる」と城内に戻ろうとする。

 しかし、その背中にサーベルトが話し掛ける。


「ユウタ・ヤノ……」


 城内へと歩き出していたブレインは、ピタッとその動きをとめた。

 それを見て、サーベルトは再び口を開く。


「私と共に来て貰えれば、再び戦う機会を設けましょう」

「……」

「今はまだ、答えは出さなくても良いでしょう……ですが、是非前向きに検討して貰いたい」


 サーベルトはそう言うと、ブレインとすれ違い、城内へと入って行った。

 その際、すれ違い様にブレインに呟き掛ける。


「良い返事をまってますよ……王子」


 ブレインはそんなサーベルトを背に、ただ立ち尽くすのみだった。




 ─────────────────────────────




 優太は、指魔法フィンガーマジックの調子を確かめながら、ひたすらゴブリンをぶち抜き、気付けば昼が過ぎていた。


「依頼書の数は達成したし、このまま昼飯作って籠っても良いが今日は帰るか……」


 ちなみに、依頼の進み具合は全てステータスカードに表示される……ご都合設定……否、この世界の仕様である、モン◯ンでモンスター倒して自動で加算されるのと同じだ!

 優太は、ギルドへと戻る為にダンジョンから立ち去るのだった。




 ギルドに戻ると、サーシャではなくリアが受付に立っていた。

 リアは、優太に気付くとニッコリと微笑みながら話し掛ける。


「ユウタさん、お帰りなさい☆」

「……ただいま」

「はい! あっ、ちなみにサーシャお姉ちゃんとマリアお姉ちゃんは帰ったから、受付は私リアとー」

「私イリスだぜ!」


 ジャジャーンと効果音が鳴りそうなポーズを決める二人に、優太はため息を付いた。

 そんな優太に、リアが「ではでは」と用件を聞く。


「改めまして、お帰りなさいユウタさん。ご用件をお伺いいたします☆」

「ああ、依頼の達成の確認を頼む」


 優太はそう言うと、依頼書とステータスカードを差し出す。もちろん、ステータスは偽装済みだ。

 ステータスは基本偽装は自由なのだ、本人と確認するならばカードに注がれた魔力で充分だからだ。

 リアは、二つを受け取ると、専用の魔道具にかざすと、二つを優太に返す。


「はい! 確かに確認しました! こちらが報酬です☆」

「一応、スモールラビィの死体を持ってきたのだが?」

「それはこっちで引き取るぜ! ゴブリンは食えねぇから要らねぇけど、スモールラビィは肉も毛皮も使えるからな」


 優太はイリスの言葉に頷くと、空間魔法の鞄から大量のスモールラビィを取り出した。

 それに、イリスは「お、おおう?」驚きの声を上げる。


「すげぇ……スモールラビィでもこんだけ有れば、それなりの金になるぜ」

「ユウタさん、ゴブリンの討伐数もですけど、凄いですね」(;・ω・)


 二人の言葉に、優太は首を傾げる。


「ちょっとばかり魔法の訓練がてらな……スモールラビィは損傷が少ない物を持ってきただけだ」

「でも、凄いですよ! 短時間でこんなに倒すなんて、同じ魔導師とし見習わないと☆」


 そんな話をしている内に、他のギルド職員とスモールラビィを数えていたイリスが袋を持って来た。


「全部で、金貨二枚に銀貨七枚、毎度あり!」

「ユウタさんは、このあといかがなさるんですか?」

「少し街を見て回るつもりだ」


 優太の言葉に、リアは「それでしたら!」と手を合わせる。


「街を見て回るついでに武具屋に行ってみてはいかがでしょう☆」

「いや、防具はまだい……」

「そう言う事なら、私が案内しましょうか?」


 優太が何かを言おうとしたのを遮り、私服姿のマリアが優太の後ろに立っていた。

 マリアの私服は胸元の間、服を着ていた。それに、イリスが「お姉ちゃん皆大きいのに私は……」と呟いて居たがスルーしよう。

 優太は、後ろに居たマリアに気付いたが、諦めた表情でため息を付いた。


「あらあら、本日二回目ね……ため息?」

「どういうつもりだ?」

「ふふっ、いえ今日の調査で私の大剣が刃こぼれしてしまいましたのでそのついでです」


 マリアの言葉に、優太は「なるほどな」と頷くと、仕方なく了承するのだった。




 おまけ


ゆ「所で、マリアの武器は大剣なんだろ?」

マ「そうよ、それがどうしたの?」

ゆ「ダンジョンで会った時、持ってなかったよな?」

マ「ええ、早めに刃こぼれしちゃって……あの時は仕方なく魔物は殴り殺してたの……だから……ね?」

ゆ「アー、武具屋タノシミダナー」


さ「ゴリア様……なんちゃっ……」ゴッ!(゜o(○=(゜ο゜)o

〈ドゴーン

受付のお姉さんはつおい……そして、大きい……!

すいません、ちょっとテンションがおかしいです。

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